BABYMETAL 音楽ナタリー 夢は世界征服

BABYMETALがメジャーデビュー盤となるシングル「イジメ、ダメ、ゼッタイ」をリリースした。同曲は、グループ結成間もない2010年からライブで歌われてきたBABYMETALの看板ナンバーのひとつ。SU-METALのストレートでシリアスなボーカルと、YUIMETALとMOAMETALのコミカルなコーラス&スクリーム、そしてメロディックスピードメタルサウンドを通じてイジメ撲滅を啓発する。

さらにジャケット違いの初回限定盤シングル3種のカップリングには、2012年10月のShibuya O-EASTや同年12月の赤坂BLITZでのワンマンライブなどのオープニングを飾ったデスメタルナンバー「BABYMETAL DEATH」を収録。シングルの通常盤にはインディーズ時代の1stシングル「ヘドバンギャー!!」を手がけたEDOMETALとNARASAKIによる新曲「Catch me if you can」が収録されている。こちらはインダストリアルメタルを彷彿とさせる硬質なサウンドの上で、BABYMETALの面々が音の鬼ごっこ、かくれんぼを繰り広げるコミカルな1曲だ。

今回ナタリーでは彼女たちのメジャーデビューを記念して、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALそれぞれのソロインタビューを敢行。BABYMETALの2012年を振り返ってもらうとともに、今作の聴きどころに迫った。また「BABYMETAL DEATH」のアレンジャーゆよゆっぺ、「Catch me if you can」の作編曲家NARASAKI、そしてBABYMETALのサウンドプロデューサーKOBAMETALへのメールインタビューも実施。それぞれの思うBABYMETALの魅力と各楽曲の制作秘話を訊いた。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 佐藤類

 

生バンドって気持ちいい!

SU-METAL(Vo, Dance)

──2学期の成績はいかがでした?

受験生なんで「内申点に響くかな」と思って期末テストはちょっとがんばって。で、内申点がわかってからは、ちょっとダラダラしてました(笑)。

──これから高校受験本番が控えてはいるものの、結構明るく新年を迎えられた、と(笑)。その受験勉強の一方で、2012年はBABYMETALとして相当精力的に活動しましたよね。中でも印象に残っていることってなんですか?

Shibuya O-EASTのワンマンライブですね。初めて生バンドさんの演奏で歌わせていただいたんですけど、そのときまでバンドさんのライブにお客さんとして行ったこともなかったので「カラオケで歌うのとあんま変わんないんだろうな」って思ってて。でも、実際に音を聴いたら、すごく胸に響いてきたんですよ。で、ライブ中「もっと聴きたい!」と思ってイヤモニを外してみたら、逆に音がよくわかんなくなっちゃったりもしたんですけど(笑)。そういうことをしちゃうくらいホントに気持ちよかったです。

──Shibuya O-EASTでのワンマンライブって2回公演でしたよね。1300人×2公演のファンを前にしたときってどんな気持ちでした?

自分たちだけのためにあれだけのお客さんが来てくださるっていうことがホントに信じられなくて。そのライブでソロ曲を初めて披露したんですけど、1人で大きなステージに立って1300人ものお客さんの前で叫んだり、高い音を伸ばしたりするのはすごく気持ちよかったです。「私、今、ライブしてる」って気持ちになれました。

BABYMETALといえばこの曲

──そして今年ついにメジャーデビューするわけですけど、インディーズでCDをリリースするときとは心境は違いますか?

やってることは一緒なんで、違う気持ちになることはないんですけど、インディーズのときよりもたくさんの方に聴いていただけるのはやっぱりうれしいです。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」はBABYMETALの曲としては2つ目で、リリースは今年なんですけど、2年前からライブでは歌っていて。お客さんにも「BABYMETALといえばこの曲」って思っていただいている曲だと思うので、地方や海外に住んでいたりして、普段ライブに来られないファンの方にもぜひ聴いてもらいたいですし、まだ私たちを知らない人にもこの曲で「BABYMETALってこういうグループなんだ」って知ってもらいたいですね。「なんじゃこりゃ!?」ってビックリされちゃうかもしれないですけど(笑)。

──あはははは(笑)。「BABYMETALといえばこの曲」と言うからにはSU-METALさんとしても思い入れは強い?

はい。最初にいただいた「ド・キ・ド・キ☆モーニング」はもうちょっとアイドルチックなかわいい感じだったのに、2曲目の「イジメ、ダメ、ゼッタイ」になったら音がいきなりガッツリ、メタルになっていて。しかも歌ってるテーマが重たいじゃないですか。でも、それをYUIMETALとMOAMETALの合いの手が聴きやすくしてくれている。だから「この曲こそがBABYMETALなんじゃないかな」「アイドルとメタルが融合した曲なんじゃないかな」って思ってます。

──そのかわいらしい「ド・キ・ド・キ☆モーニング」や、自己紹介ソング的な「ヘドバンギャー!!」のような楽曲と、メッセージ性の強い「イジメ、ダメ、ゼッタイ」では歌への取り組み方って違います?

最初はどう歌っていいのかよくわからなかったですね。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」をいただくまでってアイドル系の曲やバラードをよく歌っていたので、こういう強い曲に感情を込めるのが難しかったんですよ(笑)。なんか合唱団みたいにまっすぐな歌い方になっちゃって。でもライブをやるうちに「こう歌いたい」「この言葉を強調したい」っていう気持ちが生まれてきて、だんだんクセというか、私なりの歌い方みたいなものを出せるようになりました。あと、曲をいただいた頃は声も幼かったんだけど、今はもっと強い声になってるので、今回のCDのほうがもっと聴きやすくなってるかな、とは思います。

メタルって面白いなあ

──「こういうときに聴いてもらいたいな」っていうイメージや希望ってありますか?

SU-METAL(Vo, Dance)

タイトルのとおり、イジメがテーマではあるんですけど「ちょっと疲れてるなあ」っていうときに背中を押してくれる曲にもなってるんじゃないかな、とは思ってます。おっきい音量で流して、つらいこととかをこの曲にぶつけてほしいですね。私自身は「あっ、やっちゃった!」っていう日があると、そのときの自分の思いをバーッとノートに書くようにしていて。字が汚いから自分でも何を書いてるんだか、あまりわからなかったりもするんですけど(笑)、あとから「あっ、こういうことを思ってたんだな」「つらかったんだな」って読み返すのがすっごく好きなんですよ。私がそうやってノートにぶつけているように、聴いてくださる方にはこの曲に自分の気持ちをぶつけて、ちょっとほっこりしてもらえたらいいな、って。

──このメロディックスピードメタルナンバーでほっこりしますか!?

はい(笑)。いつ始めたのかはよく覚えてないんですけど、ライブでこの曲の「君を守るから」っていうフレーズを歌うときには、必ずYUIMETALとMOAMETALと3人で親指を立てて、お互いを見ながら「うんっ」ってうなずいてて。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ってだいたいライブの最後にくる曲なので疲れた状態で歌うことになるんですけど、目を合わせると「うんっ、もうちょっとがんばろう」っていう気持ちになれるんですよ。レコーディングのときもブースでひとりで「うんっ」ってうなずいたら安心できましたし。なんか、そういう意味で「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は「ほっこり」なんですよ(笑)。なので、聴いている方にもそういう気持ちも伝わるとうれしいですね。

──無事メジャーデビューを果たした今、やってみたいことってありますか?

目標っていうのとは違うかもしれないんですけど、私、BABYMETALの活動を通していろんなジャンルの音楽を知ったんですよ。今までメタルって全然聴いたことがなかったし、最初は「なにこれ!?」って感じだったんですけど(笑)、今では「メタルって面白いなあ」って思えるようになったので、今年もまだ知らないジャンルの音楽を聴いたり歌ったりすることには挑戦してみたいですね。

2012年の一番の思い出は海外ライブ

YUIMETAL(Scream, Dance)

──さっきSU-METALさんにも訊いたんですけど、2学期の成績は?

…………。

──なんかインタビュー開始早々、テンションが下がりまくってますが(笑)。

3学期はがんばります!

──がんばってください!(笑) では気を取り直して楽しいBABYMETALのお話を。2012年の活動の中で一番思い出に残っていることってなんですか?

たくさんあるんですけど、一番はシンガポールでライブができたことですね。「目標は?」って訊かれたらいっつも「海外でライブしたい」って言ってたので。

──じゃあ11月の「Anime Festival Asia Singapore 2012」の出演が決まったときはうれしかった?

はい。でもなんか、実際にシンガポールに行ってからも、あんまり実感が湧かなくて……。クルマで街を走ると周りは全員外国の方だし、看板とかも全部英語なんだけど、なんか海外に来てるって感じがしなかったんです。

──それはなぜ?

なんでなんだろう? ずっと海外でライブをすることが遠い夢なんだと思ってたからかなあ。

──にもかかわらずBABYMETAL結成から2年で叶っちゃったから、ピンとこなかった?

そんな感じだと思います。ライブの会場に着いて、海外のファンの方とお話させていただいて、英語で「Thank you」って答えたりしているうちに、やっと実感が湧いてきたって感じでした。で、そのライブのときってお客さんがみんなペンライトを持っていてくれて。黄色いペンライトだったんですけど、会場が広くてたくさんお客さんがいたので、なんか星みたいに見えたんですよ。振ってくれると、たくさん流れ星が流れてるみたいになったし、すごくキレイな風景でした。

──海外のBABYMETALファンって、日本のファンみたいにヘッドバンギングしたり、モッシュしたりするんじゃなくて、もうちょっとアイドル寄りの応援のしかたをするんですね。

はい。それがすごく印象に残ってます。あとはごはんも印象に残ってて。カエルを食べたんですよ!

──お味の程は?

初めて食べたんですけど、なんか鶏みたいでおいしかったですね(笑)。あっ、マーライオンとかナイトサファリとかを観光できたのも楽しかったDEATH!

──街の風景を見ているぶんにはピンとこなかったけど、ライブをしたり、地元の料理を食べたり、観光したりと「体験」することでシンガポールにいることを実感できたって感じ?

そうですね。で、社会科の教科書とかにマーライオンの写真って載ってるじゃないですか。いつも教科書で見てたところに自分がいるんだってわかったら、すごく不思議な感じもしました。

BABYMETALらしさが詰まった1曲

──そうやって海外の大型フェスにまで呼ばれるような存在になって、この1月、いよいよメジャーデビューすることになりました。その記念すべき1stシングルが「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に決まったわけですけど、そのことを聞いたときはどんな気持ちでした?

ライブではずっと歌ってたんですけど、CDにはならなかった曲だったので自分の中では「『イジメ、ダメ、ゼッタイ』はライブ限定なんだ」って思ってて。だから、ちょっとビックリしたんですけど、ホントにBABYMETALらしさが詰まった1曲だと思うので、この曲がデビューシングルでよかったDEATH。

──YUIMETALさんの思うBABYMETALらしさって?

えーっと……。まず、振り付けが予想できないようなものばっかりなところとか(笑)。ステージの端から端まで走ったりとか、ちょっと戦いゴッコみたいなバトルシーンがあったりとかするし。あと、YUIとMOAが掛け声しかしていないというか、メロディを歌ってないじゃないですか。

──あっ、そうか。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ってYUIMETALさんとMOAMETALさんがBABYMETALのスクリーム&ダンス担当であることを強調した1曲でもあるんですね。

はい。SU-METALの歌もそうなんですけど、そういうところもBABYMETALらしさなんだと思うし、CDやライブで一番聴いたり観たりしてもらいたいところでもあるんだと思ってます。

ホントに伸びたい! とにかく伸びたいです!

──ところが通常盤のカップリング曲である「Catch me if you can」ではYUIMETALさんとMOAMETALさんもSU-METALさんと一緒にボーカルをとってますよね。CDリリースされた楽曲でここまで歌声を前面に打ち出したことは……。

ライブでしか歌っていない曲の中に、MOAとYUIの2人が歌っている「おねだり大作戦」っていうのがあるんですけど、CDになった曲はないですね。それに3人で歌ってみるのも初めてDEATH。

──ボーカルのレコーディングっていかがでした?

ディレクターさんにも「自由に歌って」って言われてたので、SU-METALみたいにすごく楽譜に合わせて歌わなきゃっていうふうにはあんまり考えてなくて。掛け声の長いバージョンって感じで、メロディのこととかは気にしなかったから「歌った」っていう実感はあんまりないですね(笑)。

──でも「自由に」っていうのはYUIMETALさんが好きに歌えるっていう意味でもあると同時に、自分で歌い方を考えなきゃいけないっていうことでもあるわけですよね。

うーん……。でも、かくれんぼの曲だからかくれんぼして遊んでいるところをイメージしたくらいかなあ。

──じゃあレコーディングはスムーズだった?

あっ、でも「Catch me if you can」の最初のところってすごい怖いじゃないですか!

──足音のSEが鳴っているところですか?

YUIMETAL(Scream, Dance)

あのトコ、トコ、トコ、トコって歩いてくる感じがすっごい怖くて……。ブースの中で1人で聴くのはホントに怖かったので「私がレコーディングするときはあそこは流さないでください」ってお願いしました(笑)。あと「Catch me if you can」はレコーディングの日に歌詞が変わって。練習してたときとは全く違う歌詞になったので、それを覚えるのが大変でした。

──最後に2013年ってどんな年にしたいですか?

背が伸びる1年にしたいです!

──あはははは(笑)。また、難易度の高い目標を掲げますねえ。ちなみに今の身長って?

142cmです。だから学校で背の順に並ぶといっつも一番前なんですよ。男子とかにはよく「ちっちぇーな」って言われちゃうし、さくら学院の小6の子にも身長を抜かされちゃってるので、おっきくなりたいですね。ホントに伸びたい! とにかく伸びたいDEATH!

キツネ様もついてるし大丈夫かな

MOAMETAL(Scream, Dance)

──SU-METALさんとYUIMETALさんにも訊いたので、MOAMETALさんにも教えてもらいたいんですけど……。

成績ですよね?

──あっ、YUIMETALさんとは打って変わって自信ありげだ(笑)。はい2学期の成績はいかがでした?

MOAって1週間くらい前からはテスト勉強を始められないタイプなんですよ。2学期の期末の勉強も結局1日前とか2日前とかに始めたんですけど、保健体育は60点中58点で、音楽は60点中52点でした。数学でうっかりミスがあったりもしたんですけど、一応全部平均点より上だったので、3学期ももっとがんばりたいな、と思います。

──がんばってください! さて2012年のBABYMETALの活動の中でもMOAMETALさんにとって一番印象的だったことは?

サマソニが一番印象に残ってます。ステージの手前にフードコートみたいなのがあったんですけど、そこでごはんを食べていたお客さんがBABYMETALを観てビックリしてたのも覚えてるし、いろんなアイドルさんとかバンドさんがいる中でBABYMETALを出してもらえたのもうれしかったし。そのサマソニでシンガポールでライブをやることをはじめて発表できたこともよかったし……。

──サマソニってBABYMETALファン以外のお客さん、それもいわゆるロックファンのお客さんが中心じゃないですか。そういう人たちを前にステージに立つときって緊張したりは?

たぶん緊張してたりはしたと思うんですけど、BABYMETALのライブには神が降臨してるんですよ(笑)。

──その神様っていうのは、みなさんのメロイックサインが影絵のキツネの形であるように……。

キツネの神様DEATH! そのキツネ様が降臨しているので、ライブの瞬間のことはあんまり覚えてないんですけど、でもお客さんがキツネサインとかヘドバンとかを一緒にやってくれて楽しかった記憶はあるって感じDEATH。

──サマソニに限らず、ステージではあまり緊張はしない?

本番直前になると緊張しなくなるというか。お客さんの歓声を聴いたり、ステージのスモークとかを観たりしたら、もうスイッチが入ってますね。

──どうしたら13歳の若さで、その度胸って身に付くものなんですか?

なんでだろう……。自分を信じてるから? レッスンとかもすごいしてるし、キツネ様もついてるし、大丈夫かなって(笑)。

「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は心に響きやすい曲

──なるほど。そして今回、その努力の成果でもあるデビューシングルをリリースしたわけですけど、MOAMETALさんにとって「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ってどういう曲ですか?

イジメっていうすごく重たいテーマの曲なので、SU-METALの歌に酔いしれるというか、歌をしっかり聴いてもらいたいんですけど、YUIとMOAの掛け声でも盛り上がってもらいたいというか。さっきSU-METALが言ってたみたいに、掛け声が入ることで聴きやすくなっているというか、心に響きやすくなってるんじゃないかな、って思っているので。

──2人の声のおかげもあって「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ってちょっとコミカルな印象の曲でもありますもんね。

でもこの曲ってすごく長いんですよ。

──アイドルのデビューシングルで6分オーバーっていうのは確かに珍しいのかもしれない。

よく聴くと長い曲なんで、私たちが疲れに耐えながら歌っている感じとか踊っている感じっていうのがイジメに耐えてる感じにつながるんじゃないかな、っていうふうにも思ってます。

──MOAMETAL&YUIMETALのキャッチーな声が入ってはいるけど、曲の構成からしてイジメを軽く扱っているわけではないことがわかるようにはなっている、と。

はい。

MOAMETALらしさは元気さとか面白さ

──レコーディングは順調でしたか?

YUIとMOAはいつもは同じブースに入って手をつないでレコーディングしてるんですけど、今回は向かい合ったブースに1人ずつ入って同時に録ってて。アイコンタクトしかできなくて、すごく緊張とかもしたし「慣れないな」とも思ったんですけど、やっぱり気が合うのか、才能なのか……(笑)。

──あはははは(笑)。いつもどおり2人のタイミングはバッチリだった?

合いました。でも「Catch me if you can」のレコーディングのときはMOAとYUIは正反対で……。

──正反対?

ファンの方に初めてCDで2人の歌声を聴いてもらえるのはMOAもYUIもすごくうれしいと思っているんですよ。でも、MOAは「Catch me if you can」の最初の音がすごく好きで(笑)。天使が階段から降りてくる音みたいだからいっぱい聴きたいんですよ。

──それは確かに正反対だ(笑)。

だからそこはなかなか気が合わなかったですね(笑)。

──さっきYUIMETALさんは「レコーディング中はあの音は流さないように頼んだ」って言ってましたけど、そうやって意見が分かれたときってどちらが採用されるんですか?

怖がらせるのはかわいそうなので、YUIの意見DEATH。

──なるほど(笑)。あとYUIMETALさんは「『Catch me if you can』は自由に歌った」とも言っていたんですけど、MOAMETALさんは?

それはYUIが言ってるとおり、自由に自分らしく歌いました。

──MOAMETALさんの考える自分らしさって?

うーん……。なんか、元気さとか面白さとか?(笑)

BABYMETALで世界征服!

──アイドルなのに「かわいらしさ」っていう単語が出てこないあたりがBABYMETALらしいですね(笑)。そのMOAMETALさんらしさを発揮したこのシングルはどういう人に聴いてもらいたいですか?

MOAMETAL(Scream, Dance)

MOA的にはBABYMETALを知らないメタラーさん。BABYMETALの曲ってメタルではあるんですけど、アイドルとメタルの融合なので、やっぱりちょっとかわいらしい部分とかもあると思うんですよ。だから、メタラーさん的にはどう思われるかわからないんですけど、親的な目で見てもらいたいなと思ってます(笑)。

──とはいえ、メタルをバカにしたり、メタルヘッズにナメられたりするような内容では……。

もちろんないです! 自信を持ってやってます!

──MOAMETALさんの2013年の目標は?

まず、BABYMETALで世界征服したいと思います!

──おおっ!

あと、霜を踏んで歩かない!

──へっ!?

霜が張ってるところとか、あと落ち葉のあるところってシャキシャキ音が鳴って楽しいから、いっつも踏みたくなっちゃうんですけど、学校にはローファーとかスニーカーとかで行ってるので、いつか滑るんじゃないかなっていう気がしていて……。

──あはははは(笑)。でもそれって年間目標じゃなくて、秋冬限定の目標ですよね?

あれっ!?

 

NARASAKI メールインタビュー

──初めてBABYMETALというグループのコンセプトを聞いたとき、どういう感想をお持ちになりました?

メタルとアイドルの融合のさせ方が斬新だと思いました。「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のチューニングの低いギターのリフに「おお、これはカッコいい!」と、すぐにやられましたね。

──インディーズ時代のシングル「ヘドバンギャー!!」の制作に際して、実際にBABYMETALに初めて会ったときの印象は?

まあ、かわいらしい! それと「とても行儀がよいな」と思いました(笑)。

──アイドルや声優など、多くの女性ボーカルものの楽曲を手がけるNARASAKIさんの考える“ボーカリスト・BABYMETAL”の魅力や特徴はどんなところにあるんでしょう?

SU-METALちゃんの声は張ったときの高音域がキレイ。なので「ヘドバンギャー!!」も、新曲の「Catch me if you can」も、それを生かせる曲になるように心がけて作っています。で、YUI&MOAちゃんについては、子供らしさ、かわいらしさを引き出せるように考えてます。

──自身が手がけるBABYMETALナンバーの評判って、NARASAKIさんの耳に入っていますか?

評判はどうなんでしょうね(笑)。「ヘドバンギャー!!」はBABYMETALの曲の中でも少し変わった立ち位置にある気はしてますが……。もちろんファンには曲を気に入ってもらって、ライブでも盛り上がってもらえるとうれしいですけどね。

──楽曲制作の際、BABYMETALの楽曲だからこそ留意している点はありますか?

ブ厚くてカッコいい鋼鉄サウンド。メタルの持つエグさと、アイドルらしいファニーさの同居。アイドル業界の中でも突き抜けている感。日本人以外の視点で聴いたときの印象とか……。あとは単純にライブで自分が楽しめることかなあ、と。そして「Catch me if you can」は自信作です!

──COALTAR OF THE DEEPERSや特撮のように自身が主宰・参加しているプロジェクトや、他のアーティストのための楽曲に比べて、BABYMETALナンバーは制作しやすい? それとも難産?

BABYMETALの曲自体は毎回コンセプトに基づいて作っているのでイメージはとてもつかみやすいですね。難産といえばプロデューサー陣とのイメージのすり合わせですかね。でも、それもクリエイティブで楽しいです。

──最後にこのたびメジャーデビューを果たしたBABYMETALにひと言お願いします。

いちファンとして楽しみにしております! 活動がんばってください!

 

ゆよゆっぺ メールインタビュー

──ゆよゆっぺさんのBABYMETAL初仕事は、彼女たちのインディーズ時代のシングル「ヘドバンギャー!!」のカップリング曲「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」ですが、この曲のアレンジャーに選ばれた経緯は?

全てはキツネ様のお導きとでも言いましょうか……。ある日、猛烈に「彼女たちのサウンドを作ってみたい」という衝動に駆られまして。気付けば僕はキツネ様の礎になるべく「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」の打ち合わせに向かっておりました。

──「BABYMETALサウンドを作りたい」という衝動に駆られたのはなぜ?

BABYMETALというグループのコンセプトを初めて知ったとき、すごく面白いと思ったと同時に「なるほどな」とも思ったんですよ。しかも初めて彼女たちの映像を観たときのファーストインプレッションはさらにインパクトがあった。コンセプトを聞かされたとき以上に「面白い」「なるほど」って思いました。

──その「面白い」存在であるBABYMETALに実際に初めて会ったときの印象は?

親戚のおじさんのような気持ちになりました。

──坂本美雨さんや、やなぎなぎさんなどのボーカリストとも共作しているゆよゆっぺさんの考える、“ボーカリスト・BABYMETAL”の特徴は? そして評価は?

評価という意味では、もちろん素晴らしいと思っています。ただ特徴をひと言で語るのは難しいですね。今まで僕が聴いてきたメタルなボーカルの尺度で測ることができない。なんてったって彼女たちは新しい形のメタルアイコンなんですから。

──ゆよゆっぺさんの手がけたBABYMETALナンバーの評価って、ゆよゆっぺさん自身の耳にも届いてますか?

Twitterでよく見かけます。当然と言っていいのかはわかりませんが、賛否両論ですね。ただそれは新しい音楽が生まれる瞬間だからこそだとも僕は思ってます。

──「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」や、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」初回限定盤収録の「BABYMETAL DEATH」と、BABYMETALの楽曲を書くときだからこそ留意している点ってありますか?

制作している間「考える」という作業をすることが極端に少ないんですよ。ただただ彼女たちに歌ってもらっているところを想像しながら、無我夢中でトラックを作っています。だから、正直な話「留意するところ」というのはあまりないのですが、強いて言えば、ライブでプレイするところはイメージしているかもしれません。僕、BABYMETALのライブでは、いつも関係者席ではなくフロアでお客さんと一緒に盛り上がっているんですけど、そこでは自分も最大限に楽しみたい。だから、ライブのお客さんにいかに「うおおおぉぉぉおおおお!!」と言わせられるか、ということは考えています。

──BABYMETALナンバーの制作は、ゆよゆっぺ名義の楽曲や他のボーカリストの楽曲に比べてスムーズ? それとも難産?

「これでもか!」っていうくらいアレンジのアイデアがあふれてくる、とても有意義な状況で制作できてます。僕は普段から「楽曲を聴いている人の期待をいい意味で裏切りたい」と思っているんですけど、その考え方や狙いが僕の思うBABYMETALのテンションやあり方ってすごく合致しているので、とても作りやすいんです。

──最後にこのたびメジャーデビューを果たしたBABYMETALにひと言お願いします。

これからも、新しいメタルの歴史をたくさん作っていただきたいです。僕はこれからもBABYMETALに魂を捧げ続けます!

 

KOBAMETAL メールインタビュー

──通常盤の「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に収録されている「Catch me if you can」ではスクリーム&ダンス担当であるYUIMETALとMOAMETALのボーカルをフィーチャーしています。このアイデアはどこから?

BABYMETALの場合、歌もサウンドも作業中に新しいアイディアが出てきてどんどん変わっていくことが多いのですが、今回もまさにそのパターン。YUIMETALが言っていたとおり、実は歌をレコーディングするギリギリまで歌詞を書いていたため、はっきりとした歌の割り振りを決めていなくて。レコーディングしながら「このパートは○○が歌ってみよう」などいろいろ試していました。Aメロに関しては「鬼ごっこをしているYUIMETALとMOAMETALが土管の中に隠れてニヤニヤしている」イメージで作ってみました。

──その「鬼ごっこ」を歌った楽曲に、いわゆるインダストリアルメタルを彷彿させるデジタル感の強いアレンジを採用した理由は?

初期段階で「インダストリアルメタル」「デジロック」というテーマがあったので先にサウンドの方向性は決まっていました。どちらかというと歌詞のテーマをあとから考えた感じです。

──YUIMETALとMOAMETALは、KOBAMETALさんから「『自由に歌って』と言われた」と言っていましたが、なぜ「あえてディレクションしないというディレクション」を?

曲によっては細かいニュアンスまでリクエストすることもあるのですが、今回はフリーな状態から生まれる偶然の産物に期待してみようと思いました。

──初回限定盤収録の「BABYMETAL DEATH」はこれまでのBABYMETALナンバー以上に重くて速い正調スラッシュメタルサウンドになっています。アレンジャーであるゆよゆっぺさんにはどのようなリクエストを?

「ライブのオープニング曲を作ろう!」というテーマがあったので「神を降臨させる儀式の曲」というイメージ。シンフォニックメタルとデス&スラッシュメタルを組み合わせた曲を作ってほしい、とリクエストしました。曲の構成自体はメタルの教科書的というか、メタルを知っている人が聴けば「ニヤリ」とできる、定番フレーズをあちらこちらに入れてもらいました。

──また「BABYMETAL DEATH」は、グループ名を冠した楽曲でありながら、歌詞は「♪SU-METAL DEATH」「♪YUIMETAL DEATH」「♪MOAMETAL DEATH」のみ。メンバーの声をサンプリングネタのように扱っています。

自己紹介の曲にしたかったので、歌や歌詞に関しては極端にシンプルにしてみました。イメージはBABYMETAL版「ミッキーマウスマーチ」ですね(笑)。