BABYMETAL 海外 Graspop Metal Meeting 2024 ライブレポート

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1.

ワルシャワ公演の翌日、僕はオランダのアイントホーフェンへ向かった。
実は当初、このアイントホーフェンから、隣国ベルギーの
デッセルで開催されるGraspop Metal Meetingにバスで向かう予定でいた。
アイントホーフェンへの航空チケットは購入し、そしてホテルも予約済み。
Graspop Metal Meetingへ向かうバスのチケットもすでに購入していた。
しかしながら、僕はアイントホーフェン空港から中央駅へ移動すると、
そこからドイツのブレダ経由でベルギーのアントワープへ向かった。

 

これには理由があった。
アイントホーフェンからフェス会場へ向かうシャトルバスは、
行きの分しか運行していなくて、
帰りは他の交通機関でアイントホーフェンへ戻らなければならなかったのだが、
いろいろ調べても納得のいく経路が見つからず、
これはもう帰りは配車タクシーで帰るしかないなと考えていた。

 

するとそこにきて、BABYMETALのタイムテーブルが、
当初の夕方から、19:10~20:15に変更となり、
そうすると否応にも帰りが遅くなってしまい、
僻地だからますます配車アプリを手配するのは困難になりそうで、
また、翌日早朝の移動にも影響を及ぼしそうだったので、
それだったら行き帰りの交通機関(往復の電車)が担保されるアントワープを
拠点にして、フェス会場へ向かった方が得策だと後になって判断したのだった。

 

 

 

翌日の午前11時過ぎ、ホテルを出てアントワープ中央駅に向かい、
フェス会場最寄りのモル駅までInter cityで移動することに。
列車の往復チケットは事前に公式サイトで購入(50%オフ)していた。
そして約1時間後、モル駅へ到着。
そこからは無料のシャトルバスに乗って会場へ向かった。

 

 

 

会場に着いた途端、小雨がぱらつき始める。
僕はフードを被ったままエントランスへ向かった。
ゲート横のオフィシャルショップで、
事前にオンラインで購入していたフェスTシャツ2枚をピックアップ。
セキュリティチェックをパスし、リストバンド交換所へ進む。

 

 

 

このフェスも4日前のNOVA ROCK同様、場内はすべてキャッシュレス。
事前にオンラインで140ユーロをチャージしていたので、
入場ゲートでチケットとキャッシュレスチップ付きのリストバンドを交換。
逸る気持ちを抑えながら場内へ入っていく。

 

入場後は、まず最初にメインステージを見に行った。
Silversteinがライブを行っていたが、リンキンパークのカバーを披露していた。
その後は久々にAmaranthe、そして初見のStakeのライブを堪能。
その後も4thステージのCounterparts、3rdステージのTexturesと見て回る。
6thステージのCLASSIC ROCK CAFEは室内に熱気が籠って活況を呈していた。
また、急遽キャンセルとなった花冷え。が演奏するはずだった
5thステージのMETAL DOMEにも立ち寄ったが、仮に出演していたとしたら、
今の海外での人気ならおそらくドームの外にまで人が溢れ返っていたように思う。

 

それからはメインステージに戻り、Kerry Kingのライブを見る。
観客は随分と多く詰め掛けている状況だった。
そして次はいよいよBABYMETALの出番となった。
僕は左側のメインステージの前方に移動する。
おそらくはこのあたりがモッシュピットと化す場所だろう。
周囲には、多様なメタルTシャツを着たメタラーがたくさんいるが、
若い女性も多く、中にはコスプレをしている人の姿も散見された。
そして開演5分前になると、後方まで人で溢れ返る状況となった。
果たして開演となり、オープニングムービーがビジョンに流れ始めると、
怒号のような大歓声が沸き起こった。
それだけで、BABYMETALに対する期待値の高さが窺える。
僕は口元に笑みを湛え、刮目してステージ上を凝視した。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. Distortion
03. PA PA YA!!
04. メギツネ
05. Brand New Day(with Tim Henson & Scott LePage)
06. メタり!!
07. KARATE
08. RATATATA
09. ギミチョコ!!
10. Road of Resistance

 

 

1発目は定番の「BABYMETAL DEATH」。
登場してくる3人の姿が凛々しい。
ヘドバンする人、キツネサインを掲げる人、動画で撮影する人の姿が視界を埋める。
すぐ近くでは早くもモッシュが発生している。
終盤になるにつれ、モッシュは激しさを増していった。
“DEATH!”の掛け声も次第に大きくなっていく。
曲が終わると大歓声。
大勢がキツネサインやメロイックサインを掲げている。

 

続く曲は「Distortio」。
パイロの炎が吹き出す中、ピットのモッシュはさらに激しくなった。
誰も彼もが笑顔で体をぶつけ合っている。
間奏でSU-METALが“大きなサークルが見たい!”と煽るとサークルピットが発生。
そのサークルはだんだん大きくなっていった。
その後はモッシュが何度も起こり、愉悦の声が飛び交う中やがて同曲は終了した。

 

続いては「PA PA YA!!」。
序盤からSU-METALが“ジャンプ!”と煽ると、ピットはあっという間にお祭り騒ぎに。
大勢が笑顔で何度も飛び跳ねまわる。
ラップパートの部分では、3人がTシャツを頭上で回してと観客に訴求。
中盤以降はサーフする人が続出した。
その後もSU-METALが何度も“ジャンプ!”と煽り、同曲も大盛況のもと終了した。

 

次に披露されたのは「メギツネ」。
曲が始まると、序盤から激しいモッシュが発生。
屈強な男たちが楽し気に押合い圧し合いをする。
間奏に入ると、SU-METALがジャンプしてと観客に促した。
大勢が笑顔で何度もジャンプを繰り返す。
ピットでは頻繁にモッシュが起こり、サーフする人は後を絶たず。
そういったカオスな状況が楽しく瞳に映ったのか、
SU-METALが飛び切りの笑顔を見せる。
そうして同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

続く曲は「Brand New Day」。
POLYPHIAのTim HensonとScott LePageも参加。
久々のコラボレーションとなった。
曲が始まると大勢が美しいステージングに見入ったものの、
サーファーはこの曲でも相変わらず流れている。
終盤のSU-METALの絶唱は鳥肌もの。
ツインギターの演奏だけでなく、ベース音も心地良く耳に響く。
サーファーに警戒しながら、最後まで同曲にうっとりした。

 

続いては「メタり!!」。
SU-METALが“レイズ ユア ハンド”と訴えると、
岸に何度も押し寄せる大波のように、大勢が手を挙げて前後に揺らした。
そして曲が始まり重低音が炸裂すれば、ピットは瞬く間にカオスな状況に。
誰も彼もが大きく体を揺らしながら心底ライブを楽しんでいる。
MOMOMETALの口上シーンでは、大勢が座り込んでから一斉にジャンプ。
その後は圧縮やモッシュが起こり、ピットはよりカオスな状況となった。
大勢が好きなように踊り狂い、ピットは興奮の坩堝と化している。

 

続いて披露されたのは「KARATE」。
ヘヴィなサウンドに身を任せるように、大勢が一斉に体を揺らし始める。
サーフやモッシュはあちこちで発生。
間奏に入ると、恒例となっているスマホライトによる演出が。
美しい光景が眼前に広がり、その様子がスクリーンに映し出される。
終盤になると再び強い圧縮とモッシュが発生。
曲が終わると大きな歓声と拍手が沸き起こった。

 

続けざまに「RATATATA」が始まる。
イントロから大勢が陽気に“FU! FU!”とコールする。
そして曲が始まるなり、ピットはすぐさま狂乱状態に。
“ラタタタタター”を合図に、大勢が一斉に歌い踊り始める。
終盤になってもピットの圧縮、モッシュは止むことはなかった。
誰も彼もが終始笑顔で楽曲にノり続けている。
曲が終わると歓声が沸き、大きな拍手が鳴り響いた。

 

続けざまに「ギミチョコ!!」が始まる。
ピットではモッシュが起こり、サーフする人は一切減らない。
代表曲だから知っている人も多いのだろう、
大勢が体を揺すってリズムに乗っている。
中盤から終盤にかけてもピットの熱狂具合は冷めることはなく、
モッシュにサーフに圧縮と、より熱量は高まっている。
終始盛り上がった同曲はやがて終了。
曲が終わると大きな拍手と歓声が沸き起こった。

 

ラストはアンセム「Road of Resistance」。
イントロの段階ですでにサークルモッシュが発生。
その後は恒例のウォール・オブ・デスを敢行。
シンガロングのシーンでは大勢が拳を突き上げ声を張った。
その後もモッシュやサーフは継続的に起こり、
大盛り上がりのもとやがて同曲は終了
最後は恒例の“We are?”“ BABYMETAL!”コールで締めた。
大勢が一斉にフォックスサインを掲げる。
彼女たち“シーユー!”と言ってが去っていくと大きな歓声が沸いた。

 

 

 

 

3.

その後はライブを見ずに帰ることに。
まだ観たいライブアクトはいたのだが、
アントワープまでの列車の最終時刻や、翌朝の移動を考慮すると致し方なかった。
シャトルバスでモル駅へ着くと、
ちょうどアントワープへ向かう列車が止まっていたので、
バスを降りると全速力で走り、なんとか列車に乗ることに。
最終列車の1つ前の列車に乗ることができた。
ここから1時間かかるアントワープ駅へ向かう列車に揺られながら、
僕は今日のライブを振り返った。

 

BABYMETALのライブに詰めかけた観客の多くは、
BABYMETALのすべての曲を知っているわけではないようだった。
最初の「BABYMETAL DEATH」、そして「Distortion」、「PA PA YA!」と、
コールをしている人はほとんどいなかった。
それでも早い段階であれだけピットが盛り上がったのは、
やはり彼女たちのライブパフォーマンスの出来が素晴らしいからだろう。
SU-METALの絶妙な煽りも功を奏し、ピットは活況を呈していた。

 

3人が楽し気にパフォーマンする姿もよく目に留まったのだが、
そこではたと、舞台セットが素晴らしいことに気が付いた。
ステージに組まれた舞台の上でパフォーマンスする時間が長いから、
後方からでも彼女たちの躍動する姿を肉眼で確認することができる。
過去にもこういった段差のある舞台セットを組んでライブに臨んでいるが、
いかにライブをよく見せ、観客を盛り上げて楽しませるか。
それに対する工夫なアイデアはさすがだなと思った。

 

ベルギーの代表的なメタルフェスであるGraspop Metal Meetingは、
ソリッドなメタルサンドが持ち味のBABYMETALにとってはうってつけのフェスだった。
そして明日は、近年ではポップの要素が高まっている、
オランダのPINKPOPフェスに出演する。
PINKPOPフェスに集まるポップファンは、
ゴリゴリなメタルサンドのBABYMETALのライブにどんな反応を示すのか、
今から興味が尽きない。
僕は笑みを浮かべて車窓の長閑な景色を眺めながら列車に揺られ続けた。

 

 

 

 

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