BABYMETAL 海外 ウィーン ライブレポート

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1.

最前付近での光景に酔いしれたパリ公演の翌日。
僕は早い時間にホテルを出ると、地下鉄を乗り継きながら観光をした。
2016年の際にも感じたが、パリ市内の地下鉄に乗っていると妙な不安を感じる。
アナウンスがないので車内はだいたい静かで、
囁き声しか聞こえてこないから少しナーバスになるというのもある。
だけど一番は治安の問題。
移民大国フランスでは昔から観光客を狙ったスリや窃盗の被害は多かったらしいが、
ここ最近は、若い男女がグループで所かまわずスリをしているらしい。
こと電車では、降りる際に入り口付近にいるスリ師にやられるパターンが多いそうだ。
僕は気を緩めることなく目的地へ向かった。

 

 

 

その後は凱旋門やシャンゼリゼ通り、ルーヴル美術館、パレ・ロワイヤルなどを観光。
美術館の中には入りたかったが、時間がなかったので今回はパス。
エッフェル塔の見学にも行きたかったが同じ理由で回避。
空港行きのロワシーバス(Roissybus)が出ているオペラ座付近へ向かう。

 

 

 

そのオペラ座周辺でロワシーバスのバス停を探していたところ、
若い女性が何かの書類を見せてきながら寄付を求めてきた。
断ったが、2~3人が入れ替わりで執拗に後をつけてくる。
信号待ちをしている時に、そのうちの一人の女性の手が
僕のズボンのポケットに触れたので、さすがに険しい表情をして追い払った。
凱旋門にも寄付を求めている人が数人いたが、事前に色々と話は聞いていたとおり、
間違いなく彼女たちは寄付を装ったスリ集団なのだろう。
今の僕のように、1人で大きなバッグを引いた
観光客丸出しの人は格好のターゲットにされる。
昔から“花の都”というイメージがあるパリ。
確かに中世ヨーロッパの建築物が多くひしめく街並みは最高の眺めなのだが、
昨年の黄色いベスト運動以降、市内近郊におけるスリの被害は格段に増えている
という数字も出ているので、この先観光で行かれる方はくれぐれも注意してほしい。

 

その後はロワシーバスに乗り、いざパリ=シャルル・ド・ゴール空港へ。
早めにチェックインを済まそうと思うも、自動チェックインは途中でエラー。
窓口でチェックイン手続きをしたところ、僕が乗るウィーン(フランス語でVienna)
行きの便はオーバーブッキングのために乗れないとのこと。
理由を尋ねてもわからないの一点張り。
出発30分前に搭乗口付近のカウンターに行ってと言われたので、
とりあえず荷物とセキュリティのチェックを受ける。
なんだか雲行きがとても怪しい。

 

出発30分前になったのでカウンターに赴くと、予定だった便に乗れるという。
歓びながら教えてもらった出発ゲートへ急ぎ、係員に航空チケットを渡すも、
やっぱりオーバーブッキングのために乗れないとの返事。
とりあえず横で待機していてと言われたので待っていると、
どうも僕と同じ理由で待たされている年配のご夫婦がいた。
男性は60代くらいの日本人で、話をしたところ、奥さんは中国人とのこと。
彼らはスペインからウィーンまでのトランジットでパリに寄ったらしいが、
まさかオーバーブッキングで乗れないなんてと怒り心頭なご様子だった。

 

少し待っていると、突然風向きが変わった。
本来搭乗するべき人のうち4人がまだ来ていないという。
その分は席が空くから、このまま来なければ僕ら3人は乗れると係員に告げられ、
3人の表情は一気に明るくなったものの、その後4人のうち2人は現われ、
結局キャンセル待ちの空席は2つになってしまった。
申し訳なさそうな表情で僕を見ながら、そのご夫婦が搭乗していく。
僕はなんとか笑みを作って“良い旅を!”と言って彼らを見送った。

 

それからはまたインフォメーションカウンターへ向かう。
代替えは明日の便にしますかと尋ねられたが、今日中の便を希望。
ややあって、20:55発ウィーン行きのチケットを用意される。
また、今回のオーバーブッキングのお詫びとして250ユーロを
後日振り込んでくれるとのこと。
予定の便に乗れなかったのは仕方がない。
おとなしく夜の便を待つことにする

 

またトラブルが発生したのは、それから30分も経たないうちだった。
突然航空会社から、「予定していた昼の便は遅延のため、明日11日の20時の便に
予約を変更しました」というショートメールが届いた。
先ほどカウンターで受け取った代替え便は10日の20:55発。
もしやまた今夜の便が勝手にキャンセルになったのかと思い、三度カウンターへ並ぶ。
確認すると、メールの内容はミスのようで、ちゃんと20:55発の便には乗れるとのこと。
こうして10時間ほど足止めされたのち、ようやくウィーンへ向かうことができた。
ウィーン空港から電車と地下鉄を乗り継いでホテルに着いたのは深夜0:15。
とにかく目的地へ辿り着けたのでなにより。長かった1日がようやく終わった。

 

 

 

 

2.

 

翌日。
今日のライブの開演時間は20:00。
チケットはGAなので、並ぶのは17時以降を予定。
それまでに2度ほど、ライブ会場があるガソメーターの中を散策する。
ちなみにツアーバスはタンクの裏側に停車してあった

 

 

 

1900年当時、ヨーロッパ最大規模だった巨大な4つのガスタンク。
100年後の2000年前後にリノベーションされ、現在は都市センターに大改築。
最寄駅から最初に入ったタンクはショッピングセンターとなっており、
BABYMETALがライブを行うミュージック・ホールは隣のタンク。
3つ目と4つ目のタンクには企業フロアやスタジオなどの施設が入居しており、
タンクは4つとも通路で繋がっていた。

 

16時半頃にガソメーターで買い出しを行った際に待機列を確認すると、
並んでいるのはほどんどがVIPで、GAはまだ10人足らずだった。
それにしても寒風が吹き荒れると、ちょっとの時間でどんどん体温が奪われていく。
17時過ぎには並ぼうかと思っていたが、平日だからかGAの集まりは遅いようだし、
またこの強風が厄介なので、ホテルに戻った後、結局列に並んだのは18時10分頃。
その時にはすでにVIPは建物の中へ移動していて、GAの列は80人ほどだった。

 

 

 

 

19時過ぎに開場となり、いざ建物の中へ。
上着をクロークに預けてからホールに入場
第一印象は広い。
横幅があり、なおかつ奥行きもあって、2階席もある。
今回のEUツアーでは、ここウィーンとロンドン、そしてロシアの2会場以外はすべて
チケットはソールドアウトだが、この広さなら完売しなかったのも無理はなかった。

 

客層は今回も幅広かった。
若い女性も多く、コスプレをした小さな子供連れの親子の姿もいくつか見かけた。
ガチなメタラーの姿は少ないようだが、強面でガタいの良い男性は多く目についた。
僕の網膜はカップルは認識しない仕様なので残念ながらそれらの数はわからない。

 

 

 

やがて開演時刻となり、SKYNDがライブを始める。
観客の反応が最初から抜群に良い。
曲が終わるごとに大きな拍手と歓声が沸く。
それに気をよくしたのか、ヴォーカルは過去の2回よりも多めにシャウトしていた。
また音圧も申し分なく、重低音が体内にビンビン響いてきた。

 

SKYNDのライブが終わるとここでも拍手喝采。
基本的にオーストリア人はリスペクト精神が高いのだろうか。
それとも誰に対しても優しいのだろうか。
いずれにせよ、今日の観客が素晴らしい人たちであることはすぐに理解できた。

 

その後、時刻は20時となった。
SEの音が途切れると場内から歓声が沸いた。
が、何度かトライするも照明がうまく消えず、再びSEの曲が流れ始める。
そうして8分ほど遅れて、BABYMETALのライブが始まった。
刹那、場内のあちこちで大きな拍手と歓声がひっきりなしに沸き起こった。

 

 

 

 

3.

セットリスト

01. FUTURE METAL
02. DA DA DANCE
03. ギミチョコ !!
04. Shanti Shanti Shanti
05. BxMxC
06. Kagerou
07. Oh! MAJINAI
08. メギツネ
09. PA PA YA!!
10. Distortion
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!
13. Road of Resistance

 

 

今宵のライブも1曲目は「FUTURE METAL」
映像が映し出されるとさらなる歓声が沸いた。
続いて「DA DA DANCE」が始まるとフロントの3人が登場。
スポットライトが3人に当たった途端、観客は大騒ぎ。
耳をつんざくような歓声と指笛が場内を覆う。
アベンジャーズは今回も鞘師里保だった。
曲は進むが、観客はリズムに乗りつつジッと凝視している人が多い印象。
新曲だからどう乗ればいいのか分からずにいるのだろう。

 

 

 

しかしながら、次に人気曲の「ギミチョコ !!」が披露されると、
それまでおとなしめだった観客は一気に豹変した。
イントロが始まっただけで大歓声。黄色い悲鳴も何度も上がっている。
そしてピットでは激しいモッシュが起こり、誰も彼もが大騒ぎ。
モッシュの勢いは最後まで衰えず、曲が終わると再び大歓声が沸き起こった。

 

 

 

ライブはそのまま「Shanti Shanti Shanti」へ。
3人が美しくも妖艶な動きでリズミカルに踊る。
ピットにいる多くの者が縦ノリのリズムでジャンプを繰り返している。
曲が終わるとここでも大きな歓声が沸いた。

 

 

 

続いては「BxMxC」。
イントロが始まるとここまでで一番の歓声が沸いた。
SU-METALのライムとフロウは今宵も完璧で、大勢がリズムに乗って体を揺らしている。
MOAMETALと鞘師里保の振り付けもクール。完全にリズムにマッチしている。
そして途中にはピットでWODが発生。
異様な盛り上がりは曲が終わるまで続いた。

 

ライブは神バンドのソロから「Kagerou」へと続く。
ブルージーなギターサウンドに乗せて3人が艶めかしく踊る。
間奏の後には自然とクラップが発生。
大勢がグルーヴに酔いしれながら最後まで楽しんでいる。

 

続いて「Oh! MAJINAI」が披露されると、観客の熱狂具合はさらにヒートアップ。
序盤から大勢が乱痴気騒ぎといった具合に大いに騒いでいる。
サビに入るとピットではサークルモッシュが発生。
演者と観客が一体となり、ライブで化けたこの楽曲をさらに昇華させている。

 

 

 

続く「メギツネ」でも観客の興奮は収まるところを知らず、
最初から多くの者が手を上げジャンプを繰り返している。
間奏ではSU-METALの煽りに呼応し、大きなクラップ音が鳴り響いた。
後方ではまたもやWODやサークルモッシュが発生。
そうして大盛り上がりのもと、同曲は終了した。

 

しかしその後に「PA PA YA!!」がくるとフロアのボルテージはさらに上がった。
同曲でも序盤から大勢がタオルや腕を回して大騒ぎをしている。
そして最後までピットの熱量は落ちることはなく大熱狂の末に同曲は終了。
こんなにも大勢が一緒になってノリノリで躍動するのは想定していなかった。

 

そうしてフロアの熱量が高い状態で続く中、「Distortion」が投下されると、
曲間にほんの一息ついていた観客は再び熱狂。大声でコールする人もいる。
途中にはWODも起こり、フロアは終始大盛り上がり。
人々には笑顔が溢れ、快活な声が何度も頭上を交差していった。

 

続く「KARATE」でもフロアは高い熱量を保っている。
大勢がグルーヴを感じて体を揺らしている。
そして間奏に入ると、ピットの中央では自発的にしゃがむ人が増え、
SU-METALの“エブリバディジャンプ”を合図にKARATEジャンプを敢行。
各々がライブに没頭し、とことん楽しんでいる。
最後のSU-METALの渾身のロングトーンはよりエモく、思わず感涙してしまった。

 

場内が異様な雰囲気で沸く中、次曲「ヘドバンギャー!!」が披露される。
まるで神でも崇めるかのように、大量の腕が波のように揺れる。
モッシュが続いて大熱狂のまま同曲が終了すると、少しだけ間が空いた。
すると、どこからともなくBABYMETALコールが沸き起こった。
それはハンブルクやパリでのライブよりも遥かに大きいコールだった。

 

そして、ライブのクロージング曲は定番の「Road of Resistance」。
冒頭のWODは大迫力。僕は嬉々として参加する。
その後はサークルモッシュが何度も起き、中盤のシンガロングへ。
SU-METALの誘導のもと、大勢が大声で“WoW WoW”と声を張る。
最後は恒例の“We are BABYMETAL”コールでライブは終了。
今日一番の歓声が演者たちに送られる。
こうして、ウィーン公演は予想を上回る大熱狂のもと幕を閉じた。
周囲には恍惚の表情を浮かべている人たちがたくさんいた。

 

 

 

 

4.

 

心地良い気分のまま会場の外に出る。
周囲にいるオーストリア人たちはみな笑顔。
今夜のライブに満足しているようだった。
僕はホテルに戻り、今夜のライブを振り返る。

 

その前に、開場前に並んでいる時や、入場してから待っている間に、
周りを見渡しながらふと思ったことを先に記す。
当たり前だが、観客のほとんどは外国人。
それもガタイの良い髭面のいかにもメタラー然とした中年男性や、
イケメンの若い青年、初老と思しき薄毛の男性など、様々な人たちがいる。
何も知らない人が傍から見ると、ここに集まっているそういった人たちが、
まさか日本人の若い女性のライブを見に来ているとは到底思わないだろうと推測される。
なんでこういう人たちがBABYMETALに興味を持ってライブを見に来ているのだろうと、
同じような光景は過去に何度も見てきているのに、今さらながらに疑問を抱いた。
逆に言えば、こういった状況は単純に外国でのBABYMETALの人気度を示しているに
過ぎないわけだが、BABYMETALはどの国に行っても歓迎される、
国際的に人気のライブ・バンドなんだなぁと、改めてその偉大さを思い知った。

 

観客の話で言うと、今宵、会場に集まったオーストリア人は最高の観客だったと思う。
滅多に見ることのできないBABYMETALのライブだから、心ゆくまで堪能しよう、
しっかり目に焼き付け、ライブを最大限盛り上げよういう姿勢が大いに見受けられた。
「BxMxC」ではWODが発生、「Kagerou」では自然とクラップが沸き起こり、
「Oh! MAJINAI」ではなんとも愉快で楽し気なサークルモッシュを出現させた。
「KARATE」では自発的にしゃがみ込んでからのジャンプを敢行し、
「Distortion」や「ヘドバンギャー!!」でもWODが起こった。
みなが知っている「ギミチョコ !!」のイントロが流れた時の歓声はすさまじく、
同曲含め「メギツネ」、「PA PA YA!!」などは終始お祭り騒ぎの大熱狂。
ラストの「Road of Resistance」でのシンガロングの声も大きく、
今この瞬間を目いっぱい楽しもうとする個々の思いが伝わってきた。
そしてそういったフロアの熱量はステージにも間違いなく届いたはずで、
フロントの3人はいつも以上に観客に笑顔でレスを送り煽っていたように思う。
また、海外のライブでは外国人たちとモッシュすることを一番の楽しみにしているが、
今回は観客の盛り上がりに触発されて、まるで日本でのライブのように、
大声でコールしたり、がっつりヘドバンしたり、大きく飛び跳ねたりして、
つい全力を出してしまった。
すでに首が痛く、終演後はかなり疲れたが、とても心地の良い痛みと疲労だ。

 

 

ライブ自体の感想だが、今回も音響バランスが良かったので最高だった。
神バンドの演奏は今宵も非常にタイトでソリッドなメタル・サウンドを奏でていた。
ヴォーカルのSU-METALの調子もよく、とりわけ「KARATE」でのロングトーンには痺れた。MOAMETALと鞘師里保のダンスも溌溂としていて、観る者の心を鷲掴みにしていた。
また、MOAMETALは時折下手の隅の方に行って観客にキツネサインを送っていたが、
おそらくはその方向にちびっ子のファンがいたのだと思われる。

 

 

今回のライブでは予想外の盛り上げ方、盛り上がり方が多くあったために、
書きたいことはたくさんあるのだけれど、どうにも記憶が断片的だ。
それだけ熱中してライブに没頭していたのだろう。
フロントの3人と神バンドは、今宵も大変素晴らしいパフォーマンスを行い、
フロアには終始、幸福に満ちたエネルギーが溢れ返っていたが、
今回のライブはなにより観客に尽きる。彼らを大いに称えるべき。
国外でこのような心底愉快で楽しいライブを経験できるとは予想していなかった。
心の底からありがとうとお礼を言うよ、愛すべきオーストリア人たちよ。

 

Vielen Dank aus tiefstem Herzen
Geliebter Osterreicher

 

 

 

 

 

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2 件のコメント

  • いつも楽しく拝見させて頂いております。様々な状況や感想等、その場の雰囲気が味わい深く述べらており本当に、感謝、感激のあらしです。今後もお体に気を付けさらなるご報告頂けれと存じます。改めてお礼申し上げます。

  • >扇 輝明さん

    コメントありがとうございます。
    今回のウィーン公演ははじめて体験する瞬間が多く、また観客の愛情をひしひし感じた、素晴らしいライブでしたね。
    最後のお気遣いありがとうございます。無事に旅を完遂したいと思いますよv

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