藤岡幹大 追悼ライブ 「The Hill Of Wisteria」 ライブレポート

 

 

不慮の事故により2018年1月5日に36歳の若さで亡くなった兵庫県南あわじ市出身のギタリスト・藤岡幹大の追悼ライブ〈The Hill Of Wisteria〉が、2019年1月19日(土)に、藤岡の故郷・兵庫県淡路島にある洲本市文化体育館 大ホールにて開催。ライブ・イベントにはBABYMETALのサポートで活動を共にし、藤岡の愛弟子であった大村孝佳率いる大村バンドをはじめ、藤岡とゆかりのあるアーティストが在籍するMI Cannon、C4、Jupiter、CROSS VEINの計5組が出演。藤岡の誕生日である1月19日に開催された本追悼ライブは、洲本市での音楽イベントとしては過去最大級の規模といい、親交のあった音楽仲間らの「楽しく笑顔あふれる時間にしたい」という前日のコメントどおり、館内は最初から最後まで、終始温かい空気に包まれました。

 

 

 

 

1月19日、ライブ当日の朝。事前にオフィシャルアクセスツアーに申し込んでいたため、三宮駅前から会場まではツアーバスで移動。ツアーを企画した旅行業社H.I.Sの添乗員Y氏は元バンドマンらしく、今回の追悼ライブに出演するCROSS VEINのギタリスト、MASUMIと昔一緒にバンドをやっていたとのこと。そんな彼のナビゲートのもと、一行を乗せたバスは一路淡路島へ向かった。

 

 

 

神戸淡路鳴門自動車道を進むこと約30分。明石海峡大橋を渡った少し先、淡路サービスエリアでトイレ休憩を挟む。約10分後、再び出発。

 

 

 

そして午前11時すぎに、会場である洲本市文化体育館に到着。日差しが暖かく、あまり寒さを感じないのですぐに上着を脱ぐ。好天で気分が良く、初めて淡路島へやってきたという思いも胸中に飛来しているので、テンションは自然と上昇していった。

 

 

 

道路を挟んだ向かいにある洲本図書館の先にはイベント広場があり、そこにある小さなレンガ造りの建物、すもとアルファビアミュージアムが今回の物販会場。列に並び、約10分後に入場する。

 

 

 

藤岡さんと大村さんの両親が出席される明日のイベントチケットも販売していたが、自分は明日帰京するのでそれは買わず。Tシャツだけを買って退出。

 

 

 

その後は昼食をとり、開場時刻の13時半頃に洲本市文化体育館に戻る。入り口付近には、今回の追悼ライブの看板が設置されてある。

 

 

 

館内通路の壁には藤岡さんの写真パネルが展示されてあった。またホール入場口には、TOKI(C4)製作の藤岡さんの等身大パネルも用意されてあり、ライブに参加する方々は様々な思いを胸に記念写真を撮っていた。

 

 

 

果たして同館大ホールへ入場。奥に向かって段差があるので、後方からでもステージは見やすい。やがて開演となり、告知されていたアーティストの方々がステージに立つわけだが、ここからは本人のツイートを交えながら順を追ってレポートしていきます。

 

 

 

 

 

① CROSS VEIN

 

セットリスト

1.Brightest Hope
2.隠されしエデン
3.最果てのオリゾン
4.Maid of Lorraine

 

まず最初にステージに登場したのは、歌姫JULIAを擁する美しきゴシック系シンフォニック・メタル・バンドのCROSS VEIN。メンバーはJULIAの他にYoshi(Guitar)、MASUMI(Guitar)、Shoyo(Bass)、ShinKi(Drum)、KeiTaro(Keyboard)の6人。アルバム『ROYAL ETERNITY』収録曲「Brightest Hope」でスタートした彼らのライブはとても洗練されていて、中世ヨーロッパの耽美な世界観が場内を包み込んでいく。ヴォーカルJULIAのクリアで伸びやかな歌声はとても耳障りが良く、聴いていて自然とうっとりしてしまうほど。その後は昨年発売のアルバム『Gate of Fantasia」から「隠されしエデン」「最果てのオリゾン」を続けて披露。そして最後はメジャー・デビュー・シングル「Maid of Lorraine」で彼らのライブは幕を閉じた。どの楽曲もメロディが美しくて聴きやすく、また6人編成による音も重厚だったので、初見の方にも満足のいくライブであったように思う。

 

 

 

 

 

② Jupiter

 

セットリスト

1.TOPAZ
2.ARCADIA
3.Bring me out
4.Theory of Evolution

 

約10分間のインターバルのあと、続いて登場したのは、V系メタルの頂点に君臨するメロディック・メタル・バンドのJupiter。メンバーはKUZE(Vocal)、HIZAKI(Guitar)、TERU(Guitar)、RUCY(Bass)、 DAISUKE(Drum)の5人。2015年リリースのシングル「TOPAZ」で彼らのライブが始まる。CONCERTO MOONを脱退したのち、2018年7月に新加入したヴォーカルのKUSEが時折ハイトーンを織り交ぜながら熱唱する。その後ライブはアルバム『THE HISTORY OF GENESIS』収録の「ARCADIA」、シングル「Theory of Evolution」収録の「Bring me out」ならびに表題曲を披露して終了するが、正直なところあと数曲は聴いていたい衝動に駆られた。2017年にリズム隊は一新しているが、DAISUKEのパワードラム、Rucyのフレッシュなベースは非常にタイトで、HIZAKIとTERUによるツインギターは得も言われぬほどに美しくメロディを奏でていく。彼らのライブは会場に詰めかけたバンギャばかりではなく、初見の人たちも十分に魅了した。(ベースのRUCYが2019年1月をもってバンドを脱退することが公式サイトで発表されている)

 

 

 

 

 

③ C4

 

セットリスト

1.sludge
2.BUSTER 1
3.UNITE
4.EARTHTAKER
5.RETAINER

 

続いて登場したのは、本追悼ライブを企画した中心人物のTOKI(Vocal)のほか、大村孝佳(Guitar)、Junji(Bass)、 Tomoi(Drum)の4名で構成されるロック・バンドのC4。動画も含め、彼らの楽曲を聴くのは今回が初めてだったが、どの曲もヴォーカルのTOKIが気持ちよく歌い上げているのが印象的だった。間奏での大村孝佳の早弾きソロプレイは見事の一言。また途中のMCでは、ヴォーカルのTOKIが今回の追悼ライブについて言及。彼は出演者や関係者、観客にお礼を述べたのち、藤岡さんの誕生日にイベントを行えたことがなによりも嬉しいと語った。昨年の藤岡さんの誕生日イベントがやむなく中止となったため、藤岡さんの無念を彼なりに晴らしたいという思いがあったとのこと。TOKIの挨拶中には場内から温かな拍手が沸き起こった。

 

 

 

 

 

④ MI CANNON

 

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MIの関係者ならわかるかな 10回会ったら9回は被ってたニット帽 いよいよ始まります この一年TOKI君始め自分等で出来る事、色んな部分で奔走してきました 昨日此処へ来て確信しました 現状の選択は間違ってなかったです ベストであると あいつの生まれ育った土地で迎える生誕イベント アイツを好きだったみんなで祝ってあげましょう 沢山の笑顔が作れるといいです 協力してくれてる膨大な関係者の皆さん感謝しています ありがとう 今日は一日中幹大の事しか考えません #藤岡幹大 #MLG119 #淡路島 #thehillofwisteria #mijapan

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セットリスト

1.High Works
2.WISH
3.The Night Of U.S.A
4.Solitary Universe
5.Battery

※セットリストは正確でない可能性があります。ご了承ください。

 

10分ほどのインターバルを挟んでから登場したのはMI Cannon。メンバーはC4のTOKI(Vocal)と大村孝佳(Guitar)の2人に、TRICK BOXの小川洋行(Bass) 、地獄カルテットやSADSでスティックを握るGO(Drum)を合わせた4人。ソリッドなメタル・サウンドと大村さんの速弾き超絶テクニカルなギター・ソロにより、1曲目から場内は大盛り上がり。そして最後はMI Cannonのライブではもはや定番となっているメタリカのカヴァー「Battery」を披露してライブは終了。完全燃焼したのか、TOKIがぐったりとした様子で礼を述べてから去っていく。大村さんは充実感を漂わせた表情を浮かべ、誇らしげに、ESPのSNAPPER Fujioka Customを高々と掲げてからステージを後にした。彼らに向けられた拍手・喝采はしばらくの間続いた。

 

 

 

 

 

⑤ 大村バンド

 

セットリスト

1.Holy Tomorrow
2.Delusional Dreams
3.Night Of U.S.A.
4.Never Surrender
5.Every Time

※セットリストは正確でない可能性があります。ご了承ください。

 

そしてまた15分ほどのインターバルを挟んで最後に登場したのは大村バンド。本日のメンバー構成は大村孝佳(Guitar)、久世敦史(Vocal)、Shoyo(Bass) 、前田遊野(Drum)の4人、だが、ステージの真ん中には藤岡さんの等身大パネルも登場。大村さんの2007年発表のアルバム『Emotions In Motion』収録曲「Holy Tomorrow」でライブはスタートするが、ヴォーカルの久世さんが藤岡さんの等身大パネルをあちこちに移動させては場内を盛り上げるので随分と楽しいライブとなった。藤岡さんの等身大パネルの横で大村さんが速弾きを披露すれば、観客は揃って拳を突き上げ、大声で声援を送った。その後もライブは続き、重厚な様式美メタルの楽曲群を心底堪能。途中に大村さんがマイクで話し始めるが、彼のMCはこの場面が今日初めて。本人曰く「話したくて話したくてずっと溜め込んでいたけどやっと話せる」と言って場内を笑わせた。

そして代表曲「Never Surrender」、藤岡さんが大好きだったという「Every Time」をもって大村バンドのライブが終了すると、大村さんの進行のもと、全5組の出演者がステージに勢揃い。ライブを観に来ていた雑賀さん(変拍子セッション)も登壇します。またメンバー全員が、今回の追悼ライブの記念Tシャツを着用。その後はサプライズとして、なんと藤岡さんの母親が登場しました。刹那、僕は刮目してステージ上を凝視する。脳内にはふと、1年前の記憶が蘇っている。

 

 

2018年1月9日。同月5日に亡くなった藤岡さんの訃報が公表されたその日から、僕は打ちひしがれていた。全身が脱力し、心は深い悲しみに支配され、藤岡さんの死を受け入れることは到底できない状況でした。しかしLedaさんのツイート、正確にはLedaさんがツイートした藤岡さんの母親のコメントを読んで、沈んでいた気持ちが少しずつですが晴れていったのでした。

 

 

「幹大君は楽しい事が大好きな子やったから、どうか笑って見送ってあげてね」

「私も今までと変わらず明るく楽しく毎日を過ごすよ」

「それが幹大君が一番喜ぶことだと思うから」

 

この言葉に心が打ち震えたことは今でもよく覚えています。そして心が救われたことも。そんな藤岡さんの母親が登場されるとあって、僕は襟を正す思いでステージを見守ります。やがて藤岡さんの母親が登場すると、まずは観客に向かって「遠いところ来ていただいて本当にありがとう」と謝辞を述べます。そして出演者、関係者にも感謝の言葉を述べ、何度もお辞儀をしました。それからは藤岡さんの子供の頃のエピソードを披露。小さい頃からギター少年で、ちょっとした休み時間でも帰宅してはギターの練習をしていたらしく、ギターのお勉強(練習)だけは楽しいと言っていつも笑っていたとのこと。そして「幹大はみんなに愛されて幸せだったと思います」と涙ながらに語りました。観客のほとんども涙を拭いながら藤岡さんの母親の話を聞いていました。その後はバースデーケーキが登場し、全員で一緒に藤岡さんの誕生日を祝います。大村さんの音頭のもと、観客も一緒になってハッピーバースデイの大合唱。最後に、観客を背景に集合写真の撮影が行われ、本日の追悼ライブイベントはすべて終了となった。またTOKI製作の藤岡さんの等身大パネルのネーミングは「メカ藤岡」「メカミキオ」など二転三転しましたが、最終的には藤岡さんの母親により「ミッキオくん」と命名され、藤岡さんの実家「フレッシュ藤岡」で保管されることが発表されました。

 

 

 

 

 

大満足のもと、会場の外に出る。関東からだと淡路島は遠いので、最初は少し躊躇ったが、5組のバンドの演奏を存分に堪能することができ、また最後のサプライズイベントでは心が温まったので、本当に来て良かったと心底思う。観客も含めた今日集まった人たちは、藤岡幹大との「縁」で知り合った仲間たち。昨年の4月に開催された〈My Little God〉は始まりであり、今宵の〈The Hill Of Wisteria〉はあくまでも〈My Little God〉の続きのひとつ。藤岡さんが人生で望んでいること、音楽、そして家族、とりわけ娘たちの成長、そういった望みを叶えるべく、藤岡幹大との「縁」で繋がれた仲間たちによって、これからも〈My Little God〉は続いていく。ささやかながら、ご家族のためにできることの協力は惜しまずにいよう、そう改めて強く思い直し、帰りのツアーバスの中で待機していると、ここでも藤岡さんの母親が登場。わざわざお礼を伝えに来られました。「私は前を向いて元気に生きています。皆さんもどうか前を向いて、元気に生きていってください」。藤岡さんの母親から発せられたその言葉を強く噛み締める。「幹大はみんなに愛されて幸せだったと思います」。少し前の彼女の言葉がふと脳裏に過ぎる。藤岡さんの母親の人柄に惹かれた僕は内心でこう返答する。「お母さん、藤岡幹大がみんなに愛されていたのは、藤岡幹大があなたの息子だからですよ」。僕はこれからも藤岡さんのギター・プレイ、そして屈託のない笑顔を忘れずに生きていく。

 

 

 

 

 

 

 

Rest in Peace. 藤岡幹大

 

 

 

 

 

※関係者たちによるそのほかのツイート

 

 

 

 

 

 

 

 

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