BABYMETAL FOX_FEST SSA2日目 ライブレポート

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1.

昨夜のライブの興奮は未だ続いている。
大好きなBABYMETALのライブはもちろん楽しめたのだが、
初めて見たELECTRIC CALLBOYのライブの破壊力は衝撃だった。
音源は聴き込んでいたとはいえ、初めて参加したライブで、
全曲すべてで踊りまくって心底満喫するという体験はなかなかない。
それこそ、BABYMETALのワンマンライブを初めて見た時と同じくらいの
衝撃だったように思う。
また、POLYPHIA、BILMURI、METALVERSEのライブも十分に楽しむことができた。
そして、それにはまだ続きがある。
僕は浮かれ気分で電車に乗ると、再び会場のさいたまスーパーアリーナへ向かった。

 

 

 

現地へ到着したのはお昼過ぎ。
何かお腹に入れようと思い、けやきひろばの出店を見て回るが、
どの店も商売繁盛、列を作っているのですぐに諦めることに。
少し早いが、整理番号Aの待機場所である1階へと降りていく。

 

 

 

やがて開場時刻となり、順番に入場。
今日のチケットはAの270番台。
荷物検査とセキュリティチェックを受け、フロアへ移動。
最前下手のブロックへ入場するも、さすがに柵は取れなかったので、
一度退出してトイレに行くことに。
昨日が下手側だったことをふと思い出し、
トイレから戻ってからは上手の最前ブロックへ進んだ。
今日はTHE ONE会員の超MOSH’SH PITなので、
昨日の一般MOSH’SH PITのブロックよりも年齢層は幾分高めだ。

 

 

 

果たして開演となり暗転。
勝手を知るメイトたちが一斉にステージの方へ圧縮を強めていく。
最初に登場したのは赤子金属の3人。
本体はBABYMETALなのだが、今宵も3人は赤子金属と書かれた扇子を手に、
メギツネのEDMリミックスバージョンに合わせてキレのあるダンスを披露。
“すーちゃーん!””モモコー!”“モアちゃーん!”。
曲中は何度も彼女たちの下の名を呼ぶ声が飛び交っていた。

 

その後すぐにMETALVERSEとASTERISMが登場。
ここでも、METALVERSEの3人の名前を呼ぶ声が飛び交っていた。
1曲目の「Crazy J」から2曲目の「GIZA」、
そして最後の「Naked Princess」は昨日と同じだったが、
カヴァー曲は「紅蓮華」ではく、今回は「Cry Baby」だった。
ASTERISMのソロパートでは卓越した演奏技術が披露され、
彼ら個々への声援も飛び交っていた。

 

(Photo by Taku Fujii / Taichi Nishimaki 以下、同)

 

また、METALVERSEのボーカルの戸高美湖は今回も素晴らしい出来栄えで、
ボーカリストとしてのポテンシャルは相当なものだと認識を改めた。
木村咲愛と加藤ここなの2人も観客を煽りつつ、キレのあるダンスを披露した。
女性3人組、そして似たような髪型に衣装――。
どうしてもBABYMETALと比較されてしまうのは仕方のないことだが、
今回のように、オケではなくバンド編成でライブを行うのであれば、
また単独ライブに行ってみたいという気持ちになった。
5人体制から3人体制へと変化はあったが、
今後どうやって展開(売り出す)していくのかも気になるところである。

 

 

 

インターバルの後、BILMURIのライブが始まる。
ボーカルのJohnny Franckが今夜も美声を轟かせている。
また、彼は、曲間や曲中に何度もMCを挟み、
絶えず観客を盛り上げては楽しませている。
フロアではサークルピットが起こり、僕もそれに興じる。
ユッコ・ミラーのサックスがフォーカスされるシーンも多い。
ボーカルや楽曲にマッチしているので、うっとりと聴き入ってしまう。
ドラムのタイトで力強い演奏は今夜も際立っていた。
楽曲はヘヴィ、それでいてキャッチーかつ聴き心地の良いヴォーカルなので、
今後日本でもじわじわと人気が出てくるのではないだろうか。

 

続いて登場してきたのはPOLYPHIA。
最初から音圧がすごく、内臓までが小刻みに震える。
どの楽曲も演奏が抜群で、昨日同様、食い入るように見入っていたのだが、
とりわけ「40oz」の生演奏は目を見張るものがあった。
弦を弾くTimの指先は目で追えないほどに速く動いていて、
それによって弾かれた音の粒のシャワーが全身に降り注いでくるから、
どうにもエモくて仕方がなく、僕は直立不動の姿勢をずっと解除できずにいた。
ただただ美しいギターの音色に身を任せ続ける。

 

 

「Champagne」では、今回もScottがMCでギター・リフを歌ってくれと訴え、
またライブ終盤では、観客にクラウド・サーフィングを要望し、
最後にはサークルを作れと指示し、ウォール・オブ・デスを誘発した。
それにしても全曲圧巻のパフォーマンス。
いつの日か絶対に単独ライブに行かなければならない。
ライブ後はそう強く誓ったのだった。

 

そして次に登場してきたのはELECTRIC CALLBOY。
暗転するなり場内は大歓声。
昨夜の素晴らしいライブを知っている観客はみな、期待に顔を輝かせている。
1曲目の「Tekkno Train」が始まると、すぐさまピットは大爆発。
激しいモッシュが起こり、周りでは各々がリズムに合わせて踊り始める。
ツーステップを踏む若者もいれば、ずっと飛び跳ね続けている女性もいる。

 

 

続く「MC Thunder Ⅱ 」ではサビで“Dancing Like a Ninja”と歌い、
「Spaceman」、そして「Everytime We Torch」カヴァーでも軽快に踊り続ける。
「Hypa Hypa」「MC Thunder」でフロアは究極のダンスフロアと化すも、
「Pump It」では、イントロ&アウトロで大勢が一斉に腕立て伏せを始めた。
もちろん僕も進んでそれに参加する。
そして「Mindreader」を挟み、最後は「We Got The Moves」でライブは終了。
これぞエレクトロニコア界随一、最高峰のパーティ・エンタメショーを披露した
彼らへ対する賞賛の拍手と歓声は、しばらくの間止むことはなかったのだった。

 

年甲斐もなくはしゃぎまわったものの、それほど疲れは感じなかった。
むしろ腕立て伏せをやったことで健康になった気さえする。
そして次はいよいよオーラス、BABYMETALの出番。
今日はメイトばかりいる超MOSH’SH PITなので、
間違いなく、続けてはしゃぎまわることになるだろう。
僕は首や足のストレッチをしながら、その時が来るの待ち続けた。
すべてを出し切る準備は疾うに出来ている。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. Distortion
03. PA PA YA!!
04. BxMxC
05. Brand New Day(with Tim Henson & Scott LePage)
06. メタり!!
07. メギツネ
08. RATATATA(with Kevin Ratajczak & Nico Sallach)
09. ギミチョコ!!
10. Road of Resistance

 

ライブの1発目は今宵も定番の「BABYMETAL DEATH」。
オープニング・ムービーが流れ、フロントの3人が中央ステージに姿を現すと、
すぐさま大きな歓声が沸き起こった。
統率の取れた“オイオイ”コールが沸き起こり、大勢がキツネサインを掲げている。
さすがは超MOSH’SH PITのチケットで終結しているメイトたち。
一緒くたになって盛り上げるスタイル、それこそTHE ONE。
最前ブロックはほとんど単独ライブと変わらない状況となっている。
“DEATH!DEATH”と一糸乱れぬ掛け声を発しながら揃ってジャンプを繰り返している。

 

モッシュは曲中に何度も発生。
僕も嬉々として体をぶつけあう。
間奏のギターソロでは、大勢が愉悦の声を発しながら勢いよく走り回った。
サークルピットの外にいる人たちと笑顔でハイタッチを交わす。
“DEATH! DEATH!”の合唱は最後になるほど大きくなっていった。
3人がポーズを決めて終了すると、あちこちから大きな歓声が沸き起こった。

 

1曲目からこの異様な盛り上がり。
メイトたちが集まるとこうも変わるのか。
外国人や若い人たちの多かった一般チケットのMOSH’SH PIT、
昨夜の第2ブロックのことをふと想起していると、
続けざまに「Distortion」が始まった。
開始早々、お約束といった具合にすぐに大きなサークルが形成される。
そして大勢が声を発しながら巨大なウォールオブデスを敢行。
その後はサークルピットへと移行し、誰もかれもが笑顔で駆け回った。

 

曲が始まるなり、僕は“ギバー! ギバー”と声を張る。
“To Distortion!”と、より大きく叫ぶ。
サークルピットで走り回りながら、“Wow Wow Wow Wow”と手を上げる。
SU-METALの渾身の歌唱が心地よく耳に響く。
間奏に入ると、クラップを求めながらSU-METALが言葉を発した。
すぐにメイトたちが大歓声で応える。
終盤になってもピットの勢いは衰えず、絶えず走り回っている状況だった。
怒号のような“Wow Wow Wow Wow”の掛け声は、最後まで場内に響き渡っている。

 

続いては「PA PA YA!!」。
イントロが始まった途端に大歓声。
気が付けばほとんどの人がタオルを回し始めている。
SU-METALが気合を入れるかのように初っ端から“ジャーンプ!”と煽る。
“パッパパパヤー!”のコールがとてつもなく大きい。
“騒げ!YO! PA PA YA BOYS” “踊れ!YO! PA PA YA GIRLS”と歌われ、
“Hey!”と叫びながら一斉にタオルを持った手を突き上げるメイトたち。
眼前では頻繁にモッシュが起こっている。

 

間奏のF.HEROのラップパートに入ると、
サークル内で数人、ハーコーモッシュをキメる人が出現。
パイロから勢いよく噴き出す炎の熱にうなされるように、
誰も彼もが狂ったように踊っている。
大きな掛け声や奇声は終始飛び交い続け、ピットは興奮の坩堝と化している。
やがて同曲は大盛り上がりのもと終了。
暗転するや、3人の名前を大声で叫ぶ声がひっきりなしに起こった。

 

勢いそのままにライブは「BxMxC」へと続く。
イントロが始まると、どよめきのような大歓声が上がった。
そしてすぐに始まる“B! M! C!”のコール。
大勢がハンドサインで“b! m! c!とアルファベットを作っている。
曲が始まると、メイトたちが一斉にリズムに合わせて体を動かし始めた。
各々が上下左右に気持ちよく体を揺らしている。
SU-METALがフロウをかます場面では何度も歓声が沸き、
ライトが明滅する中、ここでも激しいモッシュが発生。
終盤はド迫力の“B! M! C!”コールで締め、
大盛り上がりのもと同曲は終了した。

 

続いてはお待ちかねの「Brand New Day」。
スクリーンに映る大きな夕陽を背に3人が姿を表すと、
場内のあちこちから拍手が沸き起こった。
続いてPOLYPHIAのギタリスト、Tim HensonとScott LePageの2人が登場すると、
拍手はより大きくなり、彼らの名前を呼ぶ声も飛び交った。
そして彼らの演奏が始まると、場内は水を打ったように静まり返った。
多くの視線を集める中、SU-METALが渾身の歌唱を披露する。

 

 

ああ、なんて美しいのだろう――。
僕はすぐさま見入る。そして再確認する。
そうなのだ。
やはり僕はこのSU-METALの声に魅了されてメイトとなったのだ。
彼女の絶唱による倍音の響きは問答無用に涙腺を刺激し、
TimとScottが奏でるギターの音色がエモさに拍車をかけてくる。
一瞬たりとも見逃すまい、聴き逃すまいといった心境で、
僕は直立不動のまま神経を耳目に集中させる。
極上の「Brand New Day」に、得も言われぬ感動を味わった
曲が終わり、SU-METALがPOLYPHIAの2人に感謝を述べると場内は大歓声。
ステージを去っていくTimとScottには、リスペクトを込めた大きな拍手が贈られた。

 

続いては「メタり!!」。
大きな拍手が沸き起こる中、神バンドが各々ソロプレイを披露する。
3人が満面の笑みで現れると大きな歓声が沸いた。
“さいたまー! こっからもっと盛り上がれるよね~”
“そんなんじゃ全然足りないよ!”“Raise your hands!”
SU-METALが煽ると、観客は大きな歓声で応えた。
そして曲が始まると、フロアは一気に熱を帯びた。
大勢がリズムを取り始め、一斉に手を挙げる。
まるで音のない波のように、大量の腕が揺れている。
ところどころで、SU-METALの“シンギン!”に呼応し、
メイトたちは大声で“どっこいしょ!”“わっしょい”と声を張った。

 

間奏に入ると、MOMOMETAL一人だけが一段高いステージに残り、
SU-METAとMOAMETALは舞台を降りるとステージの最前列まで移動した。
“Everybody get low”
そしてSU-METALの指示に従い、観客は一斉にしゃがみ込んだ。
SU-METAとMOAMETALもステージ中央で並んでしゃがむと、
笑みを零しながら一緒に首を振ってリズムをとったり、
背後の一段高いところにいるMOMOMETALと笑顔でアイコンタクトをとったりした。
ややあって、MOMOMETALが見得を切るシーンが始まる。
“メタり!”のあとに“岡崎屋ー!”の掛け声が飛ぶ。
“Are you ready?”の後は全員が一斉にジャンプし、フロアは瞬く間に大熱狂。
全員が一緒になって大騒ぎをして、同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

続いて「メギツネ」が始まると、場内ではすぐに“オイオイ”コールが発生。
その掛け声に合わせ、ピットでは大勢がバイキングモッシュに興じている。
曲が始まると、フロアはあっという間にお祭り会場と化した。
大勢が嬉々としてジャンプし、“ソレッ!”“ソレッ!”と大声で叫んでいる。
安定した演奏をバックに、SU-METALが情感たっぷりに歌う。
MOAMETALとMOMMETALが華麗でシンメトリーなダンスを披露する。
僕は気持ちよくヘドバンしながら彼女たちのステージングを堪能する。
楽しくて仕方がないから自然と笑みは零れっぱなしだ。

 

間奏に入ると大きなクラップが発生。
“さいたまー!Everybody jump up!”
SU-METALが煽ると観客は歓声で応えた。
“I can’t hear you”
MOAMETALがさらに煽ると、歓声はより大きくなった。
その後はカウントを合図に、大勢が一斉にジャンプを繰り返した。
“ソレッ!ソレッ!ソレッ!ソレッ!”の大合唱が場内に響き渡る。
僕はずっとヘドバンを続けながら、最後までSU-METALの渾身の歌唱を味わう。
誰もが笑顔で跳ね回り、フロアは狂喜乱舞といった有様だ。
フロア全体を熱狂の渦に巻き込んで、やがて同曲は終了した。

 

続いて披露されたの「RATATATA」。
イントロが流れてくると大きな歓声が沸き、大勢が一斉に拍手を始めた。
何人かは手を叩きながら“Fu Fu”と声を上げている。
少しの間をおいて、一段高いステージにBABYMETALの3人が登場。
続いてELECTRIC CALLBOYのKevin RatajczakとNico Sallachが姿を現した。
そして5人は階段を下りてステージの最前列へ進み、
お立ち台の上に立つと、親指で横を指しながら首を振ってリズムをとった。
同じシーンで、昨日は時折笑みを見せていたBABYMETALの3人は、
ビシッと決めてパフォーマンスの完成度を高めようと事前に話し合ったのか、
今日は終始真顔で首を振り続けている。

 

 

曲が始まると、フロアはすぐさま狂乱状態に。
大勢が堰を切ったようにノリノリになって踊り始めた。
“Ra ta ta ta ta ta!”の箇所は今宵も大合唱。
僕も大声で何度も叫ぶ。
それから“Bun Bun Bun”と一緒になって歌い、
笑顔で“Fu!Fu!”と声を上げる。
その後も“アゲ!”と声を張り、
再び“Ra ta ta ta ta ta!”と絶叫した。

 

楽しくて楽しくて仕方がない時間が続く。
観客のノリが良いので胸がすく思いなのだろう、
演者も晴れやかな笑顔で楽し気にパフォーマンスしている。
3度目のサビに入ると、SU-METALが“Everybody jump!”と煽った。
大勢が一斉にジャンプしながら“Bun Bun Bun”と声を張る。
終盤になってもフロアの熱狂はまったく冷めることはない。
最後は5人のダンスに合わせ、観客も手を頭上で左右に振った。
大盛況のもと曲が終わり、SU-METALがKevinとNicoに感謝を述べると、
場内には大きな拍手が鳴り響いた。
そんな中、フロントの5人は最後、輪になって肩を組むと、
喜びを表すようにジャンプしながら小さく回ったのだった。

 

やんややんやの大歓声が沸き起こる中、続けざまに「ギミチョコ!!」が始まる。
するとすぐにモッシュが起こり、ピットは再び活況を呈した。
誰も彼もがリズムに乗って頭を振り回し踊っている。
中にはフリコピをする人もいて、
楽し気な“ズキュン!”“ドキュン!”の声が飛び交った。
間奏に入ると大きなクラップ音が場内に鳴り響いた
“みんなー!FOX_FESTに来てくれてありがとうー!”
SU-METALのMCに対し、観客が大きな歓声を贈る。
拍手が沸き起こる中大サビでクライマックスを迎えると、ピットは再び大爆発。
激しいモッシュが起こり、大きなサークルピットが形成された。
最後はSU-METALが“3!2!1!”とカウントしてから同曲が終了すると、
場内のあちこちから大きな拍手と歓声が沸き起こった。

 

暗転すると、すぐに“BABYMETAL”コールが起こった。
少ししてから、最後の「Road of Resistance」が始まった。
ピットには自然発生的に巨大なサークルが作られ、その中で、
何名かがBABYMETALのフラッグやタオルを掲げている。
曲が始まると、メイトたちが一斉に“オーオーオーオー”と声を張った。
そしてその後はお決まりのウォール・オブ・デスが起こる。
大勢が愉悦の声を上げながらそれに参加し、笑顔で体をぶつけあう。
僕も皆と一緒になって騒ぎ、サークルピットの渦に身を任せた。
円の外にいる人たちと笑顔でハイタッチを交わし続けた。

 

 

SU-METALが渾身の歌唱を披露する。
地を這うようなドラムのブラストビートが体中を震わせる。
僕は拳を振り上げながら“Is the time!”と大声で叫び、
歯を食いしばりながら激しく首を振った。
間奏に入ると再び駆け回り、サークルの真ん中でエアギターをかます。
最高に気持ちの良い瞬間だった。
続くシンガロングは今宵も圧巻、SU-METALの“シンギン!”のあと、
大勢による“ウォーウォーウォーウォ”の大合唱が場内に響いた。
曲が再開すれば再びサークルピットで走り回る。
SU-METALの力強い歌唱が続き、やがてクライマックスを迎え、
大勢がキツネサインを掲げる中、同曲は大盛り上がりのもと終了。
その後は恒例の“We are?”“ BABYMETAL!”コールで締めた。
そして昨夜と同じく、最後にSU-METALがフェスの出演者、
それから、今日集まってくれた観客に感謝の言葉を述べた。
“みなさんのおかげで最高の2日間になりました!”
“もし、第2号が開催されることがありましたら、その時またお会いしましょう~!”
そう言って手を振ると、場内は割れんばかりの拍手で包まれた。
こうして、BABYMETALが開催したFOX_FESTの2DAYSは、
大いに盛り上がって幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

4.

 

熱い吐息を零しながら場外に出る。
人気のないところへ移動し、Tシャツを着替える。
ずっとモッシュしたり踊ったりしていたので、Tシャツは汗だくだった。
すっきりした気分で最寄駅へ向かいながら、今日1日を振り返った。

 

昨夜は一般チケットで第2ブロックでの参加だったが、
メイト以外のファン層、特に外国人を含むELECTRIC CALLBOYのファンが多く、
また彼らのライブ中は、そのファンが熱狂的に騒いだので大いに盛り上がった。
また、僕自身、初見で度肝を抜かれたというのもあって、
昨夜のハイライトは文句なしにELECTRIC CALLBOYのライブだった。
もちろんBABYMETALのライブも素晴らしくて心底楽しんだし、
それ以外のアクト、バンドのライブも満喫した。
ただ一番インパクトがあったのは、やはりELECTRIC CALLBOYのライブだった。

 

しかしながら、今日はBABYMETALのライブが一番だった。
それはやはり、大勢のメイトが同じブロックにいたからだろう。
最初から最後まで、モッシュしたりサークルピットで走り回ったりと、
まさに単独ライブと変わらない盛り上がり方だった。
それになんといっても、コラボ曲の2曲を間近で堪能したことも大きい。。
昨日と違ってステージから近かったので、興奮度も満足度も昨夜より断然上だった。
「Brand New Day」では、ショー全体の美しさに何度も幸福の吐息を零し、
「RATATATA」では、5人のパフォーマンスに何度も快活な叫び声を上げた。
昨日はスクリーンでの観覧が中心だったが、
今日は肉眼で3人のパフォーマンスをじっくり見れたことも、
彼女たちを今日一番に推す一因となっている。

 

音響に関していえば、昨日に比べると随分と良かった。
それは単純に距離によるのかもしれないが、
巨大なラインアレイスピーカーからの音圧は相当なものだった。
楽器やボーカルのバランスもよく、とくに不満に思うことはなかったが、
唯一上げるとすれば、BILMURIのライブでのユッコ・ミラーのサックスの音色が、
他の楽器の演奏が激しい時には、あまり聞こえなかったということくらい。
ドラムがかなり迫力があったので、仕方がないことなのだろう。

 

また、どのアーティストのライブでも、演出面は良かったように思う。
スクリーンをうまく使って楽曲の世界観を表し、
パイロの炎やカラフルなレーザー光線がそれぞれの楽曲に彩を添えた。
ドローンで撮影した映像がリアルタイムでスクリーンに映し出されるのもよかった。
特にPOLYPHIAのライブでは、食い入るように見入る場面があった。
テクニカルな速弾きをするTim Hensonの手元をフォーカスしながら
ぐるりと回っていくドローンの映像は、筆舌に尽くし難い感動を覚えた。

 

 

 

 

思い返せば、Bring Me the Horizonが主催した昨年のNEX FESTは、
4日間ともすべてが楽しくて過去最高レベルのフェス体験だったけど、
今回のFOX FESTの2日間も、同じくらい最高の体験だった。
両方とも、初めて観るバンドのライブもあったのに、それでも満足できたのは、
主催者が素晴らしいアーティストを厳選して呼び寄せてくれたから、なのだろう。
海外で人気があっても、日本ではそれほど知名度は高くない。
そんなアーティストは世界にごまんといるだろうから、
最後にSU-METALが言ったように、もし2回目のFOX FESTが開催されるのであれば、
そういった目新しいアーティストを何組か、是非ともまた呼び寄せてほしい。
今回のフェスの開催に際しては、きっと不安もあっただろうけど、
2日間とも盛り上がって自信がついただろうから、今後も継続開催してほしい。
そんなことを心から願いながら、帰りに電車に揺られ続けた。
ぼんやりと視線を向けた車窓に映る僕の顔は、
幸せを噛み締めるように口元に笑みを湛えていた。

 

 

 

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2 件のコメント

  • 私は、アベンジャーズ体制になってから沼落ちした58歳です。そうそう!と頷きながら記事を拝読させていただきました。
    いやっーエレコのインパクトは凄まじかったです。
    再来日したら見に行きたいです。
    今回のフェスは、いつもより若い方が多く感じられました、NEXFESからの流れかと思います。
    いい相乗効果ですね。
    では、またどこかで。See You.

  • >匿名さん
    コメントありがとうございます。
    エレクトリック・コールボーイのインパクトはすごかったですね。
    久しぶりに心底楽しめたライブでした。
    一般モッシュチケットは若い方が多く、超モッシュでも若い方は散見されましたね~

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