BABYMETAL 海外 パリ ライブレポート

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1.

熱狂し、感動もした昨夜のハンブルク公演の余韻に浸りながら駅へ移動。
切符を買い、ハンブルク中央駅からハンブルク空港へ向かう。
行きと同じSバーンだから大丈夫だろうと高をくくっていると、
SバーンとUバーン(地下鉄)の電車の発着が入り乱れていて、
どうにもプラットフォームが多すぎてよくわからない。
総合案内で確認したプラットフォームへ行き、
念のために近くにいた係員に聞くと、今停車中の電車に乗れという。
車体の感じや表示されてる行先がちょっと怪しいなと思いつつも、
これだと言うから乗ったら案の定、電車は空港とはまったく逆の方へ。
2駅目で気づいて降車し、再度ハンブルク中央駅へ戻ると、
ちょうどエアポート行きの電車が数分で来ると表示されてあった。
その電車に乗車し、予定より1時遅れで空港へ到着。
余計なタイムロスに、ちょっとだけ気分はブルーになった。

 

その後も荷物を預けるのに手間取ったり、
セキュリティ検査に引っかかって時間を食ったりしたもののなんとか離陸。
パリ=シャルル・ド・ゴール空港に着いてからは電車で市内へ。
ハンブルクのことがあったから、ホームにいたフランス人らしき女性係員に
念のため「Gare du Nord(パリ北駅)へはこのRER B線の電車で合ってるの?」と
拙い英語で尋ねたところ、少し離れた場所からでも風貌で日本人だとわかったのか、
笑みを浮かべて「そうです、合ってます!」と元気一杯に日本語で答えてくれた。
なんだか嬉しくなった僕はつい「ありがとうございます、綺麗なお姉さん!」と返す。
その言葉を受けてはにかむ彼女の姿はとてもチャーミングだった。
日本で若い女性に道を尋ねても、なかなか後半の語句を口にすることはない。
意外なホットタイムに、ブルーな気分はだいぶ消え去っていった。

 

 

 

約45分後にGare du Nordへ到着。
2016年のDownload Festival Paris以来、約4年ぶりに見る光景。
懐かしさを覚えながら徒歩で宿泊先のホテルへ向かう。
どうも嵐が近づきつつあるようで、風がだんだんと強まってきている。

 

 

 

ホテルにチェックインした後、16時頃に現地へ。
今日の会場であるエリゼ モンマルトル劇場前にはツアーバスが停車していた。
その後、現場で仕切っている外国人男性にチケットを見せる。
ナンバリングはP32。Pはプレステージ、いわゆるVIPチケットだ。

 

BABYMETALの海外公演はいつも一般チケットなのだが、今回は特別に、
2015年のフランクフルト公演以来、約4年半ぶり2度目のVIPチケットをゲットしていた。
なぜそうしたのかというと、この公演のみ、チケットの一般販売がVIPよりも遅く、
発売開始直後すぐには一般チケットを買えそうもなかった(時差や諸々の理由)上に、
会場のキャパも大都市パリにしては小さかったので、早めに安心するために、
先行販売されたVIPチケットを入手したというわけである。
随分と値は張ったが、たまにはいいかという思いで購入した。

 

 

 

強風が吹く中しばらく待っていると、プレステージと一般で列が分けられた。
その後少しずつ会場の方へ移動していく。
開演が19時半なので、プレステージの開場は17時半かなと思っていたが、
18時過ぎになってようやく入場。
それまで寒さで震えていたが、中に入って暖を取ることで生き返った。
クロークに上着を預けてからホールへ入場する。

 

 

 

1380のキャパの割には意外と広く感じる。
4~5列目なら視界が悪くなるし、今回もピット中央で観ようと思ったが、
たまたま2列目に入れたのでその場に待機。
少し逡巡したのち、今日はこのままこの場所にいようと決める。
圧縮は国内のライブほどではないのでたぶん大丈夫だろう。

 

 

 

やがて開演時刻となり、SKYNDがライブを始める。
最前中央に陣取っている外国人たちが音頭を取って盛り上げている。
近くで見たせいか、ライブは昨日よりもよく感じた。
音響は今回も良さそうだ。
音圧も高めなので期待が持てる。

 

 

 

30分ほどでSKYNDのライブが終わる。
振り返ると、後方まで人がぎっしり。
場内には熱気があふれている。
客層は昨日のハンブルクよりも女の子の姿が良く目についた。
メタラーの数もそれなりにいる。
若者も多くいるから、年齢層はかなり幅広いようだ。
開演近くになると、自然とBABYMETALコールが発生。
次第に熱量が上がっていった。
そして定刻となり、BABYMETALのライブが始まる。
刹那、場内には耳をつんざくような大歓声が沸き起こった。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. FUTURE METAL
02. DA DA DANCE
03. ギミチョコ !!
04. Shanti Shanti Shanti
05. BxMxC
06. Kagerou
07. Oh! MAJINAI
08. メギツネ
09. PA PA YA!!
10. Distortion
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!
13. Road of Resistance

 

 

1曲目は「FUTURE METAL」。
後半、映像に合わせて観客が合唱を始める。
これは初めての経験だった。
もしかしたら今後、他国、他会場でも浸透していくかもしれない

 

 

 

ライブはそのまま「DA DA DANCE」へ。
久々に近くで見るBABYMETALに思わず見惚れる。
SU-METALのスタイルの良さ、凛とした表情を間近で凝視していると、
会場を見渡しながら急に満面の笑みを浮かべたりする。
そのギャップが堪らなく良い。
そして瞳には、夢みる少女のような無垢な輝きがキラキラと宿っている。
パワフルで心地よい歌唱は言うに及ばず。

 

MOAMETALの細さ、美しさ、豊かな表現力、艶めかしいダンスも強烈なインパクト。
これほどまでに美しくなったのかと、しばし凝視し続ける。
そしてアベンジャーズの鞘師里保は、下手ということもあり、
一番長く間近で見たのだが、これが鞘師かと息を呑む瞬間が多々あった。
まずダンスのすごさ。時にきめ細かに踊り、時にダイナミックに躍動する。
次に表現力。視線や口元の動きの一つひとつが計算されているかのように、
リズムや振付に絶妙にハマっている。
そして躍動する際の顔や腕の微かな皮膚の揺れ。
近くで見ると、色白できめ細かい肌なのがよくわかった。
そんな風に、初めて間近で見る鞘師には幾つもの発見があったのだが、
だけど僕には、最大限の愛情をこめて
“まるで玉のような赤ちゃん”だったとしか言いようがない。
彼女を賛辞する最適な言葉を考えようとしたが、
最初に感じたそのインスピレーションが頭から離れないのだから仕方がない。

 

 

 

続いては「ギミチョコ !!」
人気曲なので歓声が凄まじい。圧縮も少し強度を増している。
間奏で笑顔を振りまく鞘師に見惚れる。
3人の動きのあったダイナミックなダンスを間近で見ると、より迫力があった。

 

 

 

次曲「Shanti Shanti Shanti」が始まると大きな歓声が上がる。
ほとんどがライブで初めて見る曲だからなのだろう。
3人の息の合ったダンスは大層見応えがあった。
何も考えずに、ただただその優雅な舞のようなダンスに魅了される。

 

 

 

ライブはそのまま「BxMxC」へ。
完璧に音にハメるラップ・ダンスの凄みを目の当たりにする。
SU-METALのライムやフロウも凄まじい
完璧にリズムにも乗っているから、ラッパー歴は長いんじゃないかと錯覚してしまう。
本人もこの曲はかなり気持よく歌えているのではないだろうか。

 

その後は神バンドのソロから「Kagerou」が始まる。
アンソニーのドラムソロに痺れる。
鞘師里保の入場シーンが艶めかしい。
3人による情熱的なダンス、ブルージーなギター・サウンド、
そして大人びた歌唱を披露するSU-METALのヴォーカルを心底堪能する。

 

熱狂のライブは「Oh! MAJINAI」へ。
3人が並んで仲良く踊る様を見ているとほっこりする。
観客の盛り上がりも上々。圧縮はどんどん激しくなっている。
映像のヨアキムに目をやると、やはりどうしてもプッと噴き出してしまう。
最高だ。ヨアキムのキャラクターの良さが本当によく反映されているなぁと感心する。

 

 

 

続いては「メギツネ」。
人気曲なので会場のボルテージはぐんぐん上昇。
ギュウギュウの圧縮の中、なんとか「ソレッ!」と手をあげる。
ブレイクダウン後にMOAMETALが何か言葉を発したが、よくはわからなかった。
SU-METALが会場を煽る中、拍手を促す鞘師の姿を微笑ましく眺める。
やがて同曲は大盛り上がりのもと終了した。

 

続いて「PA PA YA!!」が披露されると場内のボルテージはさらに上がった。
最初はタオルを振り回していたが、どうしても視界を遮ってしまうので途中から自重。
間奏でのSU-METALの表情に魅了される。
こんなにも表情豊かに楽しく踊っているのかと思うと涙腺が緩くなる。
MOAMETALのダンスは、さらに品を増したように思う。
まったく息切れすることなく踊る様子は南国の踊り子のようでなんとも可愛らしい。

 

 

 

場内の興奮そのままに、ライブは続けざまに「Distortion」へ。
外国人たちに負けないように、腹の底から「ギバーッギバーッ」と声を張る。
間奏では大勢によるクラップ音が場内の空気を揺すった。
間近で聴くSU-METALのロングトーンは切れ味鋭い凄みがあった。

 

 

 

ややあって「KARATE」が披露される。
大勢が体を大きく揺らして全身でグルーヴを堪能する。
間奏のシーンはじっくり堪能。
SU-METALが2人を引っ張り起すシーンはやはり胸にジーンとくる。
その後のKARATEジャンプも大盛況。
SU-METALの最後の魂のロングトーンに酔いしれる。

 

ライブは「ヘドバンギャー!!」へと続くが、場内の熱気はまったく衰えない。
曲が始まるなり大歓声が起こる。
外国人たちが一斉に“キ・エ・ロ!”のコール
ライブは終盤で、かなりしんどいはずなのに、
MOAMETALは涼しい顔のまま激しく踊り続けている。
体調もしっかり自己管理ができているようで、
華奢な体から繰り出されるシャープな動きの連続には感銘すら覚える。

 

 

 

そして今宵のライブもラストは「Road of Resistance」
おそらく後方ではWODが起こっているのだろう。
狂乱の声が耳に入ってくる。
リズムに乗った3人のダイナミックなダンスに魅了される。
ドラムの怒涛のブラストビートに痺れる。
間奏では大きなシンガロングが起こり、大盛況のもと同曲は終了。
最後は恒例の“We are BABYMETAL”コールでライブは幕を閉じたが、
最後に見せたMOAMETALの表情が、今夜のライブに対する満足度を表わしていた。
爆発的に熱狂する観客たちの様子を心底嬉しく感じたように見受けられた。

 

 

 

 

 

3.

ライブ終了直後にはBABYMETALコールが発生。
アンコールを促すのではなく、リスペクトを表わしているのだろう。
終演後も観客はなかなか帰ろうとはしなかった。
見知った同志で顔を輝かせながら、今夜のライブのことを熱く語り合っている。
仲良く記念撮影する人も多くいた。
今宵の思い出を皆と強く共有するため、各々が今この瞬間を大事に過ごしている。

 

多幸感に包まれながら会場の外に出る。
上着を羽織りながらホテルへ向かう。
最前近くで観たのは、2017年の5大キツネ祭り(Zepp Osaka Bayside)以来だが、
あの時は圧縮が強烈だったので、ステージをじっくり見ることはほとんどできなかった。

 

その点、今日は、圧縮はあったもののそれほどでもなかったので、
存分に間近でBABYMETALのライブを堪能することができた。
あの近い場所では、やはりモッシュやヘドバンなどはせずに、
じっくりと鑑賞(もちろん音楽にはノリながら)することが賢明だろう。
いや、じっくりと凝視せずにはいられない、最高の演者たちなのだ。
彼女たちには大勢を惹き付ける魅力がそれぞれ備わっているなと改めて実感した。

 

 

 

よし、またいつの日かVIPチケットは買ってみよう。
10回に1回くらいの頻度で。
そんなことを考えながら僕はホテルへ戻る。
会場に着いたのも夕方だし、最前近くで観ることはまったく期待していなかったが、
運良く2列目でライブを鑑賞することができ、随分と堪能することができた。
偶然のハッピータイムに、僕の気分はブルーとは無縁の清々しさで満たされている。

 

 

 

 

 

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