-テリさんは実際に音楽賞の授与式を観られたわけでつね?
はい。まずはこの授賞式の概要ですが、イギリスの音楽雑誌「Kerrang!」が
毎年開催しているミュージックアワードでして、1993年にスタートしました。
過去にはGreen DayやMuse、Slipknotといった著名なバンドが受賞しています。
そして昨年もBABYMETALは、この「The Kerrang! Awards」で、
独立心あふれるアーティストに贈られる
「THE SPIRIT OF INDEPENDENCE AWARD賞」を受賞したのですが、
日本人アーティストが同アワードで賞を受賞するのは初の快挙だったんですね。
今年は2年連続の受賞ということで、登壇する前の落ち着いた様子だったり、
壇上でのスピーチだったりと、すっかり板についたといった感がありました。
途中、司会者がしつこく絡む場面もあったのですが、
ヴォーカルのSU-METALは落ち着いた様子で対応しておりました。
そのことからも、彼女たちのステージ慣れ、成長などを感じた次第です。
-これがその時の授賞式の映像ですね。
そうです。
映像からもわかると思うのですが、発表された直後から、館内から大きな歓声が沸きました。
あと、改めてみると、やっぱり司会がウザいですね(笑)
なんでも下ネタも言っていたらしく、
それを聞いた人たちからは結構な顰蹙を買っている、との情報も耳にしました。
-ほぉ、そうなんですね。オトメゴコロ。があまりわからない司会者だったのかもしれませんね。
そ、そうですね。
-なるほど。会場の様子自体はどうでしたか?
はい。会場の「Troxy」は1933年に映画館として建てられた伝統のある施設です。
その後何度か改築されて、天井には大きなシャンデリアが幾つも吊るされ、階段も広く、
壁なども派手な装飾があって、まさに豪華絢爛といった特徴の造りをしています。
そして今夜は地元イギリスのミュージシャンたちによるライブも行われたのですが、
授賞式も含め、それはもう大変な盛り上がりでした。
ちなみにこの会場は他にも結婚式、展示会などで使用されるとのことですが、
もちろん今でも映画館としても機能しています。
会場の最大キャパシティは2600人とのことです。
-あ、ちょうど今、始まる前の会場内の映像が流れています。とても幻想的な空間でつね。
そうですね。ふだんなかなかこういう場所には来れないので場違いな気がしました。
-でしょうね。
え? よく聞き取れませんでした。今なんと?
-いえ、独り言です。ところでテリさんは会場のどの場所から観覧されたのでつか?
2階席からです。
-そこからBABYMETALのみなさんに「ガンバレ!!」と声援を送ったわけでつね。
そ、そうですね。
-「顔」に「笑う」と書いて「顔笑れ!!」と。
え? か、顔に……、何と言いましたか?
-声援を送ったのかどうかを訊いているんです。
ああ、はい。そりゃあもう、大声で声援と拍手を送りました。
-YMYは叫びましたか?
はい?
-ゆいちゃんまじゆいちゃん
えっ?
-松島や ああ松島や 松島や
は、はいー!?
-YUIMETALはいつもどおりのYUIMETALでしたかと訊いているんです。チッ。
いつもどおり? そうですね、遠目だったので分かりづらかったのですが、
バックのモニターで見る限りでは、終始ニコニコしていて、
緊張しているといった様子はまったく見受けられませんでした。
彼女はまだ16歳、あ、もうすぐ17歳になりますが、立ち振る舞いがとてもエレガントです。
それはそうと今、最後、チッって。舌打ちですか?
-MOAMETALの様子はどうでしたか?
え、あっ、はい。
MOAMETALも緊張した様子はなく、また、たくさんの知り合いもできたんでしょうね、
周りの席のミュージシャンたちにも小さく会釈しながら歩いていました。
BABYMETALの3人は、いつでもお行儀が良いです。
そういった礼儀正しさや清廉さも音楽関係者たちに良い印象を与えています。
ええっと、MOAMETALですが、壇上での弾けた笑顔がとても印象的でした。
あれはまさにキラースマイルですね。それを見た者は瞬時に心がとろけるという。
-つまり、Song for smiling だったと。
はい?
-SU-METALはいかがでしたか。
え、はい。彼女の英語は日に日に上達している印象でして、
途中、わちゃわちゃした感じもありましたが、今夜のスピーチも堂々としたものでした。
またイントネーションやアクセント、声質も可愛らしく聞こえるんでしょうね、
現地の人たちが温かい雰囲気でステージを眺めていたのもとても印象的でした。
-なるほど。ある意味マシュマロ色の君と的な温かい空間だったということでつね。
全然違います。意味が分かりません。
それより軽部さん、さっきからあなた、おもいきりさくら学院の曲名を言ってませんか?
「オトメゴコロ。」とか、「顔笑れ」とか、「Song for smiling」とか、「マシュマロ色の君と」とか。
-さくら学院? ああ、名前くらいは知ってますよ。
たしかBABYMETALの3人もさくら学院の卒業生でつよね。
そうです、そうです。
というかですね、さくら学院のこと、本当はお詳しいんじゃないですか? 軽部さん。
-いえ、僕はもう50過ぎのいい大人ですよ?
いくらなんでも小中学生限定ユニットに熱を上げるはずがありません(笑)
そうですか。でも、さくら学院ってとても素敵な学校なんですよ。
僕も最初は抵抗があったんですけど、次第に魅了され、やがてハマっていきました。
歌もダンスもさることながら、何よりもまず、教育がしっかりしているんですね。
何の教育かと言いますと、それはプロとしての基本的な心構えだったり、
父兄に対して感謝の気持ちを持つことだったり、あとはどんなステージでも手抜きはせずに……。
-その他にも何か印象的だったことはありましたか?
え? えっと、そうですねぇ……。
1階のフロアにはたくさんのミュージシャンたちが座っていたんですけど、
どの方もBABYMETALがコールされた時に温かい拍手を送っていたのが非常に嬉しかったですね。
あと2階の客席からも、BABYMETALに対する声援はかなり上がっていました。
賞が発表される前には、エントリーされているバンドのMV映像がモニターに流れるのですが、
BABYMETALの「KARATE」のMVが流れた時の声援もひと際大きかったように思えました。
-イギリスでは名実ともに第一人者の地位を占めつつあるといった感じなのでしょうか。
そうですね。イギリス国内での知名度はまだまだだとは思うのですが、
音楽関係者の間では、知らない人はいないというくらいに認知されています。それも好意的に。
-そうですか。そちらの方がすごいことのように思えまつね。
はい。今回の受賞は「BEST LIVE BAND」という賞だったわけですが、
BABYMETALよりも実績が上の他のバンドを差し置いての受賞だったのです。
これはBABYMETALのライブパフォーマンスの質の高さが認められたことでもあります。
一般のお客さんだけではなく、彼女たちは業界の人たちにも大変大きなインパクトを与えました。
だからこの賞を受賞したBABYMETALには、2階席からも、1階席からも、
本当に会場中から、大きな称賛の拍手が沸き起こったんだと思いますね。
特にイギリスの音楽好きの人は目が肥えていますし、何よりロックやメタルの発祥の地です。
なのでこの国でこの賞を受賞したという意義はとてつもなく大きいものだと思います。
-なるほど。まさにキラメキの雫を手に入れた感じだったわけでつね。
はい? すみま……。ちょっと音声が乱れま……、よく……えない状況……。
-私の声よ君に届け!
あっ、直りました。聞こえました。軽部さんの声が僕に届きました。
-私にもI・J・Iがありまつからね。
ちょっとよくわかりません。
-その他にも何かありますか?
そうですね。会場の雰囲気がころころ変わるのも面白かったですね。
今回、約1時間半の間に、17の賞の発表が行われたわけですが、
各賞には5つのバンドがエントリーされていて、
受賞者の発表の前には、その5つのバンドのMVがスクリーンに流れるんですね。
そして観客たちは、ひいきにしているバンドのMVが流れると一緒になって歌ったり、
席を立って歓声を送ったりするのですが、逆に嫌いなバンドの時などには、
大きなブーイングをしたりするんです。
たとえば BEST EVENT賞 の際には、一番最初にMVが流れたガンズの時は大歓声だったのが、
次の5 Seconds Of Summer の際には大きなブーイングが起こりました。
1つ1つの賞の発表ごとに会場全体が楽しんで反応しているといった印象でした。
-BABYMETAL以外で盛り上がっていたシーンなどありますか。
ええっと、そうですね……。
単純にイギリスのバンドが紹介されている時は大きな歓声が起こっていたのですが、
中でも、BEST TRACK賞を受賞したAll Time Low、
BEST BRITISH BAND賞のAsking Alexandria、
BEST INTERNATIONAL BAND賞のA Day To Rememberの際は大変な盛り上がり方でした。
-ちなみに授賞式の後のコンサートも鑑賞されたのでしょうか。
ええ、観ました。とても盛り上がったライブでした。
-どういったバンドがライブを行ったのでつか?
受賞者でも申し上げた、Asking Alexandria や A Day To Rememberです。
-あっ、思い出しました。その2つのバンド、KSRです。
KSR? 何ですかそれ。
-(K)軽部、(S)知ってる知ってる(R)のKSRです。
あーーーーっ! それ、おまっ、めぐの。
やっぱりさくら学院のこと、よく知ってるんじゃないですか。
-ベリシュビッッ!!
???
-そろそろ時間となりました。
えっ? まだ10分くらい尺が残っているでしょうに。
-これで現地からの中継を終了したいと思います。
ちょ、まだ早いって。急に切るなっ、ざっけんじゃねーぞっ!
-オイ!
オ、オラ?
-ハロー!
……アイビー!?
-現地のポンスケさん、どうもありがとうございました。
ちょ、誰がポンスケだ。おい、待てって、このMr.トロピカロリーがっ!
―――プツン。
現地のテリ記者からのリポートでした。
彼女たち3人は「目指せ! スーパーレディー!!」とばかりに、
着実に「夢に向かって」進んでいっているようですね。
以上、「OH!めざめエンタNOW」の時間でした。
時刻は朝の6時半となりました。
今日も良い一日でありますように。
それでは、
せーの、
グッドー、
オーガニング!
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