LOVEBITES 渋谷TSUTAYA O-EAST ライブレポート

 

はじめに

今回紹介するバンドは、 女性5人組ヘヴィメタル・バンド LOVEBITES。彼女たちの簡単な紹介のあと、去る6月28日に渋谷TSUTAYA O-EASTにて開催された単独公演「Battle Against Damnation Tour」のライブレポートをお届けします。

 

 

BIOGRAPHY

メンバー
haruna (読み:ハルナ) (ds)
midori (読み:ミドリ) (g)
miyako (読み:ミヤコ) (g, key)
asami (読み:アサミ) (vo)
miho (読み:ミホ) (b)

ジャンル:ヘヴィメタル

所属していたメタル・バンドの活動停止後、複数のバンドでサポート・ベーシストとして活躍していたmihoが、かつて同じバンドでリズム隊を組んでいたこともあるDESTROSEの元ドラマーharunaを誘い、新たなメタル・バンド結成へと向けて動き出したのは2015年のこと。シーンで確固たる地位を築き、広く名の知られていたmihoとharunaのこの新たな動きにファンは歓喜した。

同年、mihoとharunaはメンバー探しを行ない、知人の紹介により運命的な出会いを果たしたasamiがシンガーとして加入。VAMPSやUVERworldをはじめとする数多くの有名アーティストにコーラスとして参加してきたasamiは、低音から高音までを自在に操るシンガーであり、彼女の加入により、「男勝りの」激しいメタル・サウンドを、「女性らしい」伸びやかなヴォーカルが歌い上げるサウンド・メイキングの方向性が固まる。

2016年、激情★めたりっちぇのギタリストであったmidoriが加入。同じタイミングで、a DROP OF JOKERの元メンバーで、元SIAM SHADEのNATCHIN率いるロック・バンド21gのギタリストでもあるmi-yaをサポート・メンバーとして迎える。卓越した技術を持つふたりのギタリストによって、強力なツイン・ギター体制が完成した。5つのピースが揃い、バンド名をLOVEBITESとし、本格的に始動。 2016年11月18日、東京は渋谷TSUTAYA O-WESTで開催された『WOMEN’S POWER Presents “Girls Band Next Generation”』に出演し、初ライヴを成功させる。

そして2016年の末から、LOVEBITESとして最初の作品の制作を開始。NIGHTWISHやCHILDREN OF BODOM、AMORPHISらとの仕事でも有名なフィンランドの敏腕エンジニア・チーム、ミッコ・カルミラによるミックス、ミカ・ユッシラによるマスタリングにより研ぎ澄まされた楽曲の数々を詰め込んだEP『THE LOVEBITES EP』が、2017年5月24日に満を持して世に放たれた。 EPの発売を待たずして、同年5月よりフルレングス・アルバムのレコーディングを開始。8月、mi-yaが正式加入。5人編成となる。そして10月25日、待望の1stフル・アルバム『AWAKENING FROM ABYSS』をリリースし、オリコン総合18位にランクイン。そのアルバムを携えて、11月と12月に東名阪、そして英国にてライヴを行なった。2018年2月、東京は渋谷duo MUSIC EXCHANGEでの公演をソールドアウトにし、6月6日には、フィンランドの凄腕エンジニア・チーム、ミッコ・カルミラ、ミカ・ユッシラを引き続きミキシングとマスタリングに起用した2ndミニ・アルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION』をリリース。この作品からmi-yaがmiyakoに改名。

4月の「Vans Warped Tour Japan 2018 Presented by XFLAG」でフェスティヴァル初出演、そして2ndミニ・アルバムを携えての単独公演(6月28日渋谷TSUTAYA O-EAST)とANTHEM主催「HEADSTRONG FES.18」(7月)へ参加。また、ドイツでは、世界最大級のメタル・フェスWacken Open Airに、HELLOWEENやARCH ENEMY、DIMMU BORGIRなどと同じ最終日8月4日(土)に出演する。一方イギリスは、JUDAS PRIESTがヘッドライナーを務め、EMEPERORやKAMELOTも出演するBloodstock Open Airの初日8月10日(金)に出演。そのほか、日本で発行されるメタル専門誌『BURRN!』や音楽専門誌『PLAYER』の読者人気投票で新人賞を受賞。また音楽評論家の伊藤政則氏がDJを務めるラジオ番組『POWER ROCK TODAY』でも、アルバム『AWAKENING FROM ABYSS』がリスナー投票で年間4位入賞。さらに、英国、ヨーロッパにおける最大のメタル専門誌『METAL HAMMER』が毎年行なっているアウォーズGolden Gods Awardsで、ベスト・ニュー・バンド賞を受賞。6月11日にロンドンで式典が行なわれ、代表してmiyakoとmihoが出席し、英語で喜びの声をスピーチした。

※公式HPより

 

 

ライブレポート

女性5人組ヘヴィメタル・バンドLOVEBITESが6月28日、東京・渋谷TSUTAYA O-EASTで単独ライブ『Battle Against Damnation Tour』を開催した。彼女たちは昨年10月に1stフルアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』を発表し、同年11〜12月に東京&大阪で初の単独ツアー『AWAKENING FROM ABYSS TOUR 2017』を大成功に収めた。しかもその合間には初のイギリス公演も敢行し、世界に向けて羽ばたき始めた。そして2018年の最初のライブとなった2月の渋谷duo MUSIC EXCHANGEでの単独ライブではソールドアウトを記録し、6月6日にはファン待望の2ndミニ・アルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION』をリリース。また6月11日にはイギリスのメタル専門誌『METAL HAMMER』が毎年行っているGolden Gods Awardsで、BEST NEW BAND賞を受賞した。まさに今、飛ぶ鳥を落とす勢いに乗っている彼女たちのライブを観ようと、会場である渋谷TSUTAYA O-EASTには幅広い年代のメタルファンが集結した。

程なくして開場時刻となり入場。幕がかかっているのでステージは覗けなかった。SEは今回もmihoセレクト。Disturbed、Creator、Metallica、Judas Priest、Iron Maidenの曲が流れる中、フロアは次第に埋まっていった。本公演もチケットはソールドアウト。当日券すら出ていない状況だ。客層の9割方は男性で、メタルTシャツを着た人もいれば、会社帰りだろう、スーツ姿のサラリーマンの姿もちらほら見かけた。もちろんLOVEBITESのTシャツを着た人もたくさんいて、本ツアー限定の黒や青のサッカーTシャツを身に纏った人たちは至る所で目に付いた。

 

 

セットリスト

00. The Awakening
01. The Crusade
02. Warning Shot
03. Break The Wall
04. Scream For Me
05. Shadowmaker
06. Above The Black Sea
07. Inspire
08. The Apocalypse
09. The Hammer Of Wrath
10. Liar
11. Burden Of Time
12. Don’t Bite The Dust
13. Under The Red Sky

EN
14. Edge Of The World
15. Bravehearted

 

果たして開演時刻となり暗転。場内から歓声が上がる。もともとライヴの登場SE用に作った曲だという、1stアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』のオープニングSE「The Awakening」でライブはスタート。これぞザ・クラシックという壮大なスケールの曲に合わせ、順番に5人のシルエットが幕に浮かび上がると、そのたびに大きな歓声が沸いた。ややあって幕が下り、メンバーが姿を現わすとさらなる歓声が上がる。ライブ一発目の曲は2ndミニ・アルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION』のリード・トラック「The Crusade」。イントロのリフが奏でられた途端に気分は高揚し、フロアもまた一気に熱を帯びていったが、その熱気はその直後、急激に高まっていった。ヴォーカルのasamiが発した「We are LOVEBITES, and we play heavy metal!」という叫びがその要因だった。

それにしてもサウンドのパワーとasamiのハイトーンが凄まじい。がっつりと観客のハートを鷲掴みにしたところで次なる曲はスピード・チューンの「Warning Shot」。midoriがテクニカルなソロプレイを炸裂させる。その後はLOVEBITESの楽曲の中でも一番テンポの速いスラッシーな「Break The Wall」、歌メロやバックのシンセがキャッチーな「Scream For Me」と立て続けに披露。そして「『AWAKENING FROM ABYSS』のリード・トラックといえば?」というasamiのMCに観客が呼応して、サビのメロディやツインギターの音色が心地良い「Shadowmaker」が始まる。怒涛のバスドラに乗せてasamiが渾身の歌唱を披露するとやがて場内は興奮の坩堝と化していった。

最初こそ緊張の色が見られたasamiだが、ライブが進むにつれ、圧倒的なハイトーンボイスで次第に会場の空気を掌握していく。バンドの屋台骨を支えるharunaは、ツインペダルを踏み倒し、その小さな体からは想像ができないほどのパワフルなドラムサウンドを会場に響かせている。midoriは力強いギターリフとテクニカルな速弾きで観客を魅了し、miyakoはmidoriとは異なるエモーショナルなプレイスタイルで自身のカラーを提示。mihoはバンドのボトムを支えつつ、個性的なプレイで存在感をアピールしている。また途中にMETAL HAMMERのGolden Gods Awardsで受賞したBEST NEW BAND賞の盾を披露する一幕があり、場内は温かい空気に包まれた。

その後ライブは再開。縦ノリでソリッドな「Above The Black Sea」に続いて披露されたのは、miyakoのピアノ伴奏で歌い始める「Inspire」。耳馴染みの良いメロディアスなギターサウンドと歌メロが心地良い。その後ライブは後半戦に突入するのだが、筆者の大好きな「The Apocalypse」、「The Hammer Of Wrath」と畳みかけてくるので至福の境地に至った。前者では攻めまくるスラッシーなリフや次第に盛り上がっていく曲展開に痺れ、後者ではクールなリフをとことん貪り、asamiのヴォーカルに卒倒しながら激しいヘドバンを繰り出した。

再びmiyakoのピアノの伴奏に合わせてasamiが唄い出す。次曲は「Liar」だった。いつ聴いてもそうだが、ドラマティックな曲展開は鳥肌もの。僕は終始、各パートで奏でるメロディにうっとりする。その後のメロスピチューン「Burden Of Time」でも場内の熱狂は続き、誰しもが酔いしれているようだった。両手を掲げて“D’ont waste your time” “D’ont waste your life”とコールしている人が何人もいる。そしてその後は、ツインギターのハモリが心地良く、ギターリフも歌メロもキャッチーで疾走感溢れるナンバー「Don’t Bite The Dust」と続き、華やかなグルーヴ、メロディアスで壮大な楽曲「Under The Red Sky」を披露して本編は終了となった。asamiの煽りで始まった終盤のシンガロングはとても感動的で場内の空気をを大きく震わせた。

少しの間を挟み、アンコールが始まる。最初に披露されたのは「Edge Of The World」。7分近い曲だが、曲展開がドラマティックなので一切飽きることがない。そして最後はシンフォニック・パワーメタル「Bravehearted」を披露してライブはすべて終了となった。小柄な5人がステージに並び、可愛らしく一礼する。いつまでも鳴り止まない、彼女たちに向けられた称賛の拍手。僕も惜しみない拍手を彼女たちに送りながら口元に笑みを湛えた。開演前に抱いていた一抹の不安は木端微塵に消え去っている。

昨年のツアーと今年2月のライブはチケットが取れなかったので、LOVEBITESのライブを生で観るのは今回が初めてだった。楽曲はすべてに味があって聴きやすく、asamiのヴォーカルも大好きな声質。果たしてこの純度100%のゴリゴリなメタルサウンドであるスタジオ音源をライブでどこまで再現できるのか。またR&B畑を歩んできたasamiが、MCを含め、メタルバンドのライブでどこまでパフォーマンスを発揮することができるのか。大まかに括ればその2点をフォーカスして今日のライブを観戦したが、僕が抱えていた小さな疑念はまったくの杞憂で終わった。そこで体験したのはバッキバキのゴリゴリのメタルライブに他ならなかった。

ツインギターの音色は美しく、ギターソロではイングウェイを彷彿させるかのような圧巻の速弾き。ベースとドラムのリズム隊もほとんど完璧で、アイアンメイデンよろしく、まるで爆撃機のような轟音を浴び続けた。そしてマライア・キャリーなみの音域をカヴァーする、というのは言い過ぎかもしれないが、ハイトーンを自在に操るasamiのヴォーカル――。ライブの数が少ないのでまだまだ改善の余地はあるのだろうが、それでも十分に満足のいくアツアツなライブ・パフォーマンスだった。海外のメタルフェスで彼女たちがパフォーマンスする姿を見てみたい。バッケンは来月か……。先月ダウンロードフェスを観にイギリスへ行ったばかりだから流石に来月は無理だなぁ。そんな小さな葛藤を覚えながら僕は会場を後にした。楽曲のセンス、類い稀な演奏力、圧倒的なヴォーカル、そしてビジュアルまでをも兼ね備えたLOVEBITESはいったいどこまで上り詰めていくのだろうか。彼女たちの未来は、今宵の眩いライブパフォーマンスのように極めて明るい。巻き髪にふわりとした白いドレス調の衣装からは想像もつかないヘビィなサウンドに、世界中のメタルヘッズが虜になる。もしかしたらそう遠くない未来、そんな日が訪れるかもしれない。

 

 

 

 

DISCOGRAPHY

1st ミニ・アルバム 『THE LOVEBITES EP(全4曲)』

1. Don’t Bite The Dust / ドント・バイト・ザ・ダスト (M: miho – Mao / L: miho)
2. The Apocalypse / ジ・アポカリプス (M: miho – Mao / L: miho)
3. Scream For Me / スクリーム・フォー・ミー (M: mi-ya / L: Dr. U)
4. Bravehearted / ブレイヴハーテッド (M/L: haruna)

 

1st アルバム 『AWAKENING FROM ABYSS(全12曲)』

1. The Awakening / ジ・アウェイクニング (M: mi-ya)
2. The Hammer Of Wrath / ザ・ハマー・オブ・ラス (M: miho – Mao / L: miho)
3. Warning Shot / ウォーニング・ショット (M: mi-ya / L: asami)
4. Shadowmaker / シャドウメイカー (M: mi-ya / L: asami)
5. Scream For Me (Awakened Version) / スクリーム・フォー・ミー〔アウェイクンド・ヴァージョン〕 (M: mi-ya / L: Dr. U)
6. Liar / ライアー (M: mi-ya / L: Dr. U)
7. Burden Of Time / バーデン・オブ・タイム (M: miho – Mao / L: miho)
8. The Apocalypse (Awakened Version) / ジ・アポカリプス〔アウェイクンド・ヴァージョン〕 (M: miho – Mao / L: miho)
9. Inspire / インスパイア (M: ARAKEN / L: asami)
10. Don’t Bite The Dust (Awakened Version) / ドント・バイト・ザ・ダスト〔アウェイクンド・ヴァージョン〕 (M: miho – Mao / L: miho)
11. Edge Of The World / エッジ・オブ・ザ・ワールド (M: Mao / L: asami)
12. Bravehearted (Awakened Version) / ブレイヴハーテッド〔アウェイクンド・ヴァージョン〕 (M: haruna / L: asami – haruna)

 

 

2nd ミニ・アルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION(全4曲)』

1. The Crusade / ザ・クルセイド (M: miyako / L: miho)
2. Break The Wall / ブレイク・ザ・ウォール (M: miho – miyako / L: miho)
3. Above The Black Sea / アバヴ・ザ・ブラック・シー (M: miyako / L: asami)
4. Under The Red Sky / アンダー・ザ・レッド・スカイ (M: Mao / L: asami)

 

 

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