BABYMETAL 「巨大キツネ祭り in JAPAN」 大阪城ホール DAY① ライブ レポート

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1.

今年の7月と8月に東京・名古屋・大阪で開催された「BABYMETAL 5大キツネ祭り in JAPAN」の追加公演となる「BABYMETAL 巨大キツネ祭りin JAPAN」が、先月のさいたまスーパーアリーナ2DAYS公演に続き、10月14日と15日の2日間、大阪城ホールでも開催される。今回は終わったばかりの初日の公演の模様をお届けする。

 

当初は前日に大阪入りする予定だったのだが、仕事が遅くなる日々が続いていたのでそれは一旦キャンセル。当日の朝、東京から新幹線で大阪へ向かった。現地は予報通りの曇り空。恨めし気な視線を鉛色の空に向けつつ、最寄りのホテルへ向かう。小休憩した後、会場である大阪城ホールへ到着したのは午後17時頃。どこもかしこも黒いTシャツを着た人の群れで溢れ返っている。またロータリーの噴水周りでは、自作アイテムを製作したメイトたちが他のメイトへ配布している様子も目に留まった。

 

 

スタンディングのチケットなので、案内板に沿って会場の南側へ移動。夕方からは天気が下り坂で降水確率は上がっているはずだったが、生憎と今はまだ持ちこたえている。このまま終演まで降らなければいいのだけれど――そんなことを考えながらいざ、入場口方面へ。L9の立札あたりで屯する。辺りを見回したところ、9割方が男性のようだ。その後、一人でぼうっと突っ立ていると、レディングフェスのTシャツを着た色白の若い綺麗な女性に「整理番号順で並んでいるんですか」と声を掛けられた。「いや、適当に集まっている感じですね」僕はそれだけ答えると、その後は口を噤んでしまった。貴女もレディングまで観に行かれたのですか、と話を膨らませる機会ではあったが奥手なので仕方がない。

 

 

17時半の開演時刻を過ぎても僕がいる場所に動きはない。アリーナ後方の位置だから入場も最後の方なのだろう。やがて少しずつ列は移動し、18時半くらいになってようやくホールの入口まで進んだ。振り返りと、ライトアップされた大阪城が闇夜に浮かんでいた。その幻想的で美しい景色を眺めていると、今さらではあるが、大阪までやって来た実感がほんの少しだけ沸いてきた。

 

 

荷物は不携帯なのでチェックはせず、セキュリティチェックと顔認証をパスして入場。その際、後ろから声をかけられる。振り返ると、そこにいたのはフォロワーのうっちーさん。一昨年12月の横浜アリーナ以来、約2年ぶりの再会だった。そしてブロックは同じなので、握手をしたのちそのままホールの中へ一緒に入場。同じ場所に位置取る。大阪城ホールに来場したのは初めてだったが、ざっと見渡したところ、幕張イベントホールや舞洲アリーナに似ているのかなという印象を抱いた。それにしても柵の数が多い。まるでZeppのようだ。これでは、おそらくモッシュはそれほど起こらないだろうと思われた。その後は開演までうっちーさんと雑談をして時間をつぶした。基本、ぼっち参戦の僕にとって、誰かと話をしながらこうやって開演を待つのは稀なこと。リアルで知っているメイトの数は少ないので大変有意義な時間となった。

 

 

入場直後の客入れBGM(SE)は Anthrax の「Indians」で、次は SLAYER の「Raining Blood」だった。もしかしてスラッシュ四天王縛りなのかな、と思ったのも束の間、次にかかった曲は Bring Me The Horizon の「Throne」だったものだからそこで一気にテンションが上がった。周りにお構いなく、その場でヘドバンを始める。その後の Arch Enemy のときに、間もなく開演のアナウンスが。そして 、Sabaton の「Ghost Division」の途中に不意に暗転。刹那、怒号のような歓声が耳をつんざいだ。ようやく始まるBABYMETALのメタルアリーナショーに誰もが胸を高鳴らせているのだろう。かくいう僕も抑えきれない興奮に背中を押されて腹の底から大きな声を張り上げている。

 

 

2.

セットリスト

01 BABYMETAL DEATH
02 ギミチョコ!!
03 メギツネ
04 ヤバッ!
05 Amore – 蒼星 –
06 4の歌
07 シンコペーション
08 META!メタ太郎
09 イジメ、ダメ、ゼッタイ
10 KARATE
11 ヘドバンギャー!!
12 Road of Resistance
13 THE ONE -English ver.-

 

METAL RESISTANCE 第5章の幕開けとともに、
キツネ様によって解き放たれた、5つのメタルの魂は、
5匹のキツネたちへと憑依して、やがて、5匹のキツネたちは、
The Chosen Fiveの元へと導かれ、この夏、日いずる国で、
5色の狐火が舞い踊ったのだ。
今宵、その5色の狐火は巨大な炎となり、
我々のメタルの魂に火を点けるのだ。

漆黒の闇に鳴り響く、メタルヘッズの咆哮
紅の騎士、MEGITSUNEたちの華麗な舞
エルドラドを創世する、子狐たちの息吹
メタルの銀河を彷徨い、世代を超えたSTAY METAL(永遠の誓い)
真の姿を取り戻した WHITE FOX WALKER(白狐)たちの不死身の精神

この5色の狐火が集結し、遂に我々は、一つになる時が来たのだ
諸君、首の準備は、できているか?
もう一度聞く。首の準備は、できているか?
巨大キツネ祭りの、幕開けだ――。

 

染谷歩によるナレーションはさいたまスーパーアリーナのときと同じだった。巨大な5つのLEDスクリーンがステージ奥に配置されているのも、そこに流れている映像も同じ。ナレーションの合間には、歓声が時折沸いてはいたが、いざ「BABYMETAL DEATH」が始まった時には興奮による叫び声も多く混じっていたので、場内は一気に異様な雰囲気に包まれていった。大量のキツネサインが視界を覆い尽くしている。そしてそういった歓喜の声が飛び交う中を、強烈で極悪な「BABYMETAL DEATH」のリフが切り裂いていく。僕はその場で頭を激しく振り、まるで喉の渇きを癒すようにヘビーなリフを貪り続けた。

 

今宵のショーも照明が華やかだった。レーザー光線も然り。最初は青、次は赤の光が何本も空中に伸びていく。フロントの3人は、曲中、ほとんど笑みを浮かべることはなかったが、続く「ギミチョコ!!」が始まると、3人ともがいつものように笑みを浮かべ、ノリノリでパフォーマンスを始めた。ふと脳裏に、先週のさくら学院のライブ(一夜限りの重音部)が過ぎる。が、やはり本家の方がクオリティは圧倒的に良いし、なんといっても生歌なので比較はできない。それにしてもレーザー光線の量がヤバい。背後のスクリーンを使った演出も見事。5枚のスクリーンを駆使して3人のダンスを大きく映し出すシーンでは思わず見惚れてしまい、ああ、と吐息が零れた。周囲のメイトたちはまさにお祭り騒ぎといった感じで体を動かしている。場内の熱狂は益々ヒートアップしていっている。

 

そのまま曲は「メギツネ」へと続いていった。初っ端の歓声が凄まじい。惜しみなく畳み込んでくるセトリに場内がさらに沸いている。曲が始まれば、ここでも大量の腕が視界を覆った。“ それっ! それっ! ” と大きな声が会場中で響いている。ふと両サイドのスタンドをちらりと見やると、観客は総立ちで、ほぼ全員が同じように “ それっ! ” と手を上げていた。それにしてもビートが堪らない。僕は激しくヘドバンを続ける。間奏に入ったところで、恒例のSU-METALの煽りが始まったが、彼女は開口一番、“ ハロー!” と叫んだのだろうか。その後は “ 大阪城ホール!” と続け、みんなに会えて幸せだと英語で語った。そしてその後はいつもの一斉ジャンプを促す煽り文句。ピットはたちまち爆発し、場内の熱狂はさらに加速していった。

 

曲が終わると大きな歓声と拍手が沸き起こった。その余韻に浸る間もなく、すぐに次曲が始まる。流れてきたのは、聞き覚えのある “ ―タタン、タン ” のリズム。これはSSAの時にも聞いたイントロだった。僕は “ ―タタン、タン ” と手を叩き、ステージ上を凝視する。時折青山神がビジョンにアップで映し出されるが、彼が被っているカツラにはピンクのウィッグが混じっているようだった。ややあって、神バンドの面々がそれぞれソロを披露し、フロントの3人がステージに登場してくる。合間合間に神バンドも手拍子をしていたが、彼女たちも手拍子をして観客たちにそれを促している。そうして始まったのは「ヤバッ!」。曲が始まると一気に場内が沸いた。僕もすぐに体を揺らし、軽快なリズムに乗ってその場で踊る。手拍子からダンスに入る瞬間がビジョンに映らなかったのは少しばかり残念だった。あのシーンはとてもクールだからできれば映してほしかった。

 

今回も映像にエフェクトがかかっている。赤い稲妻のようなものが3人の動きに合わせて何度も迸っている。まるで彼女たちの体から電流が発散されているかのような演出だ。YUIMETALとMOAMETALが口元を手で覆い、“ヤバッ!”と合いの手を入れるシーンでは、5枚のスクリーン全体に交互に彼女たちのアップの映像が映し出された。僕は息を呑んでそれを凝視する。MOAMETALの愛くるしい表情がいつまでも網膜に張り付いている。そして大盛り上がりのもと、同曲が終了すると、スクリーンには、厚い雲の中を光が射すような映像が。次曲は「Amore – 蒼星 –」だった。気が付けば、天井に設置されている3つの巨大な十字架のうち、左右の2つが下の方まで降下していて、そこから延びる何本もの青白いライトが中央のSU-METALを神々しく照らしていた。僕は固唾を飲んで彼女が歌い始めるのをジッと見守る。獲物を狙う肉食獣のように、会場全体がシンと息を潜めている。そして準備が整い、SU-METALがひとたび唄い出せば、僕はすぐさま彼女の美声に酔いしれた。倍音の響きが、体の芯まで届き、全身が蕩けるような感覚を覚えながらステージを見つめ続けた。

 

ドラムのブラストビートが強力だ。十字架のライトは赤から青に変わり、ステージには白煙が舞い上がっている。ベースソロのシーンでは、今回はちゃんとBOH神を映像で抜いていた。その後のツインギターが心地良い。しかし、それにしてもこのSU-METALの歌唱の素晴らしさは如何ほどばかりか。先月のSSAの初日は多少ムラがあったが、大阪公演の初日である今宵はほとんど完璧のように思える。僕は頭を揺らしながら、耳は絶えず、彼女の美しくも迫力ある歌声を聴き逃さないように意識していた。演奏が一度止み、彼女にだけスポットライトが当たった瞬間は、場内からどよめきのような歓声が沸き起こった。そうして大盛況のもと同曲は終了し、そのままライブは次の曲へと進んでいった。やがて聞こえてきたのは “ シッシーシシシ ” の連続音。「4の歌」だった。

 

左のスクリーン2枚にYUIMETALが、同じく右の2枚のスクリーンにはMOAMETALが映し出されている。彼女たちが笑顔で歌い出し、観客たちはそれを見ながら大きな声を張った。 “ よんよんっ!” 。時折、彼女たちそれぞれが4枚のスクリーンを独占し、ともに愛くるしい笑顔を見せた。その瞬間、場内は心なしか多幸感に包まれた雰囲気へと変わっていったように思われた。レゲエパートでは、左右に振る腕に、幸せな気持ちが乗っかっているように感じられた。今回も2人による煽りはなかったけれども、場内は終始温かな空気を醸し出している。が、同曲が終わり、ホールの後方からステージのスクリーンに向かってレーザー光線が伸びると、場内は一変、期待と興奮によるざわつきが支配した。そして微かに「シンコペーション」のイントロが聴こえてくると、たちまち周囲は騒然となり、大きなどよめきのあと、拍手や歓声が相次いで沸いた。胸の高鳴りを自覚しつつ、僕もステージ上を凝視した。

 

結論から言うと、今宵の「シンコペーション」はほとんど完璧だった。前回聴いたSSAでは、SU-METALのピッチは安定しているとは言い難く(特に一番)、歌声がフラットしてしまうこともあった。しかしながら今夜の彼女の歌唱は素晴らしく、持ち前の声量で会場の隅々にまで美声を響かせていた。僕はYUIMETALとMOAMETALの振りに合わせ、体を左右に揺らしながら同曲を余すことなく堪能した。それにしてもレーザー光線の演出がヤバい。無数のライトが幾重にも張り巡らされ、幻想的な空間を演出している。また、降下してきている中央の十字架から発散されている薄紫色のライトも大層美しかった。

 

続く曲は「META!メタ太郎」。ドラムの音に続き、“メタッ!”、メイトたちの図太い声が場内に響き渡る。そして3人がユニゾンで歌い出し、場内にフォークメタルの音色が響き渡ると、メイトたちは嬉々として体を動かし始めた。YUIMETAL、次いでMOAMETALがソロで順に唄い出したときには、5枚のパネル全体にアップで映像が映し出され、黄色い声援を一身に浴びた。すぐ後方から “ ゆいちゃん!” と大きな叫び声が聞こえたが、思わず口走ってしまったその方の心境はとても理解できた。途中のシンガロングは圧巻の一言。ほとんどのメイトが拳を突き上げ、腹の底から “ オーオー ” と声を張っている。観客たちのノリに大層満足したのだろう、再び歌い始めたSU-METALはとても嬉しそうだった。そして曲はそのまま「イジメ、ダメ、ゼッタイ」へと続いていった。

 

ビジョンにいつもの映像が流れ、“ Wall of Death ” と煽ってくるが、L9ブロックではまったく動きがなかった。というより、ライブが始まってからここまで、モッシュやサークルは一切発生していなかった。しかし前方の方ではWODは起こったようで、確認した限りでは3つくらいだっただろうか、小さなサークルモッシュが正面のスクリーンに映し出されていた。センターのスクリーンにアップで映し出されているSU-METALの表情が美しい。ツインギター、それからドラムのブラストビートに痺れ、酔いしれる。大勢が一斉に飛ぶダメジャンプは壮観の一言。ステージのパイロの炎は同曲の激しさを表し、3人のパフォーマンスを文字通りさらに熱く演出している。

 

同曲が終了するとあちこちから大きな歓声が上がった。どことなく今宵のライブの絶頂を迎えたかのような趣があった。が、盛り上がりはこの後さらに加速していった。なぜならば次に披露された曲は「KARATE」だったからだ。ギターの刻み音に合わせ、3人がステージ中央で揃ってポーズを決める。見逃せないシーンだ。降下してきた中央の十字架から青いライトが伸び、彼女たちを美しく照らしている。そしてヘビーなイントロが始まると、僕はすぐにトランス状態に陥り、リフに合わせて体を大きく揺らし始めた。視界に映っている人たちも同様に体を揺らし、各々エモーショナルな同曲に入り込んでいる。スクリーンに映る映像には今回もエフェクトがかかっていて、3人が突き出す腕には炎が纏わりついていた。彼女たちの体の輪郭も燃え盛る炎のようにゆらゆらと揺れている。

 

SU-METALの力強い歌声に酔いしれる。なんとも言えない心地良さに全身が包まれていく。サビに入ると気分は一層盛り上がり、体の揺れも自然と大きくなっていった。YUIMETALとMOAMETALに合わせて “ WOW WOW ” と叫ぶのはマスト。最高に気持ちが良い瞬間。昇天しそうなほどの快感が全身を襲う。十字架のライトはいつしか赤色に変わり、間奏のシーンを劇的に演出している。倒れ込んだのち、立ち上がっていくSU-METALの演技がこれまでよりも情緒豊かになっているように感じられ、こちらの感情を激しく揺さぶってくる。手を取り合って起き上がり、3人が肩を寄せて歩き出すシーンはいつ見ても身震いがする。気が付けば目尻には自然と涙が溜まっている。

 

SU-METALの最後のロングトーンが心中を貫いていく。刹那、これまでで一番の陶酔感に襲われる。天にも昇らんとする心持ちだ。感動のあまり腕には鳥肌が立ってる。官能的でさえあった同曲が終了すると、これまたこれまでで一番の歓声が沸いた。エブリバディジャンプの煽りの演出は大層盛り上がるが、この3人が何かに向かって立ち上がっていくデフォルトの演出は観る者の心に強く訴えてくるものがある。僕はギュッと唇を噛み、惜しみない拍手をステージの7人に贈る。そうしてライブはそのまま「ヘドバンギャー!!」へと続いていった。

 

不穏なサイレン音とストリングスの音色が場内に不気味に響き渡ると、周囲はたちまち騒然となった。SU-METALが凛々しく “ 伝説の ” と歌い始めると、誰もが息を呑んで、彼女の佇まい、美声に耳目を傾けた。そして――。その後はYUIMETALとMOAMETAKの可愛いベビーヘドバンタイム。僕は彼女たちに合わせて首を左右に振った。頭上の3つの十字架からは白煙が噴き出し、無数の赤いレーザー光線がステージに陰影をつけ、独特な雰囲気を醸し出し、不穏な効果を演出している。曲中、“ こいや!” の掛け声が凄まじかった。サビの “ ヴォイ!” の掛け声もかなり大きく、迫力があった。が、間奏に入り、YUIMETALが “ おおきに ” と言った途端、場内の空気は急遽、蕩け出し、なんとも言えない陽気な雰囲気に包まれた。その後はYUIMETALとMOAMETALがスモークガンで白煙を撒き散らし、長めのヘドバンコールを行った。一瞬、その場で土下座ヘドバンをやりそうになったが、周りは誰もやっていなかったので思いとどまった。明日は今日よりも前の方での参戦なので、ドゲバンはそのときまで取っておこう。

 

続く曲は「Road of Resistance」。スクリーンに赤い飛沫のような映像が映り、ホラ貝と陣太鼓の音が場内に響き渡ると、終演に近づいたライブをより一層盛り立てようと思ったのか、アリーナにいるメイトたちの間で、自然発生的に大きな手拍子が巻き起こった。やがて美しいギターオーケストレーションの音色が響き渡り、大きな旗を持った3人がステージに現れると、ピットでBABYMETALのロゴ入りタオルを掲げるメイトも数人現れた。ビジョンに映し出されるSU-METALの眼光が鋭い。場内を覆うように伸びている真っ赤なライトが不穏な空気を醸し出している。僕の周りでは、WODは起こる素振りすらなかったが、前方ではここでもWODは発生したようだ。幾つかの小さなサークルが正面のスクリーンに映し出されている。

 

途中のシンガロングは圧巻だった。メタ太郎の時よりも1オクターブ高い “ オーオー ” の声が場内に響き渡っている。ドラムのブラストビートはまるで爆撃機の絨毯攻撃のような迫力があった。僕は気持ちよくヘドバンを続け、“ Is the time!” と叫んでジャンプし、“ Resistance ” と一緒になって歌った。何度かエアギターもかまし、とことん同曲を味わい尽くした。サビ前でSU-METAが “ 大阪―! ” と絶叫する。直後、メイトたちが “ うぉー!” と息巻いた。最後はフロントの3人に合わせ、一緒になって拳を力強く頭上に掲げる。演者と観客が一体となり、大円団といった趣があった。そうして大盛り上がりのもと同曲は終了となった。叫び声の混じった大歓声がしばらくの間続いた。

 

一呼吸間を置いてから、本日ラストの「THE ONE」が始まる。白いライトが何本も天井に伸び、やがてまた美しいギターオーケストレーションの音色が場内に響き渡った。SU-METALが “ No reason why ” とひとたび唄い始めれば、僕は得も言われぬ高揚と興奮を覚えつつ、彼女の美声にじっと耳を澄ませた。そうして改めて思い直す。今宵の彼女はここまでほとんど完璧だった。そしてこの曲でも彼女は情感たっぷりに、そして力強く歌い、聴く者すべてを心酔させていた。やはり彼女は唯一無二の声の持ち主。倍音豊かな彼女の伸びやかな歌声はいつだって多くの者を魅了する。

 

サビに入り、 SU-METALが一層力強く “ We are THE ONE ” と歌い始めると、ステージからフロアに向かって無数の白い光線が幾つも伸び、劇的な演出をもたらした。その後は緩やかなリズムに乗って青白い光がゆっくりと輝きを放った。僕は最後までSU-METALの美声に酔いしれ、そしてMOAMETALとYUIMETALのこれまた美しいコーラスを心ゆくまで堪能した。大サビに入る前、ギュッギュッギューンと響くギターの歪み音が臓器に沁みる。“ ララララー ” のシンガロングがいつまでも続く。大量のキツネサインが視界を覆っている。そうして最後は大きな花火の爆発音で締め、今宵のライブはすべて終了となった。最後の告知ムービーが終わり、場内の照明が灯ると、恍惚な表情を浮かべている多くのメイトの姿が目に映った。そして向こうからすれば、僕の顔が同じような表情で、彼らの瞳には映っているのだろう。歩き出す僕の足取りはどこかふわふわしている。

 

 

 

 

3.

 

会場を後にし、外に出る。途中の通路を歩いている間、周りのメイトたちの話題は12月のライブの話でもちきりだった。12月2日と3日。最後の告知映像で発表された正式な日程だ。明日は会場の発表もあるものだと推測される。場外は多くのメイトたちがしていた。今宵のライブの感想を言い合っているのか、はたまた12月のライブの話題で持ちきりなのかはわからないが、いずれにせよBABYMETALの話に花が咲いているのは明白だった。僕も少しばかりうっちーさんとそれらの話題の会話をし、それから、またの再会を約束して別れた。最寄りのホテルに向かうため大阪城の堀の外周を歩く。ふと眼前にはライトアップされた大阪城が威厳を保って佇んでいる。

 

歩きながら、僕は今夜のライブを振り返った。TL上では真逆の意見も出ていたようだったけど、幸いにも僕が居た場所が良かったのか、音響バランスは最適なように思えた。音圧はそうでもなかったが、音量はそれなりに大きかった。ハウリングが起こるようなこともなく、SU-METALの声がアニメ声のように聞こえるようなこともなかった。また、演出面に触れれば、やはりあの巨大なLEDの5枚のスクリーンを挙げないわけにはいかないだろう。過去のBABYMETALのアリーナショーでは巨大なオブジェや舞台セットが存在し、それはそれで劇的な演出ではあったのだけれど、それでもあの巨大なスクリーンによる演出には遠く及ばないと個人的には思う。なぜならばBABYMETALの3人の魅力が、余すことなく、あのスクリーンを通じて発揮されていたのだから。SU-METALの歌っている時の凛々しい表情、鬼気迫る真剣な眼差し、時折ハッとさせられるような美しさ、YUIMETALとMOAMETALの屈託のない笑み、綺麗に揃ったダンスルーティン、そして2人の真剣な表情と、時には5枚のパネルを使って3人のダンスを大きく映し出し、時には5枚すべてに1人だけをアップで映したりと、多用に展開され、その都度堪能することができた。またレーザー光線をふんだんに使った演出面も見事。それだけで非現実的な世界を創り出し、多くの観客を魅了していた。そうしてこのような素晴らしいライブを、明日再び、観ることができる。今宵のようなスクリーンと照明だけのシンプルな演出は、感動的で迫力ある生のサウンドに裏打ちされたBABYMETALのショーの真髄をまざまざと見せつけてくるのだ。たった今観たばかりだというのに、心はもう明日に向かい、興奮のさざなみが立っている。僕は弾む心に背中を押され、大阪城の外周を走って帰宅の途に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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