BABYMETAL 海外 シカゴ ライブレポート

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1.

「巣鴨に行ってみればいいんじゃないですかね」

後輩のK山くんと久しぶりに会ったときのこと。

ふと、70歳を超えた親戚のおばさんへ贈り物をするという話をし、
何がいいかなと、なんとはなしに尋ねてみたところ、
K山くんはまじめな顔つきでそう答えた。
「だってほら、巣鴨は ‟おばあちゃんの原宿” って言いますから」

 

「それは聞いたことがあるけども」
僕は少しだけ眉根を寄せる。
「でも、わざわざ巣鴨まで行くのもどうかと」

 

「何を言ってるですか先輩」とK山くんが仰々しく言う。
「おばあちゃんの原宿ですよ? 行かなくてどうするんですか」

 

「うーん」と返す僕の眉は八の字のままだ。
「あまり行ったことがない場所だし」

 

「大丈夫です。先輩なら、すぐ街になじみますよ」
そう言うと、K山君はニヤニヤしながら僕の顔をジッと見つめた。
「先輩は昔から老け顔だし、今だってもうジジイみたいだし、そのうちお迎えが来るし」

 

くー、なんだとこのやろう!
と、一瞬声を荒げようと思ったが、僕は苦笑したまま黙り込んだ。
悔しいが、K山くんの言うことはいつだって正しい。
確かに僕は若い頃から老け顔だし、巣鴨の街が似合う日が来るのもそう遠くはないだろう。

 

とはいえ、ずっとK山くんのターンなのも癪だったので、
「いや、だから」と僕は別の切り口で口答えをした。
「別に洋服を買おうとは考えてなかったし」

 

「あのですね先輩」、途端にK山くんが身を乗り出す。
「おばあちゃんの原宿だからといって洋服ばかりのお店じゃないんです」と捲し立てる。
「古き良き日本の風景が残る巣鴨地蔵通りにはなんだってあるんですよ」

 

「ああー」と語尾を伸ばしながら僕は逡巡する。「地蔵通りか」
「そうです。地蔵通りです」
K山君が一息ついてから続ける。
「あの商店街にはいろんなお店がありますからね。
とりあえず歩き回ってみれば、なにかヒントになるようなものが見つかるはずですよ」

 

「そうだな」、K山くんがそう言うので、僕はそれに従うことにした。「そうするよ」
確かにジッとして考えるよりも、歩いていろいろ見て回った方が得策だろう。
そう意に決めた僕は、早速週末に、
親戚のおばさんへのプレゼントを買うために巣鴨へ向かった。
住んでいる場所からは電車で1時間もかからないから、あっという間に着くはずだった。
が、しかし――。

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば僕は「スガモ」ではなく「シカゴ」に来ていた。
あー、はいはい、‟スガモ スガモ”言うてたら知らないうちに訛って‟スィガモ”になって、
それから‟スィガモ シガモ シガコ シカゴ”で‟シカゴ”になったってそんなバカなことあるかーい。
原因はわからないが、とにもかくにも来てしまったからには仕方がない。
偶然にも今日はBABYMETALが単独ライブをやるらしいのでそれを観に行くことにする。

 

 

 

空港からホテルまではUberで移動。
電車で移動する手段もあったが、すでに15時を過ぎているので時間はかけられない。
チェックインを済ませると、今度は歩いて最寄り駅まで移動する。
会場のAragon Ballroomまでは3駅の区間なので、ここからは地下鉄で移動。
切符を買い、Red lineを走る車両に乗車する。
果たして、会場すぐ横のLawrence Stationに到着する。

 

 

 

駅舎を出ると、Aragon Ballroomの建物に沿って長い行列ができていた。
一般列の最後尾に並び、周囲を窺う。
観客の年齢層は今日も幅広いようだ。
年配の男性もいればティーンの女の子の姿もある。
コスプレ女性もいれば、長髪タトゥーのガチメタラーの姿も見かけた。
僕の網膜はカップルは認識できない仕様だから、残念ながらそれらの数は不明である。

 

 

 

列に並んでいる最中だった。
なんとなく視線が気になった。
ふと顔を上げ、そちらを向くと、イケメンの青年男性が僕をじろじろと見ていた。
そんなに東洋人が珍しいのだろうか――。

 

でも大丈夫。
子供の頃、部屋でカメハメ派の練習をしているのを母親に見られたことがあるこの僕だ。
たとえ変な目で見られようがどうってことはない。

 

 

 

やがて開場となり入場。
物販でTシャツを購入してからホールに入る。
キャパ5000人だけあって、箱はかなり大きい。
それに造りがレトロな感じで、荘厳な雰囲気が漂っている。
僕は場内の隅々に目配せしながら移動する。
そして定位置である、ピットの真ん中付近でその時が来るのを待った。

 

 

 

ほどなくして開演となり、Avatarが「Hail the Apocalypse」でライブを始める。
彼らのライブを観るのは昨年のダウンロードUK以来。
観客を飽きさせない、相変わらずのエンターテインメント・ショーだった。
その後も「Bloody Angel」「The Eagle Has Landed」「Puppet Show」とライブは続き、
最後に定番の「Smells Like a Freakshow」を披露。
やがて盛況だった彼らのライブは幕を閉じた。

 

場内には陽気な空気が漂っている。
ヴォーカルのヨハネスのMCを含め、Avatarのライブが楽しかったからだろう。
そのままBABYMETALの開演を待っていると、なにやらまた視線を感じた。
振り向くと、白人のイケメン男性と目が合った。
開場前にも僕のことをまじまじと見ていた、あの青年だ。
ううむ、ここシカゴでは、そんなに東洋人が珍しいのか――?

 

すっきりしないが、でも大丈夫。
若い頃、友人の結婚式の余興で、絶対にウケるからと言われて、
たむけんの恰好で体に「今夜がヤマダ」と書いて登場したら、
新郎新婦はもちろん、出席者全員からドン引きされたことがあるこの僕だ。
あのときの突き刺すような冷淡な視線を経験しているから、こんなものどうってことない。

 

そうやって気持ちを切り替え、なんでもないような素振りで前を向いた時だった。
そこでなんと、そのイケメン青年がたどたどしい日本語で
「アナタハ ニホンジンデスカ?」話しかけてきた。
どうも彼は日本に興味があるらしく、僕を見かけた時からもしかしたら日本人なのでは
ないかと気になって、話しかけるタイミングを見計らっていたとのこと。
僕は日本人で、日本からわざわざ来たと伝えると、
彼は驚いた様子で「フロムジャパン?」と目を見開いた。「オーウ、ユーアータフボーイ」

 

‟ボーイという年齢ちゃうよ”
そう内心で突っ込む僕を尻目に、イケメン青年は横で‟タフボーイ”と繰り返している。
‟おまえはトムキャットか”、とこれまた内心で突っ込みつつ名前を尋ねると、
彼はケビンと名乗った。シカゴが地元だとのこと。
それからしばらくの間、僕とケビンは片言の日本語と英語を交えて会話を楽しんだ。
こういう具合に、外国人と楽しくコミュニケーションがとれるのも遠征ならでは。
ちなみに彼は日本のお笑いも好きらしく、一番好きなのウエスPらしい。
YouTubeで観た、裸でのテーブルクロス引き芸が可笑しくてハマったんだとか。

 

約30分ほどのインターバルを挟んだ後、
ついにBABYMETALのライブショーが始まった。
途端に場内はざわつき、ひっきりなしに歓声が沸く。
ストーリー・ムービーが流れているだけなのにこの熱量。
と同時に、ピットでは早くも後方からの圧縮地獄が始まっている。
ああ、懐かしい――。それは心地よい痛みだった。
これなんだよこれ。この肉弾による圧力。
僕は笑みを溢し、BABYMETALの海外ライブを心底実感する。
デカいアメリカのキツネたちよ、モッシュする準備は整っているか?
さあ、今宵もともに肩を並べて時間の許す限り大いに騒ごうではないか。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. メギツネ
02. Elevator girl (English ver.)
03. Shanti Shanti Shanti
※神バンドソロ
04. Kagerou
05. Starlight
06. FUTURE METAL
07. ギミチョコ !!
08. PA PA YA!!
09. Distortion
10. KARATE
11. ヘドバンギャー!!
12. THE ONE
13. Road of Resistance

 

初っ端は「メギツネ」。
サポート・ダンサーを務めるのは鞘師里保のようだ。
イントロが始まるなり、フロアの熱狂がさらに加速する。
多くが大きな声を張り、BABYMETALを心から歓迎している。
しかし、この爆発力のある曲をもってしてもモッシュは起こっていないようだ。
今日の観客は暴れるのは控えめにして、じっくりショーを堪能しようという腹なのか。
そうこうしているうちに、間奏のメギツネジャンプに差し掛かった。
SU-METALの嬉々とした煽りに、観客たちも笑顔となって躍動した。

 

熱気溢れる状況の中、次曲「Elevator girl」が始まる。
3人が綺麗に揃ったダンスを披露する。
英語バージョンを聴くのは初めてなので多少の違和感はあったが、
今宵の喉の調子も良いように思う。
SU-METALの張りのあるクリア・ヴォイスがとても心地よい。
シンクロナイズする洗練されたダンスもさることながら、
エフェクトのかかったスクリーンも効果的だった。
文字どおり多くの観客をステージにくぎ付けにさせて、やがて同曲は終了した。

 

次に披露されたのは「Shanti Shanti Shanti」。
待ってましたと内心で叫び、首を伸ばしてステージを凝視する。
インド音階を用いたオリエンタル風味溢れる同曲。
今宵も、指先の動きまで意識した美しくエレガントなダンスに魅了される。
ビジョンに映る、“インド模様の万華鏡”というような趣の映像が今夜も効果的だ。
独特な曲調で歌い踊る3人を艶やかに、摩訶不思議に演出している。

 

その後ライブは神バンドのソロを挟んで「Kagerou」へと続いていくが、
観客はライブにどんどんのめり込んでいっているようだ。
モッシュはまだ起こってないが、多くの者がステージを凝視してリズムを取っている。
と思っていた矢先、間奏に入ったところで、“せっかくのライブなんだ、
暴れないでどうする”といった感じで自発的にヘビーなモッシュが発生。
4曲目にしてようやく広いフロアにモッシュピットが形成された。
一気に熱量の上がったピットは大いなる活況を呈している。

 

少しの間を置いて「Starlight」が始まる。
イントロが始まると観客たちはすぐさま曲に入り込む。
同曲では珍しいように思うが、ここでも引き続き激しいモッシュが発生。
その状況は間奏を経ても変わらなかった。
ジェントの刻み音を貪りながら、目の前でキツネたちが巨体をぶつけ合っている。
“Fly higher in the sky Starlight shining in the night――”
暴れる観客を視界の端で捉えながら、僕はSU-METALのロングトーンに没入する。

 

インストゥルメンタルの「FUTURE METAL」を挟んだ後に披露されたのは、
キラー・チューンの「ギミチョコ !!」。イントロから大きな歓声が上がる。
ピットではすぐにモッシュが起こり、観客は再び熱狂の渦を巻き起こす。
やはり人気曲だけあって観客のウケは最高だ。あちこちで歓びの奇声が上がっている。
最後まで大盛り上がりのまま、やがて同曲は終了した。

 

ライブが中盤を過ぎたところで、満を持して「PA PA YA!!」が披露される。
早く生で観たかったのだろう、隣の女性が絶叫のような奇声を発している。
タオルを振り回す人は少ないが、アッパーなリズムに触発されたのだろう、
観客は各々にモッシュしたり体を揺らしてして大いに楽しんでいる。
その勢いは間奏でも衰えることはなく、曲が終わるまで持続したのだった。

 

ライブはそのまま「Distortion」へと続いた。
曲が始まるなり、フロアの熱狂具合がさらに加速する。
間奏のでのクラップ音は大音量。
その後もひっきりなしに狂ったようなモッシュが続いている。
神バンドの正確無比な重厚な演奏に乗るSU-METALのパワフルな歌唱は圧巻。
終始大盛り上がりのもと、やがて同曲は終了した。

 

狂乱というような状況が続く中、さらなるキラー・チューン「KARATE」が投下された。
そのせいでピットはさらなるカオスな状況に陥っていった。
僕は全身を揺らして、一音も漏らさないようにヘヴィな音を貪る。
このエモさとグルーヴがなにより堪らない。
間奏後のKARATEジャンプは圧巻。目の前で大量の腕が揺れている。
最後のSU-METALのロングトーンを聴いていると僕は自然と涙を零していた。
この曲はいつだってそうだ。必ず琴線に触れる。

 

ノンストップで続くライブはこの後「ヘドバンギャー!!」へ。
不穏な轟音交じりのイントロが流れてくるとフロア中に大歓声が響き渡った。
サビを歌うSU-METALがクールだ。渾身のシャウトは痺れる。
モッシュピットでは変わらずに大男どもが我を忘れて体をぶつけ合っている。
最後は手拍子も巻き起こり、大盛り上がりのもと、やがて同曲は終了した。

 

皆が幸せな気分でいる中、SU-METALがクリアな歌声で「THE ONE」を披露する。
フロアにはそこら中に、観客たちの抑えがたい幸福の嘆息が溢れ出ている。
その後転調を迎えると、神バンドが力強く演奏を開始した。
終盤では一緒になって合唱するキツネたちの姿も目に付いた。
美しく荘厳な雰囲気を保ちつつ、やがて同曲は終了。
演者たちにに向けられた拍手や歓声は、しばらくの間止むことはなかった。

 

今宵の圧倒的なライブショーの最後を飾るのは「Road of Resistance」。
美しいギターオーケストレーションの音色に酔いしれる。
曲が始まると眼前で激しいWODが起こった。
肉と肉がぶつかり合う鈍い音が聞こえてくる。
サークルモッシュは終始続き、やがて喝采を浴びて同曲は終了した。
最後の“ We are BABYMETAL”コールを行う3人が
ともに満足げな笑みを浮かべているのが印象的だった。

 

 

 

 

3.

 

気分が高揚した状態のまま会場の外に出る。
今宵のライブも盛況で、自分自身、存分に楽しむことができた。
外国人のキツネたちとモッシュするのは楽しいが、
いかんせん、ジッと凝視したい楽曲も幾つかあるからそこが悩ましいところ。
でも、せっかく海外のライブハウスに来ているので、
キツネたちとわちゃわちゃするのをいつも優先してしまう。
今回はあまりに激しすぎるモッシュだったが、怪我なく無事に帰還できて幸いだ。

 

たった今終わったばかりの今夜のライブを回想する。
外国人たちによる神バンドの演奏は今回初めて聴いたが、さすがはプロ中のプロ。
演奏は非常にタイトで、ソリッドなメタルサウンドを奏でていた。
とりわけドラムのアンソニーによるパワフルなブラストビートには痺れた。
まるで低空飛行をしている爆撃機が絨毯爆撃でも起こしたような迫力だった。

 

SU-METALは、もう何も言うことはないだろう。
踊りながらでもピッチや歌唱の安定感は抜群で、今宵も会場を完全に支配していた。
そして時折見せる、あの幸せそうな表情を見ていると、
彼女はまさにライブに生きているのだなぁと痛感する。
某インタビューで“BABYMETALはライブの中で生きている”と語ったのはMOAMETALだが、
SU-METALにとって歌うことはもはや彼女の人生そのものなのだろう。

 

そのMOAMETALだが、今日のライブを観て、改めてその仕上げっぷりに感服した。
昨年末のオーストラリアでは、まだ頬がふっくらとしていたのに、
横アリから始まったMETAL RESISTANCE第8章での彼女は随分とすっきりしていて、
腕なんかちょっと細すぎるんじゃないかと心配になったほどだ。
しかしながら、華奢な体でシャープに踊る姿は美しく、
また少しばかり妖艶さもプラスされていて、大人のダンサーになったことが窺えた。
それでいて子供っぽい無邪気な一面はなくなってはおらず、
今宵も随分と広い範囲で、観客の視線に対して笑顔で蜘蛛手にレスポンスしていた。

 

今宵のサポート・ダンサーを務めたのは鞘師里保だった。
彼女はもう十分にBABYMETALのライブは慣れたようで、
笑顔で何度も観客を煽る姿からは余裕が感じられた。
心底ダンスを踊ることが好きなんだという思いが伝わってくるから、
観ている者は否応なく胸を打つ。

 

 

 

外で少し休憩をしていると、ケビンとまた遭遇した。
彼は笑顔で僕の方へ寄ってくると、たどたどしく「オツカレサマデス」と言ってきた。
それから興奮混じりに「BABYMETALサイコー!」といったようなことを何度か口にした。
そりゃそうだろう、と僕は頷く。
ケビンの姿はライブ中、しょっちゅう見かけたが、
彼は「kagerou」以降、率先してモッシュして騒ぎまくっていたのだ。
だから僕は思わず、「ユーモ、タフボーイネー」と声をかける。
意味が通じたのだろう、ケビンは白い歯をみせた。
そしてまたもや、「タフボーイ タフボーイ タフボーイ タフボーイ」と連呼してきた。
僕は苦笑しながら内心で再び“トムキャットかよ”と突っ込みを入れる。
突然ハッとしたのはその時だった。

 

何年前かは忘れたが、確かどこかの国でも似たようなことがあったような。
あ、思い出した。あそこだ。ドイツのフランクフルトだ。

 

ふと思い出した僕は、それとなくケビンに向かって声をかける。
「“タフボーイ”は日本語で何と言うのか知ってるか?」と。

 

少しの間を置いてから、ケビンが「ワカラナイ」と言ってくる。
僕はそこで破顔する。
そして満面の笑みのまま人差し指を立てる。
「いいかい? タフボーイは、日本語で“ゼツリン”と言うんだ」

 

刹那、ケビンの表情がパッと輝いた。
小さく「ゼッツリン」と一度口にしたのち、タフボーイを連呼した時と同じように、
彼は何度もそれを繰り返し叫んだ。
「ゼッツリーン ゼッツリーン ゼッツリーン ゼッツリーン!」

 

僕は彼に合わせて悪ノリする。
「イエァァア! ユーアーゼツリーン! ケビンハ ゼッツリーン!」

 

「タフボーイ」と「絶倫」。
うむ、たぶん意味としては間違ってはいないだろう。
喜びを爆発させる彼とハイタッチを交わすと、
僕も絶倫、もとい、本当にタフボーイになった気がした。
シカゴの摩天楼にいつまでも響き渡るケビンの声。
僕は満足げな笑みを残し、やがてその場を離れようとした――、
まさにその時、陽気なケビンが英語でふと尋ねてきた。

 

「ドゥーユーライクア、ジャパニーズコメディアン?」

 

突然の質問に面食らったせいか、すぐには芸人の名前が頭に浮かんでこなかった。
ええっと、ケビンの好きなお笑い芸人はウエスPだったよな。あの裸芸人の。
とりあえずそのことを思い出した僕は、
無意識にウエスP以外の裸芸人を思い浮かべていた。
瞬間、パっと頭の中に、とある人物像を思い描く。
しかし名前を口にするよりも先に、
あろうことか僕はゼスチャー付きでそのお笑い芸人の一発芸を口走っていた。

 

「ちゃー」

 

 

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