BABYMETAL 海外 Aftershock Festival 2019 ライブレポート

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1.

 

LAX(ロサンゼルス国際空港)から飛行機で約1時間半。
僕は静かにサクラメント国際空港へ降り立つ。
ここサクラメントは、カリフォルニアの州都だが、
人口は40万人ほどで、ロサンゼルスの人口の20分の1にも満たない。
空港はこじんまりとしており、表の道路の交通量も随分と少なかった。

 

 

 

その後はUberを手配し、宿泊先のモーテルへ。
幸いにも部屋が空いていたので、13時頃にはチェックインすることができた。
入室して着替えると、僕はまたすぐにUberを手配する。
目指すは〈Aftershock Festival 2019〉が開催されるディスカバリーパークだ。

 

 

 

所定の場所で下車するとそこからは徒歩でパーク内へ。
途中、アメリカン川を横断する。
歩いて向かう人たちはみな、多種多様なメタルTシャツを着ていた。
彼らに交じって並んで歩くだけで随分と気分は良くなる。
今年もまた海外のロック・フェスに来たんだなという実感が少しずつ沸いてくる。

 

 

 

5分ほど歩くとフェスのエントランスが見えてきた。
持ち込み可能の透明なバッグに荷物をまとめ、セキュリティチェックを受ける。
検査は思っていたほど厳しくはなく、すぐに入場を果たす。
中に入って周囲をぐるりと見渡すと、否応なく気分は高揚していった。

 

 

 

入場後すぐに物販エリアが目に留まったが、フェスの非公式グッズを扱っている露店だった。
早速ライブを観ようとそのまま奥へと進む。
ステージは全部で3つあるが、メインステージは敷地内のセンターに位置していた。
自然豊かな公園内で開催されているだけあって、後方からぐるりと見渡す景色は雄大だった。

 

 

 

そのままメインステージに留まり、Highly Suspectを鑑賞。
終わるとセカンドステージに移動し、楽しみにしていたBad Religionのライブを堪能する。
次は久々にAndrew W.K.のライブを観にサードステージへ。
その後はメインステージに戻り、Stone Temple Pilotsのライブを途中まで観ると、
セカンドステージに移動してMarilyn Mansonのライブをとことん味わう。
最後の「The Beautiful People」では観客の間で大合唱が起こった。

 

 

 

Marilyn Mansonのライブが終わるや否や、再びメインステージへ急いで移動する。
そして待望のBring Me the Horizonのライブを堪能。
1曲目は新譜のリード曲「MANTRA」でスタートするが、
歌い出しでマイクのスイッチが入っていないというトラブルが発生。
しかしすぐに改善され、同曲は大盛り上がりのもと終了
続く「The House of Wolves」では激しいモッシュが発生し、
Medicine」の最中には白人キッズがサーフで流れていった。
その後に披露された「Wonderful Life」も大盛況。
そして「Shadow Moses」では恒例のC&Rの叫びが場内の空気を震わせた。
大勢が一斉に‟ディス イズ センピターナル!”と叫んでいる。

 

熱気を帯びたまま、「Happy Song」でライブは後半へ。
すぐ近くではサークルピットが発生し、多くのの大男がはしゃいでいる。
Mother Tongue」の間奏ではお決まりのシンガロングが起こり、
Can You Feel My Heart」では大勢が一緒になってヘヴィなサウンドに上体を揺らした。
続く「Sugar Honey Ice & Tea」でも観客はリズムに乗って跳ね回り、
Drown」では多くの者が一緒になって歌った。
また同曲ではヴォーカルのオリヴァーが会場の後方まで歩いて行くというサービスも。
そしてライブの最後を飾った「Throne」では冒頭から多くの者が飛び跳ね、
間奏での一斉ジャンプでピークを迎えたのち、大盛り上がりのもとライブは幕を閉じた。

 

 

 

サマソニ大阪&東京、新木場単独ライブに続き、今年だけで4回目の観覧となったが、
Bring Me the Horizonのライブは何度観ても良い。
ヘビィでキャッチーな楽曲にオリヴァーの歌唱やグロウルがマッチしているからだろう。
余韻に浸りつつ、その後はセカンドステージへ移動。
そしてそこでRob Zombieのライブを堪能した。
大歓声がひっきりなしに沸くほどに、Rob Zombieは今なお大人気だった。
ライブを見終えると大満足のもと、僕は会場を後にした。

 

 

 

 

2.

 

翌日は午前10時過ぎにモーテルを出発。
アメリカン川を眺めながらを渡り、フェス会場であるディスカバリーパークへ。
今日は荷物は所持していないのでなんなくゲートを通過する。
本日も天気は良好。木々の隙間から差し込んでくる陽光が眩しい。

 

 

 

昼食を済ませると、メインステージで最初のアクト、Blue Midnightを鑑賞。
バイオリン弾きが入った演奏は躍動感があってなかなか良かった。
その後はサードステージでソロ・アクトのEvan Konradのライブを観たのち、
メインステージに戻って、Brkn Loveのライブを鑑賞。
そしてまたサードステージに戻ると、楽しみにしていたThe Huのライブを堪能した。
ヘヴィなサウンドに民族楽器の音色が加味された楽曲群は聴きごたえ十分だった。

 

 

 

それからまたメインステージに戻ると、少しだけThe Crystal MethodによるDJプレイを体感。
売店で水を購入したのち、満を持して、BABYMETALが出演するセカンドステージに向かう。
その際、途中のスペースで、変わった趣向のドリンクサービスを目撃した。
お金を払えば、ハーレイ・クイン似の美女に上から酒を口内に注がれるというもの。
男性の頬や上半身を何度か激しく叩くというオプションが込みのようだった。
彼女に頬を張られた複数の男性はみな、恍惚な表情を浮かべていた。

 

 

 

メインステージでは、前のFalling In Reverseのライブが終わろうとしているところだった。
後方から眺めると、随分と人が入っている印象を受けた。
ライブが終わると、僕はステージを見据えたまま前へ進んでいった。
BABYMETALのTシャツを着ている人の数はそれほど多くはない。
彼女たちのライブを初めて観る人たちがほとんどなのだろう。

 

 

 

上手の前方まで来て歩を止める。おそらくはこのあたりがモッシュピットと化す場所だろう。
周囲にはタトゥーを入れたメタラーがたくさんいるが、多くの女性ファンの姿も目に付いた。
開演10分前になると、後方まで人で溢れ返る状況となった。
見渡す限り、人で埋め尽くされている。
気が逸るのだろう、開演直前には‟BABYMETAL”コールが発生。
場の熱気は次第に上昇していった。
そうして定刻通りにライブがスタートすると、地を揺るがすような大歓声が沸き起こった。
いったい今日はどんなパフォーマンスで魅せてくれるのか。
僕は口元に穏やかな笑みを湛えたまま刮目してステージ上を凝視した。

 

 

 

 

3.

セットリスト

01. メギツネ
02. Elevator Girl – English ver. –
03. Shanti Shanti Shanti
04. Distortion (feat. Alissa White-Gluz)
05. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
06. ギミチョコ!!
07. KARATE
08. Road of Resistance

 

 

代表曲「メギツネ」でライブが始まると、場内からは大きな歓声が沸き起こった。
間奏に差し掛かる頃にはモッシュ・ピットが形成され、
厳つい男たちが無邪気な笑みを浮かべてモッシュをして楽しんでいる。
SU-METALが“HEY!AFTERSHOCK!”と煽るとさらなる歓声が沸き、
頭上を若い女性が何人もサーフしていった。
アメリカのロック・フェスではよく見られるその光景を、
MOAMETALと岡崎百々子の2人が笑顔で踊りながら眺めているのが印象的だった。

 

続いての曲は「Elevator Girl」の英語バージョン。
フロントの3人がシンクロナイズされたダンスを披露する。
SU-METALの発音の良い英語の歌声が大空に響き渡る。
時折笑みを溢すMOAMETALと岡崎百々子からは、楽しんでいる様子が窺えた。
モッシュピットはさらに激化し、大男たちが笑顔で騒ぎまくっている。
曲が終わったときにはあちこちで大きな歓声が沸き起こった。

 

続けざまに「Shanti Shanti Shanti」が披露されると、
ある者は手拍子しながらリズムに合わせて体を揺らし、
ある者は洗練されたダンス・ルーティンに心奪われたといった具合にステージを凝視し、
またある者は楽しい感情むき出しに再びモッシュに興じた。
インド音階に乗って、指先の動きまでが美しいダンスを披露する同曲。
背後に鮮やかな映像がなくても、3人のパフォーマンスだけで十分に魅せている。

 

 

 

会場の熱気がどんどん上昇する中、
Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」が始まると、ピットは再度爆発。
イントロが始まった直後には“Wall of Death”が発生。
歓びに満ちた奇声があちこちで上がった。
間奏では大きな手拍子が沸き起こり、SU-METALの高音ヴォイスが空を裂いた。
そうして大盛り上がりのもと同曲は終了した。

 

 

 

次の「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」でも勢いは衰えることはなく、
大勢がタオルや突き上げた腕を回して熱狂。
モッシュで起こった砂埃が視界を妨げるほどに盛り上がっている。
間奏のラップパートでもモッシュ・ピットは変わらずに活発で、
男に交じって複数の女性が頭上をサーフしていった。
曲が終わるとあちこちで大きな歓声や拍手が沸き起こった。

 

 

 

2日前に世界同時発売されたばかりの3rdアルバム『METAL GALAXY』に
収録されている新曲が立て続けに披露されただけでこれだけ盛況なのだから、
この後に人気曲の「ギミチョコ !!」が来るともう会場はお祭り騒ぎ。
初っ端からピットでは激しいモッシュが連続して発生。
大量の砂煙を上げながら大勢がぐるぐると回っている。
その後も勢いは衰えることはなく、サークル・モッシュは終盤まで続いた。
リズムに乗るSU-METALの可愛らしい歌声が心地良く青空に響く。

 

 

 

間髪入れずに次曲「KARATE」が始まると、再びピットは活況を呈した。
多くの観客がグルーヴを感じながら体全体を揺らしている。
モッシュは継続して起こり、相変わらず頭上を女性がサーフして流れていく。
間奏後にはステージ上の3人と一緒になって大きくジャンプを繰り返す。
最後のSU-METALの渾身のロングトーンは空を裂くほどの凄みがあった。
曲が終わるとあちこちから何度も歓声や拍手が沸き起こった。

 

 

 

そしてラストを飾るのは「Road of Resistance」。
フロントの3人がフラッグを持ってクールに佇む姿は毎回絵になる。
曲が始まると大きな“Wall of Death”やサークル・モッシュが発生。
怒涛のドラムのブラストビートがこれでもかと脳幹を刺激してくる。
途中のシンガロングの声も大きく、サークル・モッシュの参加人数は次第に増えていった。
フロントの3人による熱の篭ったパフォーマンスが最後まで続く。
そうして惜しみない拍手喝采を浴びながら、大盛況だったライブは幕を閉じた。
周囲を見回すと、掲げられた大量のキツネサインがいつまでもゆらゆらと揺れていた。

 

 

 

 

4.

BABYMETALの魅力を語るには千言万語の言葉では足りない。
結局はライブを実際に生で観るしか理解する方法はないのだろう。
そしてBABYMETALを観るのが初めてだった今日の観客の多くは、
BABYMETALの魅力がどういうものなのかを間違いなく肌で感じたことだろう。
だけど知人には、BABYMETALの魅力をまだうまく伝えることができないからこう言うんだ。
「BABYMETALに少しでも興味があるのなら一度ライブを観に行くことをお勧めするよ」と。

 

 

 

大いなる余韻に浸りながら、僕はメインステージに移動した。
そして、ヘヴィなサウンドが心地良いGojiraのライブを堪能した。
その後はサードステージでFu Manchuのライブを観て、しばし休憩。
体力を回復させたのち、メインステージでA Day To Rememberのライブを観る。
彼らのライブを観るのは3年ぶりだったが相変わらず楽曲はヘヴィで好みだ。
最後はKornとTOOLのライブを立て続けに見て本日のフェスは終了。
共に大盛況のライブで、僕は大満足のもと帰途についた。

 

夜道を歩きながらBABYMETALのライブを振り返る。
ライブ時間は40分ほどだったが、最後まで勢いが衰えることのない密度の濃さ。
出だしがおとなしかったのでどうなるのかと思ったのも束の間、
1曲目の「メギツネ」の途中から起こったモッシュはライブ終演まで続いた。
ステージから放たれる気焔を伴った音像に大勢が最初から狂喜乱舞し、
予想を遥かに上回る盛り上がりを見せたのだった。

 

また、2日前のThe Forum公演を大成功に終えたことで肩の荷が下りたのか、
力みのない、それでいて芯の通ったヴォーカル・SU-METALの歌唱は圧巻で、
ちょうどその時間空いていた隣のメインステージは元より、
広い会場全体に彼女の力強い歌声は響いていたことだろう。
なお、メインステージ、セカンドステージともに縦長で、
それぞれ後方には特設のスクリーンが用意されており、
ライブが行なわれていない間は他のステージのライブ映像が映し出されていたので、
クオリティの高いシアトリカルなライブショウを見せることで、
彼女たちのことを知らない多くの観客にアピールできたことだと思う。
願わくば今日を機に少しでも多くの人がBABYMETALに興味を持ってくれればいいのだけれど。

 

MOAMETALを中心に綺麗にシンクロするダンス・パフォーマンスも素晴らしく、
アメリカのフェスが初めてだった岡崎百々子は終始楽しげな様子だった。
多くのアメリカ人が砂煙を上げながら熱狂する様は新鮮に目に映ったことだろう。
BABYMETALのサポート・ダンサーを務めたからこそ見ることのできる光景だ。

 

そのほか、常に堂々とした振る舞いや佇まいで会場を支配する3人には感銘を受けた。
これまでに培ってきた数多の経験が、揺るぎない自信を生んでいるのだろう。
単純に楽しいから勝手に体が動いたのだろうが、
ライブを大いに盛り上げたアメリカ人観客の姿勢が素晴らしかったことも最後に付け加えておく。
昨年はドイツ、イギリス、オーストラリアのフェスで熱狂的なBABYMETALのライブを観たが、
今しがた体験し終えたアメリカのフェスも、それに勝るとも劣らない盛況ぶりだった。
終演後、“またアメリカに戻ってきて!”と何度も叫ぶ
若い白人女性の泣き笑いの表情が未だ瞼の裏に残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※本レポの簡易版です。こちらも合わせてどうぞ。

BABYMETAL、米ロック・フェス〈Aftershock Festival 2019〉で圧巻のステージを披露 – CDJournal ニュース
 10月11日(現地時間)に米・ロサンゼルス MSG Live and the Forumで行われた、アメリカでは初のアリーナ公演となる〈BABYMETAL ……

 

 

 

 

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2 件のコメント

  • 木陰での怪しげなサービス付きのアルコール販売があるとは。1975年ごろ、ジジイが学生の頃の鹿児島でのロックフェスは参加者がイマイチでとにかく全員がナントかフェスを盛り上げるために必死に騒いで声を涸らした上に焼酎を煽ってました(頭脳警察、カルメンマキとオズ、サディスティックミカバンドなどの豪華アーティストでした)。焼酎の一升瓶を持ち込んで頭から飲ませたりバカなことばかりしてたフェスでしたから今考えると全く持ってアーティストに非礼な観客の一員でしたが、あの頃の日本は中央と田舎の距離感が著しく、また伝統ある「フェス」もなく主催者の友達つながりでチケットを売りさばくことまでしても赤字な時代でした。「家に帰るまでがフェス」ではなくて赤字返済までが「フェス」(泣)。
    海外の伝統あるフェスに次々にラインナップされてるBABYMETAL。もう完全に客を呼べる世界のアーティストになってるんですね。
    TERIさんのレポート読みながらアノLIVE NATIONのロゴ表記が浮かんだり、ロックアルバムチャートアジア人初の一位だったりが頭の中でコダマしたりでのギミチョコでの女性サーファーがもうお馴染みの光景だったり。レポート読んでいるジジイの心境も昨年とはテンションがレベルアップでした。
    そんな光景をステージ上で目視しながらのSU,MOA,百々子のパフォーマンスの心境まで感じさせるいつもの卓越したレポート(涙)有難いです。昨年とは異なり今年のライブはBMTHさんとほぼほぼ重なりTERIさんがいつもより増して軽やかな冴えた乗りツッコミ(笑)。素晴らしいです。SSAと城ホールでのTERIさんの雄叫びを楽しみにしております。

  • >KUROTURI-METAL
    読んでいただいてありがとうございました~
    アメリカは広いので、場所によってがまだまだ知名度は低い
    ところもあるんでしょうけど、一度でもライブを観ると
    印象に残るので、これからもどんどん出演してほしいですね。
    来月あと4回もBMTHのライブが観れるのも楽しみです!

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