BABYMETAL 海外 ダウンロードフェス 2016 パリ ライブレポート

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※Download Festival UK ライブレポートはこちら

 

 

1.

その瞬間、騒音と煙塵とにみちた下に、僕はレンズ越しにステージの中央を凝視していた。
SU-METALの煽りが昨日とは違う。
僕がいる場所からは不可能だが、ステージ上の彼女は、会場全体を俯瞰して眺めることが出来る。
観客の体から迸る熱気の気焔のようなものを、特に後方ではまだ足りないと感じたのだろうか。
彼女は昨日以上に観客たちを煽っている。
昨年8月、前日のレディングの舞台で体感したよりも観客たちの熱量が足りないと感じるや、
曲中に煽りを多く取り入れて必死に盛り上げようとしたリーズフェスティバルの時のように。

 

トラブルで開演が遅れたとはいえ、ピット中央の盛り上がりはスタートから上々だった。
昨日のドニントン・パークでの、あの狂気の沙汰のような狂乱というわけではないが、
ピットの真ん中付近に集結しているフランス人のキツネ(外国人メイト)たちは、
やれ唄えや踊れやといった具合に、開演からここまで、愉悦を覚えて楽しくはしゃぎ続けている。
圧縮はほとんどないが、それが却って各々が自由に楽しく踊れるスペースを生み出している。

 

しかしすぐ後ろに視線を移せば、3曲目の「Catch me if you can」が終わってもなお、
若干温度差の違う観客たちが未だに乗り切れないままでいたのだった。
彼らは一様に口元に笑みを湛え、首の動きでリズムを取り、
ステージから目を離すことなく時折キツネサインを掲げたりはしているが、
巨大なサークルモッシュは驚嘆しながら傍観するだけで、
生のサウンドにあまりグルーヴを感じていないのか、とくに体全体を大きく揺らすこともなく、
傍から見ると、ライブに熱狂して入り込んでいるといった風には到底窺えなかったのだった。
が……、ああ、なんてことだ。ジャンプ! を連呼しながら彼女は息継ぎなしで歌い始めた。
SU-METALよ、やはり君は神なのか、と僕は思わず息を呑む。
たたでさえこの「メギツネ」は息継ぎ自体が難しい曲だというのに……。

 

ここが正念場かもしれない、と僕はジャンプを繰り返しながらスマホを仕舞うと振り返った。
するとSU-METALの怒涛の煽りが効いたのか、ここにきてようやく彼らも活気付いたようだ。
手を上げてジャンプを繰り返している観客の数は広範囲に波及しているようだった。
「よしっ、その調子」僕は拳を握ると再び前方へ目を向ける。
そしてステージ上の7人に「最後まで負けるなよ」と内心でエールを送らずにはいられなかった――。

 

 

 

――その日の朝、僕はまだロンドンにいた。
他の海外遠征組の方々も同じようなスケジュールだったようで、
ユーロスターが発車するセント・パンクラス駅に着いたところで数人、
そして車両に乗り込む際にも何人かの日本人とすれ違った。
「こんにちは」「どうも」その度に僕は笑顔で一言ずつ挨拶を交わす。
Kerrang! のインタビューでSU-METALはトリのRAMMSTEINのライブを観たいと答えていたから、
おそらくチームBABYMETALの面々も今日の午前中にパリ入りする予定だと思われた。

 

 

 

やがて列車はGare du nord駅(パリ北駅)に到着した。
所用時間は2時間程だが時差があるのでさらに1時間進んでいる。
今はちょうどお昼どき。
モダンで壮観な駅厩舎を出ると、マゼンダ通りを北上し、最寄駅から地下鉄2番線に乗車した。
それから3つ目の駅Blancheで下車すると、急いで予約済みのホテルへ向かった。
チェックインを終え、身支度を整えるや、僕はすぐにホテルを後にした。

 

Blanche駅に戻ったところでふと上空を見上げる。
バロック建築の名残が残るビル群の屋上が、重たくうす暗い雲を支えている。
パリの予報は雨だったが、今のところまだ雨は落ちてきていない。
昨日と同じような曇天の空に眉を顰めると、それから僕は足早に階段を下りて改札に向かった。
3連続の雨のライブは既に覚悟しているが、降らないのであればそれに越したことはない。

 

再び2番線に乗車し、西の最終駅Pte.Dauphineまで電車に揺られる。
それにしてもパリの地下鉄の車両は狭い。
人々が密集していると視野が極端に狭くなる。
なるほどこれではスリの温床になるわけだと僕は小さく首肯した。

 

駅を出ると無料のシャトルバスに乗車し、会場であるロンシャン競馬場へ向かった。
同競馬場を囲むブローニュの森は思いのほか深く、美しくもあり、どこか不気味でもあった。
なんとなく視線を感じたのは、ぼんやりと深緑の陰影を目で追っていた時であった。
席近くのメイデンTシャツを着たメタラーが、連れとBABYMETALについて話していたのである。
僕の着ているBABYMETALのTシャツに、交互にちらちらと視線を寄越しながら。

 

冷笑的な態度なのは一目瞭然だった。
彼らは顔を見合わせながら、BABYMETALなんて知らねえなあと大笑いをした。
陽気な笑みの影に、蔑みの色を見せている。
瞋恚に燃えた僕は、怒りを腹の底に蓄えながら、素知らぬ顔で再び視線を窓の外に向ける。
タイトな演奏と完全無欠のライブパフォーマンスで彼らの度肝を抜いてくれ。
僕は押し黙ったまま彼らへの仕返しを神バンドとBABYMETALに託す。

 

やがてバスは会場近くの停車場に到着した。
降車して少し歩くとエントランスが見えてきた。
サウンドチェックを行っているのは、方向からして2ndステージのようだった。
逸る気持ちに背中を押され、僕の足取りは随分と軽やかだった。
果たして今日のライブでは何曲披露するのだろうか。
60分も時間があるので、それに対する期待度は否応なく高まってくる。

 

昨日のドニントン・パークでの熱狂は忘れた方がいいだろう。
イギリスは半ばホームみたいな場所だし、何よりあの雨が、観客たちの異様な高揚を誘った。
しかし今日の会場はフランス。
過去に単独ライブを2度行っているとはいえ、CDセールスがあまり伸びなかった国だ。
イギリスと比べると圧倒的にファンの数は少ないだろう。

 

それでも、フランスのキツネたちは大挙としてステージの近くに押し寄せるに違いない。
それ以外の観客、最前付近以外の人たちは、ほとんどが初見とみるのが妥当だろう。
そしてそういった初見の人たちをいかに熱狂の渦に引き込むことができるか。
今日のライブに具体的な成果を求めるとしたら、それに尽きるのではないか。
仮に熱狂させずとも、興味を抱かせる対象と見做してもらえればそれだけで御の字である。
あのハイクオリティなライブパフォーマンスを持ってすれば、それはいとも容易いだろう。
BABYMETALの実力を骨の髄まで知る僕は、随分と楽観的な見通しを立てると、
のんきに鼻歌交じりに、エントランスに通じる横道に入っていったのだった。

 

 

 

 

2.

 

当初は、Download Festival Paris を観に行くかどうかは決め兼ねていた。
Download Festival UK のチケットと、その前日のThe Kerrang! Awards、
そしてまだ売り切れていなかったシュツットガルトのライブチケットはすぐに購入したのだが、
あまり長い休みが取れないことと、フランスまでの移動を考慮すると、
Download Festival Paris に関してはなかなか気が進まずにいた。
イギリス開催の方だけ観に行けば十分だろう、そう気持ちは固まりつつあった。

 

しかし数日後、急に考えが変わった。
それは単純にチケットが安いと判明したことが大きな理由だったのだが、
細かく確認をしていなかった僕に落ち度があった。
よく調べると、BABYMETALが出演する中日のチケットだけが安かったのである。
金額は49ユーロ。日本円にして約5800円。
この値段でBABYMETALの60分のステージが堪能でき、それ以外のバンドのライブも満喫できる。
交通費は嵩むがお得だからついでに観に行こうと、後になってチケットを購入したのだった。

 

デイチケットのエントランスの場所までは歩いてすぐだった。
チケットを提示し、荷物チェックと身体検査を受ける。
既に開場しているのでそのままフィールドの中へと入っていく。
すぐに入口付近のタイムテーブルの案内板が目に飛び込んでくる。

 

 

 

同じアミューズ所属のONE OK ROCKは5時から1時間の持ち時間で場所は2ndステージ。
メインステージからは一番離れた場所だった。
BABYMETALは、そのメインステージで午後6時に開演する。
少しでも観ることができればと来場前は思っていたけど、
時間的にも物理的にもONE OK ROCKのライブは観に行けそうもなかった。
ピットの真ん中に位置を得るには、最低でも1時間前から場所は確保しておかなければならない。

 

入場を果たすと、僕はすぐにICタグ付きのリストバンドを受け取りに行った。
このICチップにお金をチャージし、そしてそれで場内で飲食をするシステムだった。
金額は自己申告制で、僕は20ユーロをカウンターで支払い、その分をチャージしてもらった。
早速近くの売店でホットドッグとポテト、それとコーラを注文する。
リストバンドをした方の手を伸ばし、端末でICチップの情報を読み取ってもらえば支払いは完了。
決済完了後、チャージしてあった金額から代金を引いた金額がその端末には表示される。
残高は12ユーロだった。

 

やがて時刻は午後2時となり、メインステージの1組目であるAPOCALYPTICAを後方から観る。
なんだか面白そうだったので、ステージに近づいていって彼らのライブを堪能する。
APOCALYPTICAが終わると、隣のテントステージが演奏を始めたのでそちらに移動する。
そしてしばらくの間、ARCANE ROOTSのステージを楽しんだ。
メインステージと交互に、2ndステージ、テントステージがライブを行うので、
音が重なることもなく、また1つのバンドだけを集中して観ることができたのだった。

 

 

 

それから再びメインステージに移動し、今度はSAXONを近くで観る。
SAXONが始まる前までは、他の観客はほとんど向かいの2ndステージを観に行っていたので、
随分とピットは空いている状態だった。
基本的に観客たちはメインステージと2ndステージを交互に大移動しているようだった。
その証拠に、SAXONのライブが中盤に差し掛かった頃には大観衆が詰めかけている状況となった。

 

 

 

モニターに映った絵だけで判断すると、観客は4~5万人といったところだろうか。
今はメインステージだけがライブを行っているから、観客の多くがここに殺到しているのだろう。
やがてSAXONのライブは盛況ののちに幕を閉じた。
ライブが終わるとほとんどの観客たちは即座にメインステージから離れていった。

 

それは、BABYMETALが出演するフェスでは、なかなかお目にかかれない光景だった。
BABYMETALは次だというのに、その場に残っている人数は最前の2列ほどだった。
彼らがすべて遠征組の日本人やキツネたちであることは歴然だったが、それにしても数が少ない。
やはり今日の観客の多くは、BABYMETALのライブを観るのは初めてのようだ。
移動した人の中には、ファンだけど他のステージを観に行っている人も少しはいるのだろうけど……。

 

ONE OK ROCKを観に2ndステージへ向かおうか少し悩んだけれど、思い留まる。
僕は隣のテントステージに移動すると、幾ばくかTHE STRUTSのライブを観賞した。
その後30分程経ってからメインステージに戻ったのだが、その時、背後から、
かなり離れているにもかかわらず、大歓声がこちらにまで聞こえてきたのだった。
その騒音元は2ndステージのONE OK ROCKだった。
彼らのライブが随分と盛り上がっているのは純粋に嬉しかった。
そしてそれに続けと、僕はBABYMETALのバックドロップに念を送った。

 

 

 

しばらくすると神バンドが出てきてサウンドチェックを始めた。
前方の観客たちから大きな歓声が上がる。
開演まではあと10分足らず。
ふと周りを見ると、随分と人は集まってきていたが、2ブロック目はまだかなり空いていた。
やはりギリギリまで観客たちは他のステージで現在行われているライブを堪能しているようだった。

 

それらが終われば、ここにほとんどの観客が集結するのだろう。
僕は楽観的な思いでBABYMETALの開演を待ち続ける。
すると予想どおり、開演直前になる頃には大観衆が押し寄せてきた。
さらには、昨日の豪雨とは打って変わり、雲の切れ間から日が差してきたのだった。

 

 

 

不意の陽光は、今日のステージの成功を暗示しているかのように思えた。
くるりと後方を振り返ると、かなり後ろの方まで人で埋まっているのが分かった。
定期的にBABYMETALコールは発生し、会場は随分と賑やかな雰囲気になってきた。
さあ、間もなく開演。これから60分の長丁場だ。最後まで盛り上がるぞ。
僕もどうにも楽しい気分になり、周囲の喧噪に溶け込んで開演を今か今かと待ち続けたのだった。

 

 

 

 

3.

セットリスト

01 BABYMETAL DEATH
02 ギミチョコ!!
03 Catch me if you can
04 メギツネ
05 KARATE
06 Road of Resistance

 

遂に開演時刻の午後6時となった。
僕は左右のビジョンンを注視する。そろそろ映像が流れるはずだ。
そのまま画面をジッと見続ける。1分、2分……。
しかし映像は流れてこない。音も出ない。
僕はしきりにビジョンとステージとに交互に視線を向ける。
数分の遅れはよくあることだと自分に言い聞かせ、気長にその場で待ち続ける。

 

が、5分が経過しても状況は一向に改善されなかった。
ビジョンに映像は流れず、かといってステージに何か動きがあるわけでもない。
これはおかしい、何かトラブルだろうか、と疑念が生じたところで、
ふと視線が遥か上空に向いた。何かが光ったからだ。
その発光元は天井に吊るされた舞台照明だった。
青いライトが一斉に、一定間隔で点滅を繰り返している。
そして次は赤いライト。その次は白いライトが同じように数回点滅した。
点いたり消えたり、点いたり消えたり、点いたり消えたりを繰り返す。

 

それが照明テストであるのは明白だった。
なぜこのタイミングで? という疑問が頭をもたげる。
時間は既に6分が経過している。
しかしライブが始まる気配はまだない。
ここに至って僕の胸中に不安が渦巻いてきた。
どうした、何があった? 裏では一体何が起こっているのだ!?

 

ようやくビジョンに映像が流れ始めたのは、定刻から8分を過ぎたあたりだった。
バックの音は「BABYMETAL DEATH」のイントロだった。
途端に大歓声を上げる観客たち。
そこには、始まって良かったといった安堵の空気はなく、
ここまで焦らせやがって、早く観たかったんだよといった、期待のざわつきがあるだけだった。
そしてその希求による歓声は、その直後、木端微塵に粉砕されることとなったのである。

 

映像の途中から違和感はあった。
なんとなく音も映像も締まりがないのだ。
うまく接続プラグから出力されていないといった具合に、ゆらゆらしている印象だった。
途中にステージに登場してきた神バンドたちの様子にも異変はすぐに感じられた。
演奏に向けてどっしりと構えることなく、互いが互いを確認している。
どうもイヤモニからクリック音が聞こえてきていない、そんなように感じられた。
特にドラムの青山神はまったくプレイに入ろうという雰囲気ではなかった。
そして映像が終わる頃になると、明らかな不調が次々と露呈したのだった。

 

電圧降下によって照明の光度がフッと一段階落ちたような、そんな現象を眼前で体感した。
巨大なステージそのものの命の灯がスッと消えかかるような、極めて暗くなる印象を抱いた。
映像もイントロの音も不安定のまま宙に掻き消えた。
何のノイズ音も聞こえてこない。
照明やら機材やらの主電源が完全に落ちてしまった、――僕にはそのように思えた。

 

瞬刻、場内からどよめきが起こる。
しかし神バンドの面々がすぐに煽ってきたのでそれは再び歓声へと変わった。
一度止まったが、すぐにまたプレイは再開されるだろう。
その時の観客の多くはそう思い込んだのではないだろうか。
しかしその神バンドに対して、舞台の袖から一度引っ込むようにと指示があると、
観客は退場していく神バンドに向けてブーイングを発したのだった。
これまでに見たことがない光景に僕は唖然とする。

 

しかしそのブーイングは、決して非難しているといったマイナスのものではなかった。
例えるなら、TVアニメ「ドラゴンボールZ」で、
戦闘シーンのクライマックスから放送は始まったものの、
無駄に溜めを作って終盤まで引っ張り、結果、勝敗の行方は翌週に持ちこされ、
「おいおい、また1週間おあずけかよ。相変わらず展開が遅すぎるって。ブーブー」というような、
早く観たいのに焦らされ続けることに対する、いわば願望の嘆きといった意味合いのもので、
このブーイングは、BABYMETALのライブに対する渇望が顕在化した形と言ってよかった。
その証拠に、観客たちは、神バンドが引っ込むとブーイングは止めてすぐに気持ちを切り替え、
思い思いに場の空気を楽しみながら徐々に盛り上がりを見せていったのだった。

 

 

 

その後はしばらくカオスの時間が続いた。
全身ピカチュウのドイツ人男は度々スウィッチャーの餌食となり、
彼の姿がビジョンに映し出される度に、会場はピカチュウコールで盛り上がった。
勝手にクラウド・サーフを始める者も何人か現れ、
上着をはだけた女性がモニターに映ると、場内の野郎どもは脱げ脱げコールを合唱した。
そんな具合に、ライブが中断している間、観客たちの熱狂は醒めることはなかったのだった。

 

そんな場内の様子を見て幾分気持ちは和んだものの、僕は小さな不安を抱え込んだままでいた。
昨日も開演は遅れたが、それは突然の豪雨のせいで、情報は目の前にあったので処理できていた。
やがて雨は小降りとなり、ステージでは水はけ作業が進み、袖では関係者たちが協議している。
もう少しでライブが始まるということは、誰の目に見ても明らかだった。
だから観客たちは待っている間もBABYMETALのチャントをしたりして盛り上がり、
開演を迎えるまでに会場のボルテージは次第に上がっていったのだった。

 

しかしながら、今日のこの状況は昨日とはまるで違った。
ピカチュウ男はBABYMETALの窮地を救っている感があるが、問題は別にあった。
目に見える情報がまったくないから、BABYMETALのライブが行われるのかどうか、
また行われるなら、それがいつ頃になるのか、状況が掴めないままだった。
これでは、観客たちの意識は完全にBABYMETALから離れてしまう。
現に多くの人たちの関心は、会場内を次々に映すビジョンにばかり向けられていたのだった。

 

果たして、実に定刻よりも27分も遅れて、
ようやくBABYMETALのライブがスタートした。
神バンドがぞろぞろ出てきてスタンバイするや、
いきなり「BABYMETAL DEATH」の演奏を始めた。
ややあって、袖からフードタオルを被った3人が登場してくる。
僕はその光景を随分と冷静な目で見守っている。

 

 

 

自分でも驚くほどに、まったく高揚することがなかった。
急に始まったからなのか、それとも随分と待たされたからなのか、理由は分からなかった。
もしかしたら始まったことに対して安堵したからなのかもしれない。
しかし、周りの観客たちはすぐに大騒ぎ(※消音で申し訳ない)を始めたので、
彼らの勢いに呑まれる形で、僕の気分もすぐに乗り始めた。
いつもより笑顔を多く見せるMOAMETALに感化されたといった側面もあった。
ピットは早くも混乱状態。ジャンプにモッシュは当たり前。ぐちゃぐちゃだった。
前方では早くもクラウド・サーフを始める者まで出てくる始末――。

 

僕の心配をよそに、観客たちは、ピカチュウやら胸を強調した女性やらに盛り上がりながらも、
BABYMETALが登場してくればすぐに気持ちを切り替える準備はできていたようだ。
そしてピット中央の盛り上がりは終盤まで続き、曲が終わると大きな歓声も上がった。
心配は杞憂だったとわかり、嬉しくなった僕は、スマホでぐるりと周りの観客たちをフォーカスする。
しかし僕の目に映ったのは、あまり乗り切れずに傍観したままの、
後方に陣取っているかなり多くの観客たちの姿であった。

 

スマホを仕舞って再度後方を振り返ると、興味深げに熱心にステージは観ているものの、
ほとんど体を動かさないでいる観客の姿が多く目に留まった。
中には、WTF!? (なんじゃこりゃ!?)といったような、BABYMETALを初めて見た時の、
言わばデフォルトの表情でいる者もいた。
彼の頭の中には間違いなく大きなクエスチョンマークが浮かんでいることだろう。

 

 

 

そんな具合に、前後の客の間で温度差がある中、2曲目の「ギミチョコ!!」がスタートした。
ピットは再び活況を呈し、人という人がもみくちゃになって踊り狂っている。
しかし大多数の人々は、ピットの熱狂に触発されることなく未だにおとなしい様子でいたから、
彼らは、まるで紛争を避け、平穏無事を優先する日本の公務員のように僕の目には映り、
思わず、この傍観者たちはことなかれ主義なのか、と疑いの目を向けてしまいそうになった。
しかしその一方で、ピットの中央は俄然盛り上がっている。
それは曲が終盤になっても変わることはなかった。
SU-METALの「Clap your hand」の煽りに合わせ、一斉に手拍子を行っている。

 

やがて「ギミチョコ!!」が終わると、神バンドたちがお立ち台に上がった。
次曲は「Catch me if you can」だった。ここまでは昨日と同じセトリ順。
神バンドがソロ演奏を始めると、ピット中央ではサークルモッシュが発生した。
続けてBABYMETALの3人が出てくると、彼らは Wall of Death まで始めたのだった。

 

 

 

ピットの熱狂は相変わらずだが、周りはまだ静観している人たちが多い。
しかしそれは、BABYMETALのライブを始めて観る観客たちのありきたりな光景でもあった。
だけど僕は、理由もなく、それらに焦燥を感じてしまった。
おそらくは無意識に昨日の狂乱と比較していたからなのだろう。
UKのダウンロードフェスでは、かなりの広範囲で人々がモッシュしていたのである。

 

曲中、今日もメイクサークルの煽りがあった。
SU-METALが「Biggar! Biggar!」と叫ぶとサークルモッシュの輪は大きく広がっていった。
ピットは終始大盛り上がり。観客たちの笑い声は絶えない。
そしてライブは次曲「メギツネ」へと続いていったのだけれど、
この曲で、熱狂が周りへ波及していく様子を、僕は直に肌で感じることとなる。

 

 

 

スタートから歓声を上げ、曲が始まるとジャンプを繰り返しながら踊り狂うピットの観客たち
振り返ると、後方の観客たちも随分と手を挙げていた。
少しずつグルーヴを感じ、乗ってきているのかもしれない。
しかしまだまだリズムに合わせて体を大きく動かしているというわけではなかった。
心はリズムにシンクロしているが、体は動き出しそうで微妙に何かが枷になっている。
彼らの挙動からは、彼らのそんなじれったい内心が透けて見えた。

 

そして同曲の間奏で、再びSU-METALが煽りを入れる。
「Clap your hand! Are you ready? DOWNLOAD!」
彼女の煽りに会場はさらに熱を帯びていく。
そして「1、2、 1・2・3・ジャンプ!」で、今日もピットは爆発したのだった。
大勢の観客たちが飛び跳ねて回る中、尚もSU-METALが煽る。
「ソレッ!」の掛け声のところで、彼女が「ジャンプ!」と叫ぶ。
「ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!」
この煽りは、今ワールドツアーのどこかの単独ライブの会場でも見られたが、
会場全体を熱狂の渦に巻き込むべく、アドリブで繰り出したのではないだろうか。
すべての観客たちを刺激し、興奮させることによって熱狂のギアを一段階上げるために。

 

SU-METALの気迫は十分に伝わってきた。
煽りから息継ぎなしでそのまま歌い始めた時には鳥肌が立った。
後方からの熱量も感じ取ることができた。
さっと視線を四方に向けると、手を挙げている観客たちの動きが、
まるで大波のように辺り一帯でうごめいていた。
「よしっ、火は点いた。さらに爆発しろ」と僕は内心で歓喜の声を上げる。
ステージに目を向け、「最後まで負けるなよ」と彼ら7人に無言のエールを送る。

 

 

 

その後の「KARATE」でも場内の狂乱は継続した。
イントロが始まるなり奇声を上げ、上体を激しくグラインドさせるピットの観客たち。
僕の隣にいる女性は、終始空手の型のような振り付けを続けて悦に入っている。
眼前の上半身肌の男は、何かに憑りつかれたかのように激しく体を動かしている。
ここにきて場内はまさに興奮の坩堝と化したのだった。

 

熱狂は間奏の煽りに差し掛かっても依然として続いている。
SU-METALが「みんなの声を聞かせて」と訴えれば観客たちは大声を出して反応し、
「手を上げて」と言えば、これまた大声を発しながら一斉に指示に従っている。
そして「エブリバディ ジャンプ!」で再び爆発する観客たち。
誰も彼もが、狂ったようにひたすらジャンプを繰り返している。
MOAMETALとYUIMETALも、渾身のジャンプを繰り返して観客たちを煽り続けている。

 

 

 

大盛況のまま、ライブはいよいよラストの曲である「Road of Resistance」へ。
最初の Wall of Death はフライングしてしまったが、すぐに仕切り直してやり直した。
僕もそれに参加し、その後は外国人たちと一緒になってぐるぐるとまわり続けた。
途中でサークルから外れ、笑顔で走り続ける観客たちを、笑顔で見守り続ける僕。
ふと眉根を寄せてしまったのは、その中に異質な人を発見したからだった。
いったい何が彼をそういった奇行に走らせたのだろう。
どういうわけか右回りの激しいサークルモッシュの中を逆走している髭面の男がいたのだった。

 

その後はピット中央で激しいモッシュが起こったので、僕は嬉々としてそれに参加する。
途中に、腕に油性マジックで「俺は男だ」と書いているフランス人に声をかけられる。
僕は礼節を持ってそれは日本語で「ゼツリン」と言うのだと丁寧に教えてあげる。

 

シンガロングの頃になると、観客たちは随分と疲れの色を見せ始めたが、
それも無理もなかった。
なぜならピットの連中はスタートから飛ばしに飛ばしまくっていたのだから。

 

やがて「Road of Resistance」が終わり、BABYMETALのライブは終了した。
「WE ARE BABYMETAL」コールで締め、彼女たち3人が「SEE YOU」と言って去っていく。
神バンドが前に出てきて観客たちの声援に応える。
お立ち台の上で手を合わせ、深々とお辞儀をするBOH神。
その品のある綺麗なお辞儀の意味は、後に、彼のブログで知ることとなる。
様々なことに対する感謝、お詫びが、その深い一礼に込められている。

 

こうして、波乱で始まったBABYMETALのライブは、
昨日と同じセットリストで何とか体裁を保ちつつ、
ピットを混乱に陥れ、総じてそれなりの盛況を持って幕を閉じたのだった。
単独ライブでは最後に3人が順番に挨拶をすることもあるので、
今日も最後に、せめてSU-METAL1人だけでもいいから、
開演が遅れても待ち続けてくれたファンに対して感謝を表すような挨拶があればと思ったが、
他のステージの開演時間を考慮すれば、挨拶なしで去っていったのも致し方なしだった。
BABYMETALのライブが終わった途端、隣の3rdステージからは爆音が聞こえてきたのだった。

 

 

 

 

4.

BABYMETALのライブが終了すると、急いで反対側の2ndステージに向かった。
既にAMON AMARTHのライブは始まっている。
僕は中団やや後方あたりに移動すると、しばらくの間、彼らのライブを観賞した。
本場のヴァイキングメタルというだけあって、何とも雄々しい楽曲が多い。
途中、フロントの3人が角の形をした杯で酒を飲むパフォーマンスがあった。
何かの儀式のようだったが、これも彼らなりの様式美なのだろうか。

 

小腹が空いたので売店に寄り、フードやドリンクを購入する。
ぐるりと周囲に目を向けると、そこでは、密度の濃い異国の空気が流れていた。
自然の呼吸と人間の呼吸とが落ち合ってカタルシスを喚起している。
眺めているだけで自然と涙が溢れ出てくる光景とは、まさにこういうのを言うのだろう。
20時半を過ぎた夕焼け空がこんなにも美しいことを知れたのは大きな歓びだった。
僕は芝生の上に腰を下ろすと、しばらくの間この雰囲気に身も心も委ね続けた。

 

 

 

それからはまたメインステージに戻った。
スマホのバッテリーが切れかけていたので撮影は行っていないが、
その後はBIFFY CLYRO、JANE’S ADDICITIN、KORNを順番に観て回った。
そして午後10時半を過ぎたあたりで帰路に着いたのだった。
ゲートを出て振り返ると、異国の人たちの賑やかな話し声や笑い声が薄暮の空を揺すっていた。

 

シャトルバスに乗車し、最寄駅に向かう。
車中、僕は今日のフェスを振り返る。
BABYMETALのセットリストが半分削られたマイナス要素を加味しても、
個人的には、チケット代が安かったこともあり、随分とお得に楽しめた感があった。
しかしそれは、昨日も同フェス(UK)で観ているし、3日前に単独ライブを満喫しているから、
かなり温かな目で見ての心象であることは否めなかった。

 

ピットの熱狂ぶりだけを切り取って、それで「ライブは盛り上がった」とまとめても、
それは木を見て森を見ず。枝葉末節に囚われているだけで大局観はまったく無い。
それが旅のリア充をアピールするための、最初からマイナス要因を省いた上でのことだとしたら、
完全に本末転倒な話ではあるが、そうじゃなくても、やはり客観的な見方は必要にはなるだろう。
ライブの途中に離れていった客もいたという情報もあったが、それはそのことにも通じている。
今回のトラブルに関しては、ライブに対する個人の所感そのものと切り分けて考える必要がある。

 

チームBABYMETALが海外遠征を行う際、機材は必要最低分のみを持ち込み、
その他の機材(もちろんPA卓も)やスタッフは現地調達で補填している。
そのことは過去の雑誌のインタビュー等で何度か言及されている。
だから今回のトラブルの原因は、現地の機材(変圧器含む)もしくは現地スタッフに問題が
あった可能性が高いように思われるが、そうはいっても、前準備に1時間もあったのだから、
その間に、重要なことは細かくすり合わせ、起こり得る問題を洗い、
それらリスクを最小限に抑える方策を洗い浚い施すなりして、
事前にもう少しなんとかできなかったのかという悔恨の思いが強い。
そして開演の遅延に関する説明が一切なかったのも非常にまずい印象を受けた。

 

たとえば、昨年のレディングフェスティバルでは、ちゃんと司会進行役の人がいた。
その司会はまず、オープニングアクトであるBABYMETALが正午に登場してくる前に、
ステージ上で、今日のメインステージでライブを行う予定である全アクトを順番に紹介した。
また、1つのバンドの演奏が終わるごとにステージに出てきてはそのバンドを賞賛し、
そして次に行うバンドの紹介も忘れずに行い、その都度場内を盛り上げていた。
しかし今回のダウンロードフェスパリにおいては、司会進行役はいなかったように思う。
仮にその役の人がいれば、観客に対して何かしらの説明が行われていたかもしれない。
今こういうトラブルが発生しているから、すまないがもう少しだけ待ってくれ、そんな具合に。
しかし今回は主催者側から何の説明もなかったので、それは残念としか言いようがない。

 

興行面に関しても、BABYMETALのトラブルは、正直マイナスでしかなかった。
主催者であるライブネーションフランスが、メインステージの中間、午後6時の時間帯に、
1時間の枠を設けてBABYMETALを充てがったのは、他でもない、集客を期待していたからだろう。
ライブパフォーマンスに定評(ケラングアワードでBEST LIVE BAND賞を受賞)があり、
世界各国にそれなりにファンもいるグループだから、
BABYMETALのライブの勢いそのままに最後までフェス全体を盛り上げていこう。
もしかしたらそんな算段が働いていた可能性も少なからずあったのではないだろうか。

 

結局のところ、トラブルの原因(大規模な機材トラブルといったツイートを幾つか見たが、
本当にそうだとすれば、おそらく20分で復旧はしないだろうから、それはないと思われる)
はどうであれ、30分もの空白の時間を作ってしまったことは、
主催者側としても痛手であったに違いない。
なぜならばその時間、メインステージ以外では誰もライブを行っていなかったからだ。
音楽フェスティバルであるのに、まったく音楽が場内に流れていなかったのである。
しかしながら、そのマイナスからスタートしたBABYMETALのライブは、
時間が短縮されたとはいえ、パフォーマンス自体は賞賛に値するものだった。
だから、30分の空白はマイナスだったが、それによって観客たちの盛り上がりが欠けたとか、
来場者数が減ったりしたことはなかっただろうから、運営に支障を来すことにはならなかった。
30分の空白の時間を作ってしまったこと。
その点を今フェスの反省材料として、興行主がどう対策を練るかが今後大事になってくる。

 

BABYMETALのライブの内容について、もう少し振り下げてみる。
昨日も開演は遅れたが、今回の方が、3人に動揺の色は確実に広がっていたように思う。
フードタオルを被り、いざ袖から出ていこうとしたところでトラブルが発生し、
その後はいつ再開されるのか、まったく分からないまま時間だけが過ぎ去っていったのだ。
その時の彼女たちの心中は如何ばかりか。
3人は、不安を抱くよりも、やるせない思いに駆られたのではないだろうか。
なぜならファン以上に、彼女たち自身が、60分のステージを楽しみにしていたはずだから。

 

結果、時間が無くなってしまったことにより、セットリストは前日のUKと同じになったが、
これはチームとすれば苦肉の策、だけどその時点では最良の策だったのだろう。
そしてフロントの3人と神バンドは、ステージ度胸の凄さをその後にまざまざと見せつけた。
イレギュラーのときにその人の本質が問われると思うと、以前に宇佐美氏は言っていたが、
チームBABYMETALは、中断している間、再開に向けて間違いなく最善を尽くしたと思われる。

 

果てに、ステージ上の7人は、限られた時間内でベストを尽くした。
それはこの目で生で見たから確かなことだ。
音響バランスはこの際置いとくとして、彼らは最後まで会場を盛り上げようと努力を続けた。
観客たちを盛り上げるため、まずは自分たちが笑顔満載で楽しんでパフォーマンスを行った。
観客の中には、今回のフェスを楽しみに待っていた地元のファンもたくさんいたのだろうが、
トラブルによってなかなか観ることのできないBABYMETALのライブが短縮されたからといって
文句を言う人は、少なくともステージ上の7人に対してはいないように思う。
短い時間ながらも、それだけの見返りは十分あった。
だけどもしかしたら、主催者側に「ちゃんとしろ」と抗議を行った者はいるのかもしれない。

 

何もしなければ、そもそも失敗はない。
トライするから、失敗するのである。
そしてやる気を完全になくさない限り、失敗はあり得ない。
これくらいでいいだろうと妥協すればその時点で負けであり、失敗である。
しかし彼ら7人は、最後まで決して負けることはなかった。

 

今回のライブを評するならば、この一点に尽きるのではないだろうか。
環境がまったく違う海外のライブではトラブルはつきもの。
しかしそれによって追い込まれた7人は、決して弱音を吐くことはなかった。
彼らは自分自身に負けなかったのである。
その経験は、心をより強いものとし、今後のステージジングに反映されていくことだろう。
余談だが、あまりのアウェイっぷりから、ヘドバン編集部をして「ミュンヘン事変」と言わしめた、
あの昨年5月の ROCKAVARIA 2015 で鍛えられた経験も今回に活かされたのかもしれない。

 

BABYMETALの楽曲について一言申し上げるならば、
「メギツネ」は、今年のワールドツアーで大化けしたという思いが強い。
元々国内のライブでは爆発的な盛り上がりを見せる同曲ではあるが、
煽りを挟んだだけで、海外でも飛躍的に盛り上がるようになった。
今日のフェスでも、「ギミチョコ!!」や「KARATE」以上に起爆剤となっていた。
外国人たちが手を上げてジャンプを繰り返して踊り狂う光景はしばらく忘れることはないだろう。

 

そして最後に、今日のBABYMETALのライブに集まった観客たち、その中でも、
ピットの中央ではちゃめちゃに盛り上がったキツネたちについても触れておかなければならない。
開始直後から彼らが生み出した熱狂は、BABYMETALに対する献身でもあったように思う。
おそらく彼らは、大多数の人たちがBABYMETALのライブを観るのが初めてだと知っていて、
だけどトラブルで開演が遅れてしまい、それによって場内をシラけさせるわけにはいかず、
また彼女たち3人にも恥をかかせるわけには到底いかず、だから最初からエンジン全開で、
あれだけノリノリになって過剰に場を盛り上げたのではないだろうか。
ピットの熱狂を見ていて、僕はそんな風に感じたのだが、でも実は彼らは何も考えていなくて、
単純にBABYMETALのライブが楽しいから純粋に踊って弾けていただけだったのかもしれない。
本当のところは、かなりの確率で後者なのかもしれないが、僕の中では、
前者であったことにしておいたほうが気分的には良いので勝手ながらそう解釈しておこう。

 

2度の大雨に財布のロストと、いろいろとあった3度目の海外遠征。
翌日の帰りのフライトでは、チェックインしようとしたところで既に満席だと言われ、
危うく帰国できない状況にも陥ってしまったが、その後何とか無事に搭乗することはできた。
BABYMETALの欧州ツアーも波乱まみれだったが、同じように、僕も波乱まみれの旅だった。
がしかし、そういった波乱は、チームBABYMETALの結束力をより高めることに繋がり、
また僕自身にとっては、より面白味のある旅となり、非常に思い出深いものとなった。
シートの中で旅程を振り返り、僕は微笑を浮かべて静かに目を閉じた。
そうして3度目の海外遠征は、僕を深い充実感に浸らせて幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

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