BABYMETAL 海外 ストラスブール ライブレポート

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1.

 

ミュンヘン公演の翌日。
早朝にホテルを出ると、足早にミュンヘン中央駅へ向かう。
そして、6時51分発のICEに乗車。
乗り継ぎのルートであれば、9時から12時までに何本も列車はあったが、
もしも遅延が発生したら乗り継げない可能性があるので、
ストラスブール駅までの直行便を数日前に選択していた。
結果、早朝の便しかなかったのだが、乗り換えなくてよいのでその分気が楽だ。

 

 

 

ストラスブール駅に着いたのは11時頃。
そのまま市内の観光に向かう。
世界遺産である市街地を中心に進んでいく。
ヴォーバンダムから眺めるプチ・フランス(旧市街地)の街並みはレトロ感満載で、
ずっと歩き回っていても退屈しなかった。

 

 

 

その後はストラスブール大聖堂へ。
世界で6番目に大きな大聖堂だと記憶しているが、目の前で見ると圧倒された。
その後はロアン美術館やプロテスタント教会などを見て回り、
クレベール広場のクリスマスマーケットへ向かった。

 

 

 

観光客でクリスマスマーケットは賑わっていた。
一通りお店を回り、食べたいものをチョイスする。
初めて食べたフランスパンのホットドッグはかなり美味かった。
お腹が一杯になったところで、宿泊先のホテルへ向かった。

 

 

 

少し休憩したのち、午後17時過ぎに現地へ向かう。
今日の会場La Laiterieは、BABYMETALが2015年6月1日にライブを行った会場。
それから実に約8年半ぶりに、同会場でライブを行うことになる。
今のBABYMETALであれば、キャパシティ1000人未満のこのライブハウスではなく、
もっと大きな箱でもいいとは思うが、ひょっとしたらストラスブールに
ライブハウスの数は少ないのかもしれなかった。

 

 

 

やがて開場時刻となり、手荷物検査を受けてから入場
後ろ半分は段差になっているので、フロアはより狭くなっている。
モッシュが起これば、間違いなくフロア全体を巻き込んでいくだろう。

 

 

 

そして入場して15分かそこらで、すぐにWARGASMがライブを始めた。
彼らのファンを中心に、フロアではすぐにモッシュが起こる。
2時間外で待っている間に体は冷え切っていたが、おかげで随分と温まった。
最後はサムが恒例のサーフを決めて、彼らのライブは大盛り上がりで終了した。

 

振り返るとフロアはぎゅうぎゅうパンパンだった。
狭い空間に熱気がこもっている。
音響システムは良いので、間違いなくBABYMETALのライブも盛り上がるだろう。
待っている間に気分は随分と高揚していった。

 

やがて定刻となり、客電が落ちる。
刹那、フロアのあちこちで大きな拍手と歓声が沸き起こった。
女性の叫ぶような声がひっきりなしに聞こえる。
僕は興奮状態のまま、刮目してビジョンを眺め続けた。

 

 

 

 

2.

セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. ギミチョコ!!
03. PA PA YA!!
04. Distortion
05. BxMxC
06. Mirror Mirror
07. シンコペーション
08. Monochrome
09. メタり!!
10. メギツネ
11. ヘドバンギャー!!
12. Road of Resistance

 

ライブの1発目は「BABYMETAL DEATH」。
フロントの3人が登場してくると大きな歓声が上がる。
ライブが始まるとみなが一斉にヘドバンを開始。
男性女性関係なく、各々が頭を振ったりキツネサインを掲げたりして騒いでいる。
モッシュピットはすぐに形成され、多くの者が笑顔で体をぶつけ合う。
僕ももみくちゃになってライブを心底楽しんだ。
“DEATH!”の掛け声は途切れることなく、1曲目からフロアは大爆発。
曲が終わるや、あちこちで悲鳴に近い歓声が上がっている。

 

続く「ギミチョコ!!」でライブの勢いは加速。
人気曲だからだろう、観客の乗り具合が半端ない。
大勢がリズムに乗って笑顔で体を揺すっている。
女性の快活な声や、男性の愉悦の声がひっきりなしに上がっている。
サビにかけて、大きなクラップ音が場内に響き渡る。
大サビでは再び激しいモッシュが発生。
終盤になってもフロアの熱量は高い状態を保っている。
やがて同曲は大盛り上がりのもと終了した。

 

続く曲は「PA PA YA!!」。
イントロが始まった途端に大きな歓声が沸く。
曲が始まると、ピットは瞬く間にお祭り会場と化した。
大勢が手を振りタオルを回して騒いでいる光景は、まさに狂喜乱舞といった有り様だ。
“パッパパパヤー!”のコールが場内に響き渡る。
楽しげな声は終始周りで聞こえている。
終盤でSU-METALが何度も“JUMP! JUMP!”と煽ると、フロアはさらに熱狂。
大勢がジャンプを繰り返し、大盛況のもと同曲は終了した。

 

この時点ですでにTシャツは汗だく。
とにもかくにも、モッシュピットの盛り上がり方が半端ない。
そしてそれは続く「Distortion」でも同様。
曲が始まるなり、フロアは一気にカオスな状況となった。
大声で“ギバー! ギバー”と声を張る人は多い。
間奏でのクラップ音は大きく、フロア中に響き渡っている。
終盤になっても“ウォーウォーウォーウォ”の声はこだまし、激しいモッシュも継続。
同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

続く曲は「BxMxC」。
イントロが始まるなり大勢が一斉にリズムに合わせて体を揺らし始める。
僕は手を挙げて何度も“b”“m”“c”のハンドサインを繰り返す。
隣の小柄なフランス人女性が僕に倣ってハンドサインをする。
SU-METALがフロウをかました後は、フロアは再び激しいモッシュで沸いた。
終盤の“B! M! C!”コールは今回もものすごい熱量。
怒号のような声がフロアを揺すっている。
やがて曲が終わると、大きな歓声が沸き起こった。

 

ここまでずっと爆発していたフロアは、続く「Mirror Mirror」で鎮まることに。
SU-METALの力強いくてクリアなボーカル、
そしてMOAMETALとMOMOMETALの華麗なダンスルーティンに大勢が魅了されている。
僕も直利不動でステージを凝視し、SU-METALの歌唱にうっとりする。
小さい会場なので、彼女の歌声の凄みがさらに引き立っているような印象を受けた。

 

続く「シンコペーション」では、再びフロアは活況を呈した。
激しいイントロに合わせて大勢が笑顔で体をぶつけ合っている。
終盤に入ると自発的に手拍子が発生。
誰もがリズムに乗って体を揺らし、大盛り上がりで同曲は終了した。

 

最高のライブを体感する中で、さらなる欲求が沸いてきたのだろう。
“早く次の曲を!”とでも言うように、曲間で大きなBABYMETALコールが起こる。
そして次に始まった曲は「Monochrome」。
SU-METALの伸びやかな歌唱、MOAMETALとMOMOMETALの滑らかで美しいダンスに魅了され、
全員がうっとりとした表情でステージを見つめている。
間奏に入ると、SU-METALがスマホのライトを点けてと促した。
会場が瞬く間に幻想的で美しい世界に包まれていく。
SU-METALの渾身の歌唱の後を、“オッオッオッー”の合唱が続く。
曲が終わると怒号のような歓声が響き渡った。

 

エモさが残る中、次曲「メタり!!」が始まると、フロアは再び活気づいた。
SU-METALの導きで手を前後に揺らすオーディエンス。
“輪っかになって”と一緒に歌う者も多数いる。
そして曲が始まるやピットは大勢が暴れるようにして騒ぎまくり、
まさにお祭り騒ぎといった状態に。
大勢が笑顔で何度も体をぶつけ合っている。
MOMOMETALが見得を切るシーンでは、フロアの全員が座り込んでから一斉にジャンプ。
大きく跳ねて愉悦の声を発しながら体をぶつけ合う。
大きな“わっしょい!”コールが場内に響き渡る。
大勢が好きなように騒ぎまくり、ピットは興奮の坩堝と化している。

 

その後ライブは「メギツネ」へ。
曲が始まるなりフロアは大盛り上がり。
誰も彼もが大きく跳ね、“ソレッ! ソレッ!”の声を響かせている。
間奏に入ると、ピットではローイングモッシュが発生。
SU-METALがジャンプを観客に促すと、今度はサークルが出来上がった。
そしてカウントを合図に、ウォール・オブ・デスを敢行するキツネたち。
その後は大きくジャンプをしては最後まで大騒ぎをして、
やがて同曲は大盛り上がりの元に終了した。

 

続く曲は「ヘドバンギャー!!」。
曲が始まるなりピットではすぐにモッシュが始まる。
3人に倣ってベビーヘドバンをする女性の姿が視界に映る。
SU-METALの力強い歌声がフロアに響き渡っている。
間奏に入ると、MOAMETALとMOMOMETALがステージの両端で折り畳みヘドバンを開始。
ピットでは20人ほどが土下座ヘドバンを繰り返している。
終盤になっても観客は体をぶつけ合って騒ぎ続けている。
やがて同曲も大盛り上がりのもと終了した。

 

そしてライブの最後はアンセム「Road of Resistance」。
冒頭のウォール・オブ・デスでは、大勢が笑顔で突撃して体をぶつけ合った。
僕も意気揚々とその中に飛び込んでいく。
シンガロングのシーンでは、大勢が声を発したが、
まだまだ騒ぎ足りないようで、途中からフロア中央でモッシュが始まった。
大勢が喜悦の声を発して大騒ぎしている。
終盤になってもフロアの熱狂は続いている。
そして大盛り上がりのもと、やがて同曲も終了。
最後は恒例の“We are?”“ BABYMETAL!”コールでライブを締めた。
SU-METALが“メルシーボークー!”と叫ぶと大きな歓声が沸いた。
その中を、フロントの3人ともが満足げな表情で去っていく。
こうして、ストラスブールでのライブは大盛り上がりのもと幕を閉じた。
そうそう経験できることのない、計り知れない一体感を伴って。

 

 

 

 

3.

 

喉が渇いていたのでバーに寄ろうと思ったが、混雑していたので会場の外に出る。
開場前は寒さのあまり体の芯まで冷えて震えていたが、
今はTシャツ1枚だけでもさほど寒さを感じない。
僕は上着を羽織るとホテルへ向かって歩き始めた。
その道中、今夜のライブを振り返った。

 

今夜のライブの一体感は過去に経験したことのないものだった。
キャパシティが1000人に満たないライブハウスでBABYMETALのライブを見たのは、
2015年のフランクフルト以来だったが、今日の会場は、後ろ半分が段差になっていて、
フロアは会場の半分の広さしかなかったので、あれほどの一体感が生まれたのだろう。
一たびモッシュが起これば、それはフロア全体に伝播していた。
濃密な空間で大いに騒いだ経験は、今後忘れることはないだろう。

 

音響バランスはかなり良かったので、ライブは最初から最後まで楽しめた。
音圧も申し分なく、神バンドが奏でるソリッドなサウンドを堪能することができた。
とりわけドラムのアンソニーのブラストビートは何度も火を噴き、
その度に、体内までをも震わせた。
SU-METALの声の調子もよく、会場全体にクリアボイスが響き渡っていた。
MOAMETALとMOMOMETALは、会場が小さい分、
より観客とコミュニケーションをとっていた。
2人はステージの最前まで行っては観客の視線に蜘蛛手にレスポンスを送り、
それから、何度も煽っては場内を盛り上げていた。
また、3人が終始満面の笑みでライブをしていたのも強い印象として残った。

 

 

 

 

思えば、今年5月にドイツとオランダで見たライブは、
サバトンのゲストということもあり、観客のほとんどはサバトンファンで、
BABYMETALのライブは素晴らしかったものの、
会場全体を熱狂の渦に巻き込むようなことはなかった。
また、9月にアメリカとカナダに見に行ったツアーも、
DETHKLOKとの対バン形式だったので、
観客の半分ほどはDETHKLOKのファンということもあり、
BABYMETALのライブは毎回盛り上がったのだが、
会場全体が沸くといったことはなかった。
中には終始地蔵の客がいたことを覚えている。

 

しかし今回は、サポートアクトを伴ったワンマンツアーであるから、
客のほとんどはBABYMETALのファンであるがために、
ここストラスブールだけではなく、昨夜のミュンヘンも、
一昨日のウィーンも、これぞBABYMETALのライブだといった具合に、
会場全体で大いに盛り上がった。
笑顔で外国人たちと体をぶつけ合う行為は、何度経験しても楽しい。
La Laiterieでの一夜は、そのことを強く実感させてくれた、
そして僕は、この得難き経験を再び求めて、
また海外のツアーを観に行くことになるだろう。
BABYMETALの活動が続く限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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