BABYMETAL WORLD TOUR 2023 – 2024 TOUR FINAL IN JAPAN LEGEND – 43 沖縄公演初日 ライブレポート

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1.

MOMOMETALの記念すべき誕生日を祝う「LEGEND – MM」公演から3週間後。
僕は一人、飛行機で沖縄へ向かう。
以前に沖縄へ訪れたのは約20年前。
そのときは友人の結婚式に出席するためだったが、
今回はBABYMETALのライブを観るために行くことに。
3週間前に2日間、横浜アリーナで彼女たちのライブは堪能したばかりだが、
こういう機会でないと、なかなか沖縄へ行くことはないだろうと鑑み、
久方ぶりの沖縄行きを決めたのだった。

 

都内では雪予報も出ていたが、現地の気温は日中25度にもなるとのこと。
だから厚着をして沖縄へ向かうわけにはいかず、
フーディを羽織っただけの恰好で寒さに震えながら羽田へ向かった。
15分遅れで飛び立った便は、午後14時頃に那覇空港へ到着。
その後はゆいレールで那覇市内へ移動し、宿泊先のホテルへ。
チェックイン後はすぐに身支度を整え、会場へはタクシーで向かった。

 

 

 

 

16時頃に、沖縄コンベンションセンター展示棟へ到着。
並ぶことなく物販に立ち寄り、記念にTシャツだけを購入。
周囲には、黒いTシャツを着たメイトたちが大勢たむろしている。
年齢層はというと、相変わらず中年男性が多いものの、
若い女性や子供の姿も散見された。
外国人ニキ&ネキの姿もそれなりに目につく。
僕の網膜はカップルは認識しない仕様なので、残念ながらそれらの数はわからない。

 

 

 

果たして開場時刻となり入場。
今日は超ではなく、一般のモッシュピット。
指定されたブロックはE。フロアの左後方だった。
整理番号は30番台だったが、たまたま左端の柵が取れた。
5,000人ほどのキャパなので、ステージまでそこまで遠いというわけではない。
ステージの両サイドには大きなシーサーの姿があり、
反対側の真ん中後方には、立体的なシーサーが舞台装置として設置されている。

 

 

 

客入れBGMでBad OmensやBloodywood、A7Xなどの曲が流れている。
そして定刻を迎え、ELECTRIC CALLBOYの「We Got the Moves」のリズムに合わせて
大きな手拍子が鳴り響いている最中に、不意に客電が落ちると、
会場全体で怒号のような歓声が沸き起こった。
さあ、今宵はいったいどんなステージングでメイトたちを楽しませてくれるのか。
大がかりな演出が施されるLEGEND公演にハズレなし。
僕は興奮を抑えつつ、刮目してステージを凝視し続けた。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. Distortion
03. PA PA YA!!
04. Shanti Shanti Shanti
05. MAYA
06. BxMxC
07. Brand New Day
08. Monochrome
09. メギツネ
10. ギミチョコ!!
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!
13. メタり!!
14. Road of Resistance

 

ライブ1発目の曲は定番の「BABYMETAL DEATH」。
フロア後方のシーサーが赤く光り輝き、
ほどなくして杖を持ったBABYMETALの3人が登場。
刹那、場内のあちこちで指笛が鳴り、大きな歓声が沸き起こる。
3人は杖を持ったまま花道を練り歩き、そのままメインステージへ。
そして出迎えた別の3人に杖を渡した。
そこまでずっと怒涛の6連符がループされていたが、
フロントの3人が定位置につくとやがて曲はスタート。
花火を合図に、沖縄での初のショーが始まった。

 

刹那、視界全体をキツネサインが覆う。
大勢が“B!”“A!”“B!”“Y!”とコールしている。
前のブロックでは序盤からモッシュが起こっている。
左上のスタンドの観客は総立ちで“DEATH! DEATH”と声を張っている。
赤いレーザー光線がダークな楽曲の世界観を彩っている。
ステージ背後のスクリーンに映る3人には笑顔が溢れている。
ヘヴィな楽曲に、僕は堪らずに何度も首を激しく振った。
曲が終わるとあちこちで3人の名前を呼ぶ声が飛び交った。

 

続く曲は「Distortion」。
神バンドがイントロをループさせる中、少ししてからステージに3人が登場。
ヘヴィな楽曲なので自然と頭が揺れる。
曲が始まるなり“ギバッーギバッー!”と声を張る。
SU-MEYALの力強い歌唱が場内に響き渡る。
ドラムのブラストビートが五臓六腑を刺激する。
間奏でSU-METALが“はいさーい、沖縄!”と叫ぶと大歓声が沸き起こった。
パイロから噴き出る炎に煽られ、場内は興奮の坩堝と化している。

 

続いては「PA PA YA!!」。
イントロが始まるなり、そこらへんでタオルがぐるぐると回る。
メイトたちによる“パッパパパヤー!”のコールが大きい。
パイロからは今度は火柱が勢いよく立ち上っている。
3人はずっと満面の笑みで楽しそうに踊っている。
SU-METALの力強い歌唱に乗せられ、場内はまさにお祭りムード。
終盤で彼女が“JUMP! JUMP!”と煽るとフロアはさらに爆発。
大勢が終始踊りまくって、やがて同曲は終了した。

 

ライブはその後「Shanti Shanti Shanti」へ。
イントロが始まると大きな歓声が沸いた。
SU-METALが艶のある歌唱でメイトたちを魅了する。
3人のダンスルーティンは目を見張るばかり。
ビジョンに映し出されるカラフルな映像が楽曲の世界観を彩る。
時々そこに映る3人の表情はみなそぞれぞれ輝いている。
縦ノリのリズムに合わせて僕は何度も飛び跳ねる。
やがて曲が終了すると、大きな歓声が沸き起こった。

 

続いて披露されたのは「MAYA」。
大きな手拍子が沸き起こった後に曲が始まると、
僕は気持ちよく折り畳みヘドバンを繰り出す。
このヘヴィなイントロが堪らない。
SU-METALの伸びのある歌声が場内に響き渡っている。
3人の息の合った美しいダンスは大勢を魅了している。
白いレーザー光線の演出が楽曲を神秘的に彩っている。
僕はリズムに合わせて最後も折り畳みヘドバンを繰り返した。
脳内に快楽物質が溢れ出ているのを自覚しながら。

 

続く曲は「BxMxC」。
イントロが始まるなり、どよめきのような歓声が起こり、
すぐさま大勢がリズムにノッて体を揺らし始める。
僕は手を挙げて“b”“m”“c”のハンドサインを繰り返す。
視界に映る全員が、楽し気に体を揺らしたり手を挙げたりしている。
中盤、SU-METALがフロウをかますと場内が大いに沸いた。
終盤は怒涛の“B! M! C!”コールの大合唱。
怒号のような大声が場内を揺すっている。
やがて曲が終わると、大きな歓声や拍手が沸き起こった。

 

続いて「Brand New Day」のイントロが流れてくると、大勢がステージを注視した。
それに応えるように、SU-METALが渾身の歌唱で観客を魅了する。
バックの映像にシンクロするように、3人が美しいダンスルーティンを披露。
息を呑むようなうっとりする時間が続く。
ツインギターの音色がまた堪らなく良い。
この演奏と映像とダンスと歌唱による総合芸術のなんと素晴らしいことよ。
僕は感嘆し、このままずっと聴き続けていたい衝動に駆られた。
この演目はいつだって大きな感動をもたらしてくれる。

 

次の曲は「Monochrome」。
ヘヴィなイントロに頭を振りつつ、続けて僕は同曲にものめり込む。
SU-METALが感情をこめてしっとりと力強く唄う。
MOAMETALとMOMOMETALによるシメントリーなダンスに大勢の目が釘付けになっている。
間奏に入ると、SU-METALが“スマホのライトを点けて”と観客に訴えた。
場内は次第に白点の数が増えていき、あっという間に幻想的な世界に。
SU-METALの渾身の歌唱の後を、“オッオッオッー”の大合唱が続いてゆく。
曲が終わると、場内は大きな拍手と歓声に包まれた。

 

エモーショナルな時間の後に続く曲は「メギツネ」だ。
大きな歓声が沸き、まるで炉に火が入ったように場内は一気に熱を帯びた。
“ソレッ!”“ソレッ!”の掛け声とともに大量の腕が揺れる。
SU-METALが声を張って渾身の歌唱を披露する。
間奏に入ると、恒例の“メギツネジャンプ”へ。
SU-METALがお面片手に嬉々として観客に“ジャンプして”と訴える。
その後は至る所で掛け声とともに連続ジャンプが発生。
会場が一つになって、やがて同曲は終了した。

 

続いて披露されたのは代表曲「ギミチョコ!!」。
人気曲なだけあって、曲が始まるなり場内は大盛り上がり。
大勢がリズムにノッて大騒ぎしている。
特に背後にいる外国人グループがはっちゃけている。
僕は終始、気持ちよく頭を揺らし続けた。
早いテンポのリズムが心底心地良い。
サビにかけてのクラップ音はバカでかかった
やがて同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

続く曲は「KARATE」。
3人が両手を伸ばし、奇麗に揃ったポーズを決める。
曲が始まると、SU-METALが力強い歌唱を披露。
戦う姿勢を表現したダンスはいつ見てもグッとくる。
間奏に入ると、前のブロックの数人のメイトがピットに倒れ込んだ。
ただ僕のいるEブロックは、この曲でも倒れる人はいないどころか、
ここまでほとんどモッシュすら起こっていなかった。
どうも外国人や若者が多いので、
率先して指揮を執る人がいないことが原因のようだ。
それでも誰もが大声で歓声を上げ、ライブは心底楽しんでいるようだった。
そしてSU-METALの“エブリバディジャンプ!”の煽りに呼応し、
大勢が拳を突き上げたまま何度も飛び跳ねた。
SU-METALの渾身のロングトーンが場内に響き渡る。
僕は彼女に倣い右手を高々と上げ、同曲を心ゆくまで堪能した。

 

続いて披露された曲は「ヘドバンギャー!!」。
不穏な鐘の音と稲妻音が轟くと観客たちが歓喜の声を上げた。
やがてSU-METALが凛とした表情で歌い始める。
脚のないマイクスタンドをクールに振りかざすのはお手のものだ。
MOAMETALとMOMOMETALの“ヘドバン!ヘドバン!”コールが可愛らしい。
大勢が“こいやー!”と叫び、“ヴォイ!”と拳を突き上げている。
間奏に入ると、フロントの3人が花道を歩きながら土下座ヘドバンを促した。
メイトたちは喜んでそれに興じ、場内は異様な盛り上がりをみせている。

 

曲が終わり暗転すると、すぐさま“BABYMETAL”コールが発生。
数分後に披露された次の曲は「メタり!!」。
しかしそれは通常のバージョンではなく琉球ヴァージョン。
スクリーンには、新たな創造神であるキツネの化身“シーサー”がいるここ琉球で
それは起こるみたいな文字が流れ、何度も“ちむどんどん”が表示された。
やがて三線交じりの沖縄仕様にアレンジされたイントロが流れてくると、
沖縄の民族衣装を着て太鼓を持った人たちが大勢ステージに現れた。
人数は12人ほど。彼らの間にフロントの3人が姿を現すと歓声が沸いた。
SU-METALが“はいさーい、沖縄ー!”と叫ぶとその歓声はさらに大きくなった。

 

続いてSU-METALが“raise your hands!”と観客に訴える。
大勢が手を大きく上下に振る中、太鼓エイサーを従えてライブはスタート。
楽曲自体もアレンジが沖縄仕様だった。
ところどころに“イーヤーサーサー”の声も聞こえる。
“どっこいしょ!”“わっしょい”と叫ぶように声を張るメイトたち。
うごめくようにして揺れている大量の腕が視界を覆っている。
MOMOMETALが見得を切るシーンでは、全員が一度座ってから一斉にジャンプ。
場内には熱気が充満し、同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

大きな手拍子が沸き起こった後、
最後に披露されたのはアンセム「Road of Resistance」。
ここまでおとなしかったEブロックでもウォール・オブ・デスは起こり、
それはそのままサークルモッシュに続いていった。
僕はずっと柵の場所にとどまり、最後までステージを凝視する。
3人のパフォーマンスに目はくぎ付けだが、
ドラムのブラストビートが炸裂すると否応なく大きく頭を振った。
楽曲に酔いながら“DIE!”“Is the time!”と大声で叫んだ。
途中のシンガロングのシーンは今宵も圧巻。
“ウォーウォーウォーウォ”の大合唱が場内に響いている。
そしてクライマックスを迎え、やがて同曲は終了。
最後は恒例の“We are?”“ BABYMETAL!”コールでメイトと意思疎通を図り、
BABYMETAL初の沖縄公演は大盛り上がりのもと幕を閉じた。
明かりが点くと、周囲にいるメイトたちはみな満足げな笑顔を見せていた。

 

 

 

 

3.

熱気に包まれた場内を後にし、ホールの外に出る。
混雑を避けるため、宜野湾バイパスを歩いて進み、
ラウンドワン宜野湾店あたりでタクシーを手配しようとするもなかなか捕まらず、
約45分ほどが経ってからようやくタクシーに乗車。
那覇市内のホテルへ向かう最中、今夜のライブを振り返った。

 

音響に関してだが、建物の構造のせいなのかキャパのせいなのかはわからないが、
巨大な2つのアレイスピーカーから放たれる音はまずまずだった。
バランスはそこそこで、演奏もヴォーカルもある程度はクリアに聞こえた。
音圧もそれなりにあり、程よく堪能することができた。

 

続いてライブの内容だが、メタりのエイサーバージョンもあり、
随分と楽しむことができた。
SU-METALの歌唱も素晴らしく、余裕で会場を支配していた。
それから、フロントの3人の表情には、
沖縄でライブを行うことができる喜びが滲み出ていた。
それは最初から最後まで感じ取ることができたから、
これほどまでに一体感を伴った素晴らしいライブになったのだろう。
観客は絶えず歓声を送り、各々好きなようにライブを楽しんでいた。

 

今日は久しぶりにずっと同じ場所で観覧したが、
我を忘れて終始のめり込んでいた。
そして、BABYMETALのショーのクオリティの高さを改めて再認識した。
僕はほとんど放心状態で、彼女たちの完成度の高いパフォーマンスにうっとりした。
そのような至極の時間を、明日また再び体験することができる。
そう思うと、どうにも顔がほころんでしまい、
僕は車内で人知れず抑えがたい幸福の吐息を吐いた。
今からもう、明日のライブが楽しみで仕方がない。

 

 

 

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