BABYMETAL METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN SSA公演 初日 ライブレポート

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1.

埼玉と大阪で計4公演開催されるBABYMETALのワールド・ツアー日本公演に
BRING ME THE HORIZONが出演するというアナウンスがあったのは9月3日のこと。
しかし、8月の東京・新木場STUDIO COASTにて行われた単独ライブの終盤に、
ヴォーカルのオリヴァー・サイクスが11月にまた日本に戻ってくると発言したから、
その時点でかなりの確率で、BABYMETALと一緒にライブを行うのだと踏んだ。

 

だから新木場のライブレポートは、通常のライブ・レポートではなく、
BRING ME THE HORIZONの楽曲およびコール&合唱する箇所の紹介に終始した。
理由はもちろん、メイトの方に少しでも覚えてもらって、ライブを盛り上げてもらうため。
ゲスト・アクトが満足すれば、主催側のBABYMETALもより満足するはずである。
もっとも、自分用のおさらいといった側面もあったのだけれど。

 

 

 

そんな風に万全な準備を整え、ライブ当日を迎える。
逸る気持ちを抑えながら、いざ、さいたまスーパーアリーナへ向かう。
大好きな2つのバンドのライブを同時に観れると考えるだけで幸せな気持ちになる。
昼過ぎに会場に着くと、少し逡巡したのち、物販列へ。
翌週の大阪城ホールでのライブが超モッシュピットなので、
そのときであればグッズばスムーズに買えるのだが、
遠征の荷物は増やしたくないし、なにより初日に物販は終えたい。
そういった心理が働き、会場をぐるりと一周以上進んでいる物販列に並んだ。

 

 

 

その後2時間ほどが経ってから、ようやく物販テントへ。
Tシャツやタオルを購入する。
そのままBRING ME THE HORIZONの物販を覗いてみたものの、
お目当てのロングTシャツとパーカーは既にソールドアウト。
取り急ぎTシャツだけを購入した。
他のグッズは別の日に買おうと意に決める。

 

 

 

小腹が空いたので周囲を散策。
けやきひろばではちょうど「郷土そばフェスタ」が開催中だった。
鴨南蛮そばを注文し、椅子に腰かけて食す。
食べながらあたりを見渡すと、お祭り前特有の陽気なざわつきを感じた。
ここに来るといつも思うが、ライブ前の会場付近の雰囲気は最高だ。

 

 

 

やがて開場時刻となり入場。
多くの祝花が出迎えてくれる。
今日も明日も久々のスタンド観戦なので、じっくりとステージを鑑賞しよう。
そう思いながらホールに入ると、席はあいにくバックスタンドだった。
ステージは正面なので見やすいが、それにしてもあまりにも遠い。

 

 

 

それでも存分にライブを楽しもうと気持ちを切り替える。
周囲を窺うと夫婦や親子連れ、女性客の姿が幾分目についた。
やはりスタンディングエリアとスタンドではだいぶ客層が異なっている。
SEで流れていたのはドリーム・シアター、メタリカ、アイアン・メイデンなど。
人知れず頭を小さく振っていると、やがて開演時刻となった。
そしてついに、BRING ME THE HORIZONのメンバーがステージに登場。
席を立って声を上げたい衝動に駆られたが、周囲で席を立っているのはほんの数人。
この状況で立つと、後ろの人に間違いなく迷惑をかけることになるだろう。
だから僕は着席したままでステージ上を凝視した。
胸が躍るとはまさにこのこと。心臓は早鐘を打ち始めている。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. Ludens
02. MANTRA
03. Wonderful Life
04. Shadow Moses
05. Happy Song
06. Can You Feel My Heart
07. Medicine
08. Drown
09. Throne

 

ライブは新曲の「Ludens」でスタート。
プレイステーション4用のゲーム・ソフト「デス・ストランディング」のための
アルバム『デス・ストランディング:タイムフォール』に提供されている、
ルーツでもあるメタルコアの要素も取り入れた、攻撃的且つメロディックな楽曲だ。
僕はヘドバンしながら口ずさむ。次第に体の動きが大きくなっていく。
その後もヘヴィなブレイク・ダウン、キャッチーなサビを堪能。
大声で気持ちよく“A new Luden,new Luden,year”と連呼する。

 

続く曲はニュー・アルバム『アモ』のリード曲「MANTRA」。
バンド・インすると同時にステージ両脇に陣取ったパフォーマーが白煙を噴射。
後方からの視界だから断定はできないが、場内は次第に熱気を帯びているようだった。
続いて「Wonderful Life」が始まると、僕は大声でサビを合唱。
幸い、両横に座っている方もBRING ME THE HORIZONのファンだったので、
気兼ねすることなく大声で合唱することができた。

 

続く曲はC&R必須のライブ定番曲「Shadow Moses」。
イントロが始まると心なしか場内がざわついたように感じた。
ここでも大声で“We’re going nowhere”と連呼する。
続けて“This is sempiternal”と叫ぶと脳幹が痺れる感覚を抱いた。
最高に気持ちがよい瞬間だ。

 

その後ライブは「Happy Song」「Can You Feel My Heart」と続いたが、
前者はほぼ全曲を歌い、後者では座ったまま上体を大きく揺らした。
なんとか立てないものかと周囲をちらちら窺うも、観客は最初から座ったままの状態。
今回は仕方がない、立つのは諦めようとここで完全に断念する。
シートでの観戦態度はその時の場所・状況によるので、こればかりは致し方がない。

 

続いて披露されたのは、ソニー「Xperia 5」のCMソング「Medicine」。
ふだんのライブより後方に配置されたのは、日本での知名度を考慮したからだろう。
僕はリズムに乗ってほぼ全曲を気持ちよく歌う。
そして最後は「Drown」「Throne」というキラー・チューン2曲を投下。
座った状態なので一切ジャンプはできなかったものの、
僕は何度も腕を上げながら大声で合唱した。
そうして楽しみにしていたBRING ME THE HORIZONのライブは幕を閉じた。

 

ステージが遠かったとはいえ、大声で歌えたので個人的には大満足のライブだった。
アリーナもそれなりに盛り上がっていたようで、人の頭がうごめく様子が見て取れた。
両サイドのスタンドは、盛り上がり方にばらつきはあるのだろうが、
バックスタンドに比べると立っている人の比率は高かったので、
間違いなく僕がいた場所よりも熱気が溢れていたことだろう。
明日もシート席だが、次はサイドのスタンドがいいなぁと願いながら、
大声で歌いすぎてカラカラになった喉をドリンクで潤した。

 

場内には、BRING ME THE HORIZONによるライブの熱気が未だ残っている。
彼らはライブ・バンドとしての実力を遺憾なく発揮し、日本の観客を存分に盛り上げた。
とりわけヴォーカルのオリヴァー・サイクスは幾度となく“BABYMETAL”の名を
大声でシャウトし、その都度、観客も大歓声で応えた。
こうして随分と場内の空気が温まっている状況の中、
待ちに待ったBABYMETALの凱旋ライブが幕を切って落とされた。
客電が落ちると周りに倣い、僕はすくっと立ち上がる。
怒号のように‟BABYMETAL”と叫ぶ声があちこちで響いている。

 

 

 

 

3.

セットリスト

01. FUTURE METAL
02. DA DA DANCE(feat. Tak Matsumoto)
03. ギミチョコ!!
04. Elevator Girl
05. Shanti Shanti Shanti
06. Starlight
07. Kagerou
08. Distortion(feat. Alissa White-Gluz)
09. メギツネ
10. PA PA YA!!(feat. F.HERO)
11. KARATE
12. Road of Resistance
EN
13. Shine
14. Arkadia

 

ライヴは3rdアルバム『METAL GALAXY』の冒頭曲「FUTURE METAL」でスタート。
ステージ背後に設置された高画質LEDワイドスクリーンに鮮やかな映像が映し出されると
観客はたちまち非日常の世界へと誘われた。
SU-METALとMOAMETAL、それとBABYMETALのロゴが精密に描画されると、
どよめきのような歓声があちこちで沸き起こった。
その後にBABYMETALが姿を現わすと場内のボルテージは一気に加速。
若い女性のものと思われる、悲鳴に似た歓声もちらほら聞こえた。

 

熱量がぐんぐん上昇する中、新曲の「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」が
披露されるとさらなる歓声が沸いた。
ユーロビート調の軽快なリズムに乗せて歌うSU-METAL。
躍動するMOAMETALとサポート・ダンサーの岡崎百々子。
トライアングルの形をした稼働式のセンターステージでパフォーマンスする3人と
スクリーンに映るカラフルな映像がシンクロし、場内は早くも興奮の坩堝と化している。

 

続く「ギミチョコ!!」の間奏で、SU-METALが手拍子を促しながら
“さいたまー!”と叫ぶと場内の熱気はさらにヒートアップ。
モッシュがあちこちで起こり、また、背後のスクリーンに映る、
まるでダンスの連続写真のような映像も大変見応えがあった。
その演出効果は次曲の「Elevator Girl」でも続き、
3人がまさにエレベーターで上下するようなエフェクトがかかった映像は、
アップ・テンポでノリの良い、“大人可愛い”ダンス・ルーティンをより華やかなものとしている。

 

その後の「Shanti Shanti Shanti」での映像もこれまた美しく、
インドをイメージしたと思われる幾何学模様の鮮明な映像美は、
指先の動きまでが美しいダンスを基調としたステージングを鮮やかに彩っている。
幾つも伸びるレーザー光線の演出から始まる「Starlight」も見惚れるほどのクオリティ。
圧倒的なSU-METALの歌唱と美しいコーラスワーク、
それと対比するヘヴィなジェント・ギター・サウンドが織りなす極上な世界観。
視線は終始、ステージに釘付けの状態。多くの観客の耳目を集めている。

 

MOAMETALと岡崎百々子の艶やかなウォーキングから始まる「Kagerou」では、
ブルージーなギター・サウンドに乗せてSU-METALが大人びた歌唱を披露。
リズムに乗った3人の凛々しくも躍動するダンスは一見の価値あり。
また、炎がゆらゆらと揺れるパイロ、煙がゆらゆらと揺れるスクリーンのエフェクトと
いった演出面は、同楽曲をさらにエモーショナルに彩っていた。

 

続く「Distortion(feat. Alissa White-Gluz)」では冒頭でWall of Deathが発生。
僕は大声でデスヴォイスの部分を叫ぶ。
怒涛のブラストビートに酔いしれ、観客はどんどんライヴにのめり込んでいった。
続けざまに代表曲「メギツネ」が披露されるとフロアはさらに大爆発。
無数の腕が、まるで強風に煽られる稲穂のように激しく上下している。
間奏でSU-METALが“さいたまー!”と煽り、ジャンプの用意はいい? と促すと、
観客は大声で即座に反応。刹那、大勢が嬉々としてジャンプを繰り返した。

 

場内の興奮が冷めやらないうちに「PA PA YA!!(feat. F.HERO)」が始まると、
フロアの観客もスタンドの観客も“待ってました”とばかりにさらに熱狂。
大勢が終始タオルを振り回し、会場全体はまさにお祭りといった様相を呈している。
ホール内の熱量はその後も持続し、「KARATE」でもフロアでは引き続きモッシュが発生。
グルーヴを感じながら笑顔で体をぶつけ合っている。
SU-METALがMOAMETALと岡崎百々子を助け起こす間奏のシーンでは
あちこちで歓声が起こり、直後のサビでは自発的に大きくジャンプをする者が続出。
最後のSU-METALの渾身のロングトーンは、
アリーナの屋根を突き破っていくかのような凄みがあった。

 

そして本編の最後を飾った「Road of Resistance」では、
冒頭に巨大なWall of Deathが複数起こり、その後はサークル・モッシュが頻繁に発生。
笑顔で走り回る観客の姿が何度もスクリーンに映し出されている。
全身全霊のSU-METALの歌唱、MOAMETALと岡崎百々子による力強く溌溂とした
パフォーマンスで場内の興奮はピークを迎え、間奏では大勢による“WOW WOW”の
シンガロングが場内に何度もこだました。
最後にSU-METALがゲスト・アクト、ブリング・ミー・ザ・ホライズンへの謝辞を述べた後、
満面の笑みで「今日のブリング・ミー・ザ・ホライズンのライブどうだった?」と訊ねると、
観客は大歓声で応え、本編は大盛況のもと終了した。

 

少しの時間を置いてから、新曲の「Shine」が披露される。
ふと周囲を窺うと、スマホのライトを点灯している人が目に付いた。
自発的な演出に加担したいのだろう、その数は次第に増えていっている。
ステージでは、MOAMETALと岡崎百々子が白煙の中、情熱的で幻想的なダンスを披露。
やがて中央にSU-METALが現われ、感情豊かに丁寧に歌い上げると、
場内は水を打ったように静まり返り、多くの観客は再び一気にショウに引き込まれた。
日食をイメージした映像をバックに壮大な楽曲がソリッドに奏でられる。
フロントの3人が荘厳かつ優美に織りなすステージングはまさに圧巻の総合芸術。
観客の多くが一心不乱にステージを凝視している。

 

最後に新たなアンセムとなりそうな楽曲「Arkadia」が続けて披露されると、
フロアには無数のサークル・モッシュが再び発生。
メロディック・スピード・メタルの美しい旋律と
怒涛のブラストビートに乗るSU-METALの力強い歌唱、
MOAMETALと岡崎百々子によるドラマチックなダンスが多くの観客を魅了した。
最後にSU-METALが“You are the best!”と観客に伝えると、
場内からは割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こった。
こうして、BABYMETALは、大喝采を浴びた先月のロサンゼルス The Forum公演に
勝るとも劣らない極上のライヴ・エンターテインメント・ショウを披露し、
大勢の観客を虜にして、さいたまスーパーアリーナ初日公演は大盛況のもと幕を閉じた。
シアトリカルなBABYMETALのライヴ・ショウのグレードはまさに世界基準。
唯一無二のスタイルの、比類なきメタル・アリーナ・ショウだった。

 

 

 

 

4.

 

気分が高揚した状態のまま外に出る。
帰途につきながら今宵のライブを回想する。
今回は久々のシート、それもバックスタンドからの観戦だったので、
肉眼で演者の姿を捉えることはできなかったが、
それでもライブに没入し、十分に満喫することができた。
俯瞰して眺めたことで、全体的な盛り上がりも把握することができた。

 

BRING ME THE HORIZONのライブを今一度振り返ってみる。
大音量だったから、周りに気兼ねすることなく気持ちよく歌えて満足だった。
また、後方からだとよくわからなかったが、フロアもスタンドもそれなりに盛り上がったようで、
ピットには大きなサークルが同時に複数できていたようだ。
両サイドのスタンドも、立っている人と座ったままの人が混在していたはいえ、
(TL上では)場所によって大いに盛り上がっていたとのこと。
明日こそは立ってヘドバンして体を動かせたらいいなと祈るばかり。

 

BABYMETALの日本でのライブで岡崎百々子を観れたのも嬉しかった。
あわせて、彼女が初披露した「Shine」と「Arkadia」は新鮮に目に映った。
MOAMETALとのシメントリーなダンスのシンクロ度も高く、
時折目を合わせて微笑んでいる姿は印象的だった。
そしてMOAMTEKAは今宵もエレガントに舞っていた。
今年から、彼女はさらに大人びたダンスをするようになったと思う。
最後まで息が弾むようなことはなく、しなやかに優雅に踊っているが、
観客を煽る際に見せる、トップアイドル級の微笑みは健在だ。

 

SU-METALの歌唱は今宵も力強かった。
中音域で多少、音程を取るのに苦労する場面が見られたが、
高音域は抜群の歌唱力で、透明な高音ヴォイスはどこまでも伸びていた。
また、「Road of Resistance」での‟かかってこいやー!”はいつもより凄みがあり、
笑顔で「もっとみんなの声を聞かせて」と日本語で煽られた際には、
SU-METALが日本語で煽るなんて珍しいな、それほどライブが楽しいんだろうなと思い、
ついこちらも笑顔になってしまった。
やはり日本で行われるライブでは、日本語の煽りが多くあってもいいように思う。

 

そして最後に触れた、盟友BRING ME THE HORIZONに対する感謝の言葉。
SU-METALはBRING ME THE HORIZONのライブが大好きで、

「私たちのライブが始まる前にブリング・ミー・ザ・ホライズンの曲がかかると、
お客さんが本当に盛り上がるんですよ。今回はもう凄いことになるんじゃないかなって」
「ファンの方もすごく楽しみにしていると思いますし、私たちも普段ライブ前に
ブリング・ミー・ザ・ホライズンの曲を聴いて気持ちを上げているので楽しみ」

と間近のインタビューでも語っていた。
だから観客に訊ねてみたかったのだろう。
「今日のブリング・ミー・ザ・ホライズンのライブどうだった?」と話すSU-METALは
とても誇らしげで、観客の反応に対して満面の笑みを湛えていた。
その表情を見て、僕は泣き笑いの表情になった。
笑っているのに、嗚咽が漏れ、涙がとめどなく溢れた。

 

明日もこの大好きな2組のバンドのライブ見られるとは、僕はなんて幸せ者なんだ。
とても温かい気持ちに包まれたまま、僕は最寄り駅へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※本レポの簡易版です。こちらも合わせてどうぞ。

BABYMETAL、ブリング・ミー・ザ・ホライズンを迎え日本凱旋ライヴを開催 世界基準の熱狂パフォーマンス – CDJournal ニュース
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