BABYMETAL 海外 ロンドン ライブレポート

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1.

 

 

終始ホームのような温かい雰囲気だったマンチェスター公演の翌日。
市内の街並みを眺めながらマンチェスター・ピカデリー駅へ移動。
ヴァージン・トレインズの列車で目指す次なる目的地はイングランドの首都ロンドン。
ここ数年イギリスには何度か来ていたが、ロンドンを訪れるのは約4年ぶりだった。

 

 

 

2時間ほど列車に揺られたのち、ロンドンのユーストン駅に着いたのは午後13時頃。
そこからは地下鉄に乗り換え、宿泊地のヴィクトリア駅周辺へ向かう。
ロンドンの空は今日も曇り空。
そして2月であっても地下鉄の電車の中は蒸すほどの暑さだった。

 

 

 

少しして、ヴィクトリア駅へ到着。
4年前に購入したオイスターカードに幾らかチャージする予定だったが、
15£ほど残っていたのを失念しており、おかげでチャージする手間が省けた。
宿泊先のB&Bにチェックインしたのち、少し休憩してから会場へ移動。
何本かの地下鉄の路線が運休していたので少し迂回して目的地へ向かった。

 

 

 

午後16時頃、会場である現Eventim Apollo、旧Hammersmith Odeonへ到着。
クイーンのライブ音源も収録された歴史ある格式高い会場なので、
外観をしばらく眺めただけで感慨深いものがあった。
まだ開場3時間前だというのに、GA(一般)の待機列には200名近くいるようだ。
これだけ集まりが早いのは、イギリスでの人気の高さの表れだろう。
おもむろに最後尾に並ぶと、その後は寒さに耐えてひたすらに待った。
すぐには気づかなかったが、BABYMETALの表示の横にはSOLD OUTの文字があった。

 

 

 

やがて開場となり、建物の中へ入る。
上着をクロークに預けてからホールへ入場する。
まず初めに高さ、次にフロアの広さ、それから、2階席の広さにも驚く。
キャパ5000人のこの会場をソールドアウトさせるのだから、BABYMETALはやはりすごい。
今宵も圧倒的なライブパフォーマンスで、この大きな会場を揺らしてほしいと願う。
場内をぐるりと見渡す僕の口元には自然と笑みが湛えられている。

 

 

 

定刻となり、ホラー・パンク・バンドのCREEPERがライブを始める。
直後、CREEPERのファンが一気に前方へ流れ込み、すぐさまモッシュピットを形成。
彼らはモッシュはもちろん、大声で歌い、サーフも連発し、大いにライブを盛り上げた。
最後の披露曲で、どうもサーフをやっていた若者がステージ前で頭から落下したらしく、
CREEPERが演奏を止め、その若者をステージに上げてフォローするといった
若干のトラブルはあったものの、総じてCREEPERのライブは盛り上がって終了となった。

 

開演10分前に振り返ると、後方は2階席も含め人で埋め尽くされている状況だった。
フロアはかなり熱気が充満している。
それにしても、今夜も待っている人たちのざわつきがすごい。
単純に広いからだろうが、先日のマンチェスター公演の開演前よりも熱量が高い。
客層は老若男女入り乱れているが、女性の姿が多く目に付いた。
果たして開演時刻となり、不意に暗転。
刹那、耳をつんざくような割れんばかりの大歓声があちこちから沸き上がった。
これはとてつもなく凄いライブになる。
四方から頭上に降り注いでくる歓声や拍手の雨に打たれながら、
僕はこの広いフロアが狂乱のモッシュピットと化すのを開演直後に確信する。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. FUTURE METAL
02. DA DA DANCE
03. ギミチョコ !!
04. Shanti Shanti Shanti
05. BxMxC
06. Kagerou
07. Oh! MAJINAI
08. メギツネ
09. PA PA YA!!
10. Distortion
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!
13. Road of Resistance

 

 

定番の「FUTURE METAL」でライブはスタート。
他の会場でのライブ以上に、同曲で大きな歓声が何度も上がる。
続いて「DA DA DANCE」が披露されると、序盤から観客はノリノリの状態に。
リズムに合わせて体を揺らし、サビでは多くの者が一緒になって歌っている。
ヴォーカルのSU-METALの調子は今宵もかなり良いようだ。
クリアな高音ヴォイスが広いホール内に響き渡っている。
そして曲が終わると大歓声が沸いた。
フロアは早くも異様な熱気に包まれている。

 

続いて代表曲の「ギミチョコ !!」が始まるとフロアはさらに熱狂。
大勢が笑みを浮かべて激しいモッシュピットを形成する。
MOAMETALと岡崎百々子が満面の笑みで躍動する。
SU-METALも笑顔が多く、3人で目配せしながらステージングを楽しんでいる。
ピットは終始モッシュが繰り返され、快活な声は頭上を飛び交い続けた。
間奏ではクラップ音が鳴り響き、何人かはクラウドサーフに興じた。

 

ピットが活況を呈する中、続いて披露されたのは「Shanti Shanti Shanti」
軽快なリズムに合わせ、3人がステージ上で美しくステップを踏む。
SU-METALの弾む声が心地よく場内に響き渡る。
フロアの観客は縦ノリのリズムに合わせて声を発し、終始飛び跳ねっぱなしだった。

 

ピットには人々の笑い声が溢れている。
こんなに楽しいライブはないと僕も満面の笑みを浮かべる。
そんな中、「BxMxC」が始まると、場内のボルテージはさらに上昇。
大勢がリズムに合わせて大きく体を揺らし続ける。
SU-METALの渾身のフロウが炸裂した直後は、ピットはカオスな状態に。
観客は激しく躍動し、場内には‟B! M! C!”コールが溢れ返った。

 

続いて神バンドのソロから「kagerou」が始まる。
個々の高度な演奏に、観客が何度も歓声を上げる。
シンクロした3人の妖艶かつしなやかなダンスに目を奪われる。
SU-METALの大人びた歌唱が胸に染みてグッとくる。
僕は唇を噛み締めながら周りの者たちと一緒になってジャンプを繰り返す。
グルーヴを強烈に感じているのだろう、首や体を揺らしている観客の姿が多く目に映った。

 

続けざまに「Oh! MAJINAI」が披露されるやピットは即座にお祭り騒ぎ。
多くの者が笑みを浮かべ、序盤からノリノリになって騒ぎまくっている。
終盤になってもピットの勢いはまったく衰えることはなかった。
大サビでは多くの者が笑みを浮かべてライブを心底満喫していた。

 

大熱狂のライブは「メギツネ」へと続く。
3人がステージに再登場するまでの間、ピットではローイングモッシュが繰り返された。
曲が始まるとピットは再びお祭り騒ぎ。
大きな‟ソレッ!”の掛け声が四方で上がっている。
そして拍手が沸く間奏ではサークルモッシュが巻き起こり、
やがてそれはSU-METALの掛け声を境に、ジャンプして狂喜乱舞する様へと変わっていった。

 

場内の興奮は最高潮に達しようとしている。
が、続けざまに「PA PA YA!!」が披露されるとフロアはさらなる熱気に包まれた。
SU-METALの‟Are you Ready?”の掛け声を合図にピットは大爆発。
パイロから大きな炎が上がり、大勢が手やタオルを振り回しながら何度も飛び跳ねる。
終盤になっても熱狂具合は収まるところを知らず、
フロアにいる観客のほとんどは最後まで声を張って無我夢中で踊り続けた。

 

続く「Distortion」では冒頭でWODが発生。
激しいモッシュが続く中、観客たちの‟Wow Wow Wow”の声が大きく響く。
間奏にはサークルモッシュも出現、観客が笑顔で走り回る。
そうして観客を熱狂の渦に巻き込んで同曲は終了した。

 

 

 

続いて「KARATE」が始まると、大勢がリズムに合わせて一斉に体を揺らした。
威勢の良い‟セイヤ”‟ソイヤ”の掛け声がホール全体に響く。
間奏ではしゃがんでからの一斉ジャンプを敢行し、場内は興奮の坩堝と化した。
渾身のSU-METALのロングトーンに心の底から酔いしれる。

 

次曲「ヘドバンギャー!!」でも観客は頭と体を揺らして大熱狂。
日本語での‟こいや!”のコールも大きい。
間奏中には嬉々として土下座ヘドバンに興じた。
手拍子のあとに曲が終了すると、周囲からは大きな歓声が沸きおこった。

 

‟BABYMETAL”コールが発生したあと、ライブのラストを飾ったのは「Road of Resistance」。
冒頭のWODは今夜のライブで一番の大きさ、激しさだった。
フロンの3人がステージ上でクールに、そして力強く歌い踊る。
神バンドの演奏は非常にタイト。怒涛のブラストビートが地を這って襲ってくる。
途中のシンガロングの声も大きく、大勢が拳を振り上げ大声で叫んでいる。
最後は恒例のC&Rでライブは終了。大盛況のもと幕を閉じた。
大いなる感動が胸に押し寄せ、僕は人目も憚らずに涙する。
ステージング全体の質、音響、そしてなにより観客の一体感。
過去に外国で見たBABYMETALの単独ライブの中で今夜のライブは文句なしに一番だった。
最後のエンドロールを眺めながら、僕は恍惚の表情を浮かべてライブの余韻に浸り続けた。

 

 

 

 

3.

 

大満足のライブを終えて会場の外に出る。
周囲に屯している現地のファンたちの顔には笑顔が溢れている。
僕は口元に笑みを湛え、ダウンジャケットを羽織りながら最寄り駅へ向かう。
帰りの電車に揺られながら、たった今終わったばかりの今夜のライブを振り返る。

 

今夜のライブを一言で形容するならば、それは完全なる‟ホーム”であったということ。
昨夜のマンチェスター公演も終始温かい空気に包まれていたが、
今宵のロンドン公演は、雰囲気から熱狂具合まですべてにおいてそれを上回った。
今夜の公演は、まさに日本でのライブのようだった。
開演前から終演となるまで、場内には絶えず期待と興奮と歓びの声が満ち溢れ、
特にピットの観客は最初から最後まで体を動かし続けてライブを全力で満喫した。
僕も彼らに釣られ、日本でのライブのように終始笑顔で声を張って騒ぎまくった。
人生においてこんなに楽しい経験は他にはないといった具合に全力を出して楽しんだ。

 

フロント3人のパフォーマンスも素晴らしいものだった。
SU-METALの歌声はまるで生き物のようにうねりを上げ、
この広い会場の隅から隅まで響き渡った。
それから、どの楽曲においても魂が篭っていて、ロングトーンやシャウトは鳥肌ものだった。
MOAMETALと岡崎百々子のダンスルーティンも目を見張るものがあり、
楽曲ごとに違った魅力を発揮し、観客を大いに魅了した。

 

また、単純にライブが楽しいからなのか、それともロンドンの観客のノリに大きな手応えを
感じたからなのか、ライブ序盤から3人には笑顔が多く見られた。
そして最後のC&Rでの、MOAMETALの長い長い‟BABYMETAL!”の叫びには、
それらの要素、ライブの楽しさ、観客の反応の良さに対する彼女からのお礼の気持ちが
大いに込められているように感じ取れた。
余談だが、「Oh! MAJINAI」で3人が満面の笑みで向き合って手を叩いてステップを踏んで
パフォーマンスする姿を眺めていると、ふとさくら学院の「ベリシュビッッ」を想起した。
ひょっとしたらだが、3人もさくら学院生だった頃を思い出しながら踊っていたかもしれない。

 

会場の音響も抜群に良かった。
神バンドの演奏は今宵も非常にタイトで、何度も痺れる感覚を味わった。
とりわけアンソニーのブラストビートは破壊力抜群だった。
音圧もかなりあったので、随分と爆音を堪能することができた。

 

1週間前に渡欧したばかりだったので、最初は行くかどうするか迷ったイングランド2公演。
弾丸でタイトではあったものの、今は本当に来て良かったと心から満足している。
ピットの爆発具合だけではなく、大勢が日本語で歌いコールする様は完全にホームだった。
イギリスでの単独ライブの記憶は2016年のウェンブリーアリーナで止まっていたが、
その記憶は今宵、最高の思い出として書き換えられた。

 

 

最後に、今回のEUツアーで、僕は幸いにも7公演に参加することができた。
巡った国はドイツ、オーストリア、フランス、そして今回のイングランドの4ヵ国。
英2公演の熱狂具合は凄まじかったが、どの会場においてもライブは大いに盛り上がった。
BABYMETALに対する期待感、愛情やリスペクトが感じられたのはもちろん、
他の観客に対する配慮も十分あったので、どの会場でも大きな一体感が生まれた。
改めて言うまでもないが、BABYMETALのライブは、国籍や言語、年齢や性別など関係なく、
参加する者全員を笑顔にさせ、幸せな気分に浸らせてくれる。
この極上な幸せをまた体験したいと願えば、それだけで僕はこれからも頑張って生きていける。

 

 

 

 

 

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6 件のコメント

  • こんにちは!
    初めてレポ読ませて頂きました。
    素晴らしいレポをありがとうございます(●︎´▽︎`●︎)
    1つ質問なんですが、ハマースミスオデオンは収録入っていませんでしたか?
    オレみたいなold ROCK、Metalファンにはとんでもなく憧れのハコなので、BABYMETALがデロ出してくれたらめちゃくちゃ嬉しいんですけどね~。
    forum、幕張2days、次はハマースミスオデオンで!笑

  • >にしやんさん
    コメントありがとうございます~
    撮影隊は入っていたという情報は小耳にはさみましたけど、
    自分のいたフロアからだとそれはちょっとわからなかったですね。
    個人的には、僕も旧ハマースミスオデオンでの映像はパッケージ化してほしいと願っていますv

  • なるほど、ありがとうございます!
    期待膨らみますね!
    ついでにお聞きしますが「see you!!」は相変わらず言わないんでしょうか?
    何度もすみませんm(_ _)m

  • >にしやんさん
    そうですね。以前のように、3人がステージ袖にハケていく終わり方ではなく、
    照明を落として終演となるので、SEE YOUは言わないかたちですね~

  • EUツアーでの最高の盛り上がり!ライブとしての超有名な会場ですからライブ盤が欲しいです。
    度重なる弾丸ツアー本当にいつも頭が下がります。有難うございました!!!

  • >KUROTURI-METALさん
    いつもコメントありがとうございますノ
    ライブ盤もいいですね、映像ものとセットで出てくれるとうれしいなぁ。

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