BABYMETAL 海外 Nova Rock Festival 2024 ライブレポート

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1.

日に日に暑さが増してくる6月中旬。
僕は晴れやかな気分で都心へ向かう。
今日は久しぶりにお笑いライブを観ることに。
前に観に行ったのはコロナ禍の前なので随分と久しぶりだ。

 

「いや~、楽しみだなぁ。どぶろっくのライブ」

 

若い頃はお笑い芸人を目指していた時期もあった。
友人と即席コンビを込み、人力舎や渡辺プロのネタ見せ発表会にも参加した。
お笑い番組の収録を観に行ったこともあった。
結局、その道はすぐに諦めてしまったものの、
お笑いは今でも好きで、たまにこうやってお気に入りの芸人のライブを観に行っている。

 

僕はウキウキ気分で、都心へ向かう電車に乗ったはずだった。
しかし先ほどからどうも様子がおかしい。
ふと周囲を見渡すと、外国人しかいなかった。
え、なんで?と、思わず眉間を寄せる。
僕は、“どぶろっく”のライブを観るために電車に乗ったのに、
いつのまにか“ノヴァロック”行きのバスに乗っていた。

 

 

 

おいおいまたかよー―と思う。
うんざりだった。
いったいなぜ、こうなってしまうのか?
なにゆえ神は、僕に何度も試練を与えるのか?

 

こうなってしまった原因はまったくわからないが、
とにもかくにも、来てしまったからには仕方がない。
思えば、オーストリアに来たのは昨年の11月以来3度目。
まさかこの短いスパンでまた来るとは思ってもいなかった。
そして、最初に来た2020年も、2度目の半年前も
BABYMETALのライブを観たのだが、
今日もNova Rock Festival 2024でBABYMETALのライブがあるらしい。
なんという偶然、なんという幸運。
よし、それじゃあと、僕はまたBABYMETALのライブを観に行くことにした。

 

 

 

 

2.

 

所定の場所でバスから降りると、徒歩でフェス会場へ。
多種多様なメタルTシャツを着たニキネキたちがたくさんいる。
彼らに交じって並んで歩くと自然と気分は上がっていった。
また海外のロック・フェスに来たんだなという実感が少しずつ沸いてくる。

 

 

 

やがてフェスのエントランスが見えてきた。
キャッシュレスチップが取り付けられたリストバンドとチケットを引き換える。
フェス場内はキャッシュレスのため、
基本的にはこのリストバンドですべて支払うことに。
事前にオンラインで150ユーロをチャージしているが、支払い後の残高確認や、
現地及びオンラインで追加のチャージも可能。
2016年のダウンロードフェス・パリの時も同じような仕組みだった。

 

 

 

自然に囲まれた新鮮な空気に、お祭りさながらの賑やかな雰囲気。
周囲をぐるりと見渡すと、否応なく気分は高揚していった。
MAPにはステージは全部で3つ記されてあったが、
タイムテーブルにはメインステージと3rdステージだけしか表示されていない。
どうやら2ndステージのRed Stageではライブは行われないようだ。
早速ライブを観ようと、まずはメインステージであるBlue Stageへ向かった。

 

 

 

Blue StageでEscape The Fate、そして久々のBlack Stone Cherryのライブ、
3rdステージのRed Bull StageではFocuside、Arklightのライブを堪能。
その後はまたBlue Stageに戻り、BEAST IN BLACK
それからBiohazardと立て続けに鑑賞する。
バンドごとにそれぞれ味が出ていて、どのライブも楽しむことができた。

 

 

 

そして次はいよいよBABYMETALの出番となった。
僕は下手の前方まで来ると、そこにとどまった。
おそらくはこのあたりがモッシュピットと化す場所だろう。
周囲にはいかにもメタラー然とした恰好をした屈強な男がたくさんいるが、
多くの女性の姿も目に付いた。
BABYMETALのTシャツを着た人もかなりいる。
そして開演10分前頃になると、後方まで人で溢れ返る状況となった。
そうして定刻通りにライブが始まると、大地を揺るがすような大歓声が沸き起こった。
僕は口元に笑みを湛え、瞳を輝かせたままステージ上を凝視した。

 

 

 

 

3.

セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. Distortion
03. PA PA YA!!
04. メギツネ
05. BxMxC
06. メタり!!
07. KARATE
08. ヘドバンギャー!
09. RATATATA
10. ギミチョコ!!
11. Road of Resistance

 

1発目は定番の「BABYMETAL DEATH」。
ライブが始まると大勢が一緒になってヘドバンを開始。
前方の観客はキツネサインを掲げている。
僕の周囲にいる人たちの中には、様子見で観ている人もいた。
モッシュは起こらず、おとなしめでライブは進行。
終盤になるにつれ“DEATH!”の掛け声は大きくなっていった。
曲が終わると拍手喝采。
あちこちで歓声が上がっている。

 

続いては「Distortio」。
みんなリズムに乗ってはいるが、ピットはまだ比較的おとなしめだ。
しかしながら、
間奏のMCでSU-METALが“大きなサークルが見たい!”と煽ると、
ややあってサークルピットが発生。
その後はモッシュが頻繁に起こり、
高い熱量を保ったまま同曲は終了した。

 

続く曲は「PA PA YA!!」。
イントロが始まった途端に大歓声。
曲が始まると大勢が一斉に体を揺らし始める。
どうやら乗り方がだんだんと分かってきたようだ。
ラップパートの部分に入ると、3人がTシャツを持って再登場。
こういう風にTシャツを振り回してと訴える。
終盤ではSU-METALが何度も“JUMP! JUMP!”と煽り、
同曲も大盛況のもと終了した。

 

ライブは「メギツネ」へと続いていく。
彼女たちに乗せられてかなり楽しくなってきたのだろう、
このあたりからサーフする人が格段に増えてきた。
間奏に入ると、SU-METALが連続ジャンプを観客に促した。
大勢が“ソレッ!”と声を発しながら笑顔でジャンプを繰り返す。
観客による愉悦の声や指笛があちこちで響いている。
そうして同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

続いては「BxMxC」。
曲が始まると大勢がリズムにあわせて頭を振り始める。
僕の頭上をサーファーがひっきりなしに通過していく。
SU-METALがフロウをかますとフロアの熱狂具合はさらに上昇。
終盤はモッシュも発生。
最後まで大盛り上がりのもとやがて同曲は終了。
あちこちで大きな拍手と歓声が上がっている。

 

 

 

続く曲は「メタり!!」。
SU-METALのMCに倣い、大勢が手を挙げて前後に揺らす。
ピットでモッシュする人もいれば、サーフする人もいる。
MOMOMETALが見得を切るシーンでは、大勢が座り込んでから一斉にジャンプ。
誰も彼もが大きく跳ねては体をぶつけ合っている。
“わっしょい!”の日本語もちらほら聞こえてくる。
大勢が手を振り体を揺らし、ピットは興奮の坩堝と化している。

 

続いて「KARATE」が始まると、再びピットは活況を呈した。
多くの観客がグルーヴを感じながら体全体を揺らしている。
相変わらずサーフする人も多い。
モッシュは継続して起こり、相変わらず頭上を女性がサーフして流れていく。
間奏に入ると、SU-METALがスマホのライトを点けてと促した。
すぐ横ではサークルピットが発生している。
SU-METALの渾身のロングトーンは空を裂くほどの凄みがあった。
曲が終わるとあちこちから何度も歓声や拍手が沸き起こった。

 

次曲は「ヘドバンギャー!」。
曲が始まるなりピットではモッシュが起こり、
相変わらずサーファーは頭上をひっきりなしに流れていく。
間奏に入ると、ドゲバンをする人も多数。
もちろん僕もそれに参加する。これは責務だ。
終盤になってもピットはカオスな状況が続き、
やがて同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

 

 

続いて披露されたのは「RATATATA」。
イントロが流れてくると大きな歓声が沸き、大勢が一斉に手拍子を始めた。
曲が始まると、フロアはすぐにまた狂乱状態に。
SU-METALが煽ると、大勢が一斉にジャンプした。
終盤になっても勢いは衰えず。
ピットでは何度もモッシュが発生。
屈強な外国人ニキたちが満面の笑みで“FU! FU!と叫んでいる。
曲が終わると、大きな拍手が鳴り響いた。

 

間髪入れずに「ギミチョコ!!」が始まる。
ピットではWODが起こっている。
その後はひっきりなしにモッシュが発生。
フリコピをする若い女性の姿も散見された。
終盤になってもピットの熱狂具合は熱を帯びたまま。
大勢が楽し気に踊ったりモッシュしたりしている。
やがて大盛り上がりのもと同曲は終了した。

 

そして最後はアンセム「Road of Resistance」。
イントロの段階でローイングモッシュが発生。
結局それは長く続き、冒頭のウォール・オブ・デスは行われず。
途中のシンガロングのシーンでは大勢が声を張った。
ふと眼前で、ピットの様子を撮影していたクルーが担がれて流されていった。
最後まで大盛り上がりのもと、やがて同曲は終了
最後は恒例の“We are?”“ BABYMETAL!”コールでライブを締めた。
彼女たちに対する賛辞の拍手が続く。
ワンモアショウのコールが響く。
観客のほとんどは大満足している様子だった。
こうして、NOVA ROCKでのライブは大盛り上がりのもと幕を閉じた。
幸せな笑みを浮かべているオーストリア人の姿が視界を埋めている。

 

 

 

 

4.

 

一息ついた後は、Dropkick Murphysのライブを鑑賞。
彼らのライブは6年ぶりに観たが、相変わらず楽しかった。
周りでは踊っている人が多数いた。
そして、次はいよいよ今日のハイライトである、
Bring Me the Horizonのライブを堪能。
1曲目の「DArkSide」でスタートするが、
感極まって思わず涙を零してしまった。

 

その後も人気曲の「MANTRA」、「AmEN!」を披露。
Shadow Moses」ではもちろん大声でコールした。
また、「Top 10 staTues tHat CriEd bloOd」など新譜からの曲も披露され、
場内は興奮の坩堝と化し、
そして「Kingslayer」ではお待ちかね、BABYMETALの3人が登場。
彼女たちが姿を現すと大きな歓声が沸き、
オリィと一緒になってヘドバンもしつつ、渾身のライブパフォーマンスを披露した。
終盤は「Drown」、「Can You Feel My Heart」、「LosT」などを畳みかけ、
最後は定番の「Throne」でライブを締めくくった。
これぞヘッドライナー、圧巻のライブを披露したBring Me the Horizon。
サマソニでもヘッドライナーを務めるが、期待値はますます高まるばかりだ。

 

ライブが終了した時刻は23時過ぎ。
ドリンクを購入して出口に向かっていると、突然花火が打ちあがった。
どうやら4日間続いたNOVA ROCKの最後の締めのようだ。
僕は1日だけの参加だったが、十分に楽しむことができたフェスだった。
機会があれば、再び訪れてみたいと思う。

 

帰りのバス停車場まで歩きながら、今日一日を振り返る。
BABYMETALのTシャツを着た人は随分多く、
また、昨年のサバトンツアーサポート時のTシャツを着ている人もいた。
それだけで、彼女たちの人気の高さが伺える。
事実、BABYMETALの前のBIOHAZARDの時は、
一番手前のブロックさえ隙間があったのに、
BABYMETALの出番になると、休憩や食事をしていた人たちもこぞって集まり、
メインステージは遥か後方まで観客で埋め尽くされた。
海外フェスに来ると毎度思うが、BABYMETALの海外での人気は相当なものだ。

 

思えば、Bring Me the Horizonのライブでも、
「Kingslayer」の時の歓声が一番大きかったように思う。
客演でBABYMETALが参加したからというのもあるが、
そもそも最初の曲紹介(モニターに映るキャラが「Kingslayer」と台詞で言う)の段階で、
ものすごい歓声があちこちから上がった。
そして大トリのメインステージで、彼女たちは躍動し観客を大いに魅了した。
大好きなBABYMETALとBring Me the Horizonのライブを同じ日に観れたことで、
胸は幸せでいっぱいだった。
僕は口元に笑みを湛えたまま、会場の外に向かって歩き続けた。

 

 

 

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