BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN 神戸ワールド記念ホール公演初日 ライブ レポート

 

1.

先週行われた「BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN」幕張イベントホール2公演、そして10月28日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催された「BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN EXTRA SHOW “DARK NIGHT CARNIVAL” 」に続き、本日10月30日より、「BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN」神戸ワールド記念ホール公演が2日間に亘って行われる。今回は終わったばかりの初日の公演の模様をお届けする。

 

 

 

当日、東京から新幹線で神戸へ向かった。現地の天気予報は晴れ時々曇り。雨は大丈夫そうだなと空を見上げつつ、予約先のホテルへ向かう。小休憩した後、半袖にハーフパンツの恰好で会場である神戸ワールド記念ホールへ。到着したのは午後16時頃。会場付近は黒いTシャツを着た人たちの群れで溢れ返っている。コスプレをした女性の姿もちらほら目についた。また市民広場駅や建物周辺では、自作アイテムを製作したメイトたちが他のメイトへ配布している様子も目に留まった。

 

 

 

17時頃に、モッシュピットの集合場所である市民広場へ移動。少し気温が下がりつつあるようだが、そこまで寒いといった感覚はまだない。辺りを見回したところ8割以上が男性のようだ。開場時間を過ぎると少しずつ移動が始まった。果たしてセキュリティチェックと顔認証をパスし、18時過ぎにホールの中へ入る。指定エリアはL3ブロックだった。僕のいる位置はアリーナの真ん中あたりだろうか。神戸ワールド記念ホールに来場したのは今回が初めてだったが、ざっと場内を見渡したところ、幕張イベントホールや舞洲アリーナに似ているのかなという印象を抱いた。

 

 

 

客入れBGM(SE)はDream Theater、Metallica 、Behemoth、聖飢魔Ⅱ、Slipknot、Arch Enemy、Iron Maiden、Bring Me The Horizon 等々。そして Bring Me The Horizon の「Drown」が流れている最中に不意に暗転すると、周囲から大きな歓声が沸き起こり、早くも‟ SABATON ”コールが発生。ややあって、ウォーメタルバンドのSABATONがライブを始める。わずか2日前の‟ DARK NIGHT CARNIVAL ”の興奮が鮮明に蘇ってくる。今宵も間違いなくぶちかましてくれるはずだ。抑えきれない興奮に背中を押され、知らず僕も腹の底から「ヨアキーム!」と大きな声を張り上げている。

 

定番の「Ghost Division」でライブはスタート。今宵も「Swedish Pagans」で大合唱が起きる。2日前のたまアリ公演でのSABATONに対するオーディエンスの反応は大変素晴らしかったが、本日の観客の反応も上々だった。そんな客の反応を見て気分が良くなったのだろう。ヴォーカルのヨアキムは何度も感謝の言葉を口にしている。彼らのライブは高い熱量を保ったまま「The Last Stand」「Primo Victoria」と続いていった。そうして「Shiroyama」では‟サムッラァイッ!”と大勢が一緒になって歌い、「To Hell And Back」で熱かったライブは終了したのだった。

 

ライブが終わっても周囲は喧噪の最中にある。SABATONのライブを始めて体験した方は満足したのではないだろうか。周りにいる人たちはみな笑みを溢しているし、場内は熱気に包まれたままの状態が続いている。それから8時10分頃に、いよいよBABYMETALのライブが始まった。暗転した途端に大声を張るメイトたち。2日前の “ DARK NIGHT CARNIVAL ” では最前付近でがっつりショーを観たが、今日は最初からピットでモッシュしてみんなで楽しく騒ごうと決めてあった。だからだろう、ライブが始まった刹那、胸が高鳴り、すぐにでも手足を動かしたい衝動に駆られた。僕は瞳を爛々と輝かせながらステージを凝視する。視界には数多くのキツネサインが掲げられている。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01.IN THE NAME OF
02.Distortion
03.ギミチョコ!!
04.Elevator girl
05.GJ!
06.紅月-アカツキ-
07.Starlight
08.メギツネ
09.KARATE
10.Road of Resistance
11.THE ONE

 

“METAL RESISTANCE EPISODE VII – APOCRYYPHA -”。

The CHOSEN SEVEN のオープニング・ストーリー・ムービーが流れる。ややあって「IN THE NAME OF」が始まると軽い圧縮が起こった。僕はリズムをとりながら同曲を堪能する。ステージ上段に黒装束の7人が並んでいる。たまアリでは別のドラマーだったが、今夜はいつもの青山神のようだった。

 

場内には赤いレーザー光線が飛び交っている。続く「Distortion」が始まると、ピットではサークルが出来上がり、小さなWODが起こった。そのままなし崩し的にサークルモッシュが始まる。僕はサークルモッシュの輪の中央でタオルを振り回しながら ” ギッバー、ギッバー ” と声を張る。音響バランスもまずまずで、とても気持ちがよい。ステージで踊る7人の隊列がクールだ。周囲にいるメイトたちはまさにお祭り騒ぎといった感じで体を動かしていて、場内の熱狂は益々ヒートアップしていった。

 

そのまま曲は「ギミチョコ!!」へと続いていった。イントロが始まった途端にモッシュが起こるのはいつものこと。その後モッシュはすぐに落ち着き、周りには程よいスペースができていたので、僕はやや後方で「音」を貪るように小さくヘドバンを始める。刹那、左顔面に衝撃が走った。暗い中だったのでよくわからなかったが、どうも左斜めから他のメイトの方が僕のほうに向かって走ってきてぶつかったようだ。ぶつかった後、右へ走り向けていったその人を確認すると、こっちを向いて謝るジェスチャーをとっていた。僕は左目を抑えつつ、ステージの方へ視線を戻す。サークルモッシュは起こってないのになぜ走ってる? そして走るにしてもなぜ前を見て走らない? といった疑問が頭の中を駆け巡ったが、起こった後にいろいろ言ったところで何も始まらない。それよりも今はライブが優先だ。左目周辺は痛いが、我慢できないほどではないので、僕はそのままライブを楽しもうと考えていた。

 

が、目を押さえていた左手を確認すると、手のひらが血で真っ赤に染まっていたので、僕は急いでタオルで左目を覆い、それから少しばかり逡巡したのちに退場した。廊下に血が滴り落ちていたので、誘導してくれた係員に謝りながら救護室へ入る。ここにきて急激に痛みが大きくなってきたので表情を歪めながら椅子に座ったが、「大丈夫ですか?」と優しく声をかけてきて濡れたタオルを患部にあてがってくれた、白衣を着た若い女性がめちゃくちゃ可愛かったので、僕は「こんなの全然平気ですよ」と強がりを言い、強張った笑みを浮かべた。「流血さえなければすぐにでもフロアに戻りたいくらい元気です。えへへ」。本当は泣きたいくらい痛いのに、左目を大きく見開いてアピールする。悲しいかな、これがモテない男の憐れな性(サガ)である。

 

「紅月」を歌うSU-METALの声に耳を傾けつつ、スタッフの方と何度かやり取りをしたところ、こういう場合はタクシーで近くの市民病院の救急に向かうとのこと。どうやら緊急時におけるマニュアルのようだ。果たしてタクシーが到着したので、係員に出口まで誘導してもらい、タクシーに乗車。一路近場の市民病院へ向かう。夜間の救命救急センターで受付を済ませると、とりあえずの応急処置と血圧測定を行うとのことで場所を少しだけ移動。30代と思しき女性の方が対応してくれた。それにしても病院内は寒い。半袖ハーフパンツという格好でいることもあって寒気を感じ始めていた。

 

怪我をした状況を訊かれたので正直に「ライブ中に」と答えると、「誰のライブだったんですか」と再度尋ねられた。「BABYMETAL」と伝えると、「ああ、サマソニで観たことがあります」と笑顔で返答。「ダンスがすごくて驚きましたよ」。それから彼女は血圧を測りながら「フェスが大好きなんですよ。あとパンクも好きで、昔はよくハイスタのライブに行ってました」と話を続けたので、僕は寒さで小刻みに震えながら「そうなんですね。僕もフェスやライブは好きで、よく行きますよ」と強張った笑みを浮かべながら彼女の話に合わせた。「さっきまでライブで興奮していたせいか、今もほら、武者震いが止まりません。ははは」。本当は寒さで震えて今にも泣き出したいくせに。なんともモテない男の悲しい性である。

 

それからは耐える時間が続いた。廊下の椅子に座って診察の順番を待ち続けるが、外来患者の数が多いこともあって、なかなか順番が回ってこなかった。待っている間にスマホでTLを確認したところ、BABYMETALのライブはすでに終わっていて、ライブを絶賛するツイートで溢れていた。僕は一抹の寂しさと誇りを感じながらそれらのツイートを眺めていた。そして今回の怪我による離脱のことに触れるのはホテルに戻ってからにしようと思っていた。なぜならば歓喜の声で溢れているTLに水を差してしまうから。

 

しかしながら、そういうわけにもいかなくなった。待ち時間が1時間半を過ぎたあたりで、どうにも寒さに耐えきれなくなってしまい、僕は10時半ころに現在の状況をツイートしてしまった。それに対して本当に数多くの方が心配のリプライを送ってくれた。この場を借りて御礼申し上げます。皆さんの心配や励ましがあったので、その後はあまり落ち込むことなく過ごすことができました。

 

その後診察の順番が回ってきて、結局、左目の上を5針縫った。麻酔の効き目が薄かったのでそれなりに痛かった。抜糸は都内の病院で行うので、紹介文を書いてもらい、支払いを済ませてから病院を後にする。時刻は11時半を過ぎたあたり。最寄りのポートライナーの駅まで歩こうと思えば歩けたが、おそらく最終には間に合わないだろうからタクシーで三宮へ移動。ホテルに戻った時には午前零時を回っていた。

 

ホテルのフロントにいたのは女性スタッフだった。見た感じ、30歳前後だろうか。部屋番号を言ってカギを受け取る際に、僕の顔の目の上の白いガーゼが気になったのか「大丈夫ですか?」と声をかけてきた。僕は口元に笑みを浮かべて「全然大丈夫ですよ。こんなの、ただの擦り傷です」と、ここでも強がる。本当は心身ともにかなり疲弊して今にも泣き出したいくせに。なんともモテない男の悲しい(ry。

 

こうして、いろいろあった本日のライブ参戦は中途半端、いや、BABYMETALのライブはほとんど観ることなく終了となってしまった。僕は涙目で、血で赤く染まったBABYMETALのクラッシュロゴタオルを洗う。ライブ中の出来事に関しては気持を切り替えているはずなのに、なぜ涙目になっているのか。それは3人の女性の前で強がってしまったから、なのかもしれないし、違うのかもしれない。とにかく今回の経験、ピットでは常に周りに気を付けるという教訓を胸に眠りにつくことにしよう。

 

 

 

 

 

4 件のコメント

  • お疲れ様です。大変でしたね。きっと辛いこと以上の素敵な事が未来には待ってますからね。なんの根拠もありませんが。

  • 時として無情な出来事がおきてしまいますね。
    私の身にこんな事が起きてしまったら、人生そのものを悲観してしまいそうです。
    TERIさんの文章から前向きで強く生きる気持ちをもらい、私も強くあらねばと思うしだいです。

  • >ナカヒガシ様
    温かいコメントありがとうございます。そう言っていただけるだけで十分前向きな気持ちになりましたよ。ありがとうございました。

  • >METAMETAL様
    コメントありがとうございます。
    なんというか、起きてしまったことで嘆くより、もういっそのこと笑いにしてやれと、
    無理やり前向きに捉えました。そうでもしないと、気持ちを切り替えて次の日の最終ライブに臨めないと思いましたので^^;

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